第6話 2度目のテイムと新たな出会い
「狼さん、私の名前は名前は上級神・音の守護神見習い、別名サウンド・ガーディアンのステラクルムといいます。私の眷属神になってくれませんか?」
「…よろしいでしょう。我は上級神の貴女に仕えられることを誇りに思います。」
狼は目を丸くして驚いた後、私に頭を下げた。
「えっ?いいの??そんなに簡単に決めて。考える時間あんまりなかったと思うんだけど……」
普通そこはもう少し悩むところじゃないのかな?
「我ら神にとって自らより位の高いものに仕えるのは名誉ある事でございます。貴女を最初に見たときからいつか貴女に仕えたいとずっと思っておりましたので。」
そうなんだ……。ちょっとうれしい。
「えっと、じゃあ遠慮なくテイムさせてもらいます。『テイム』」
その瞬間、私の手から魔力の糸が放出され、狼さんとつながった。
「あなたの名前は『イネヴィー』。ここにいるファンマとは逆の意味の必至からもじったの。貴女とファンマは正反対だけど、反対だからこそ仲良くしてね。敬語は無しで話してね。これからよろしく、イネヴィー!」
そう名付けたとたんに成功の証である魔力の糸が眩しく光った。よかった、成功だね!
「わが主、それからファンマ殿これから我をよろしく頼むぞ!」
そう言ったイネヴィーはもともと黒銀に輝いていた毛並みに所々、濃い青を入れて目も同じように真紅色だった。
「よろしく!!」
イネヴィーをテイムしてから数分後に交換日記を書いた。わたしが「よし、交換日記を書こう!」っと言ったら、青い燕がどこからともなく現れた。そして明け方。私は今、イネヴィーの上でグゥタラしている。
「……ん?何この変な光」
私が最近ずっと発動している【索敵】スキルに奇妙な赤い丸があった。
「まさか、これは……血の色?!イネヴィー、私を背中に乗せたまま飛ばして!!場所は私が指示する。ファンマ、肩に乗って!」
ふたりにそう言って、イネヴィーが走り始める。
この世界には魔物がいる。世界の中心にあるこの聖域にこそ魔物は出入りできないが、人間も迷うこの大森林という場所と、魔物のくせに温かい神力に魅かれるため、神力の効果のあるぎりぎりまで魔物でいっぱいだ。今私が向かっているのはその神力の結界の外。しかもそこに倒れている人間は、重傷を負っているようだ。急がなくちゃ……!!
そして数分するうちにその人間に到達した。
「よかった、まだ魔物達はまだ気づいてないね。……おっと、戦闘服に変えないと。ファンマとイネヴィーはそこからばれない様にしていてね。」
そう言って、さっき作った戦闘服を着て、仮面で顔を隠す。……こういうのは途中で意識が戻るのが定番だからね。万全の対策をしないと。
そうして同じ年ぐらいの血だらけの女の子を見つけた。
「ごめんね。『鑑定』」
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名前:エルスティア・フォン・ザクラット 性別:女
種族:人族 レベル:7 年齢:15
~~省略~~
加護:創造女神の神霊・ザクトゥーガの加護
称号:ザクラット帝国・第一王女 狙われた者
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うわぁ……やっぱり予感はしてたけど王女だったか。しかも称号が狙われた者って……。これ絶対「命を狙われた者」ってことだよね。何というか、ちょっと同情しちゃった。私の称号は普通の人が見たら嫉妬されるやつだから私に同情されても嫌だろうけどね。
「さて、それよりもこの子をどうしようかな?たしかこの森林を抜けた先にはこの子の国のザクラット帝国の町があるらしいから、そこに送ろうか。……ごめんね。」
今日2度目のごめんねを言ってから、植物魔法を応用した、昏睡魔法を発動させた。これでこの子が起きることはないだろう。あと、聖魔法の完全治癒を使って体の状態を元に戻した。もちろん、人体に影響のない程度の威力でね。強すぎると逆に悪化するから。……まぁ、それでも服の汚れを取る気はないから、この子に何があったのかは大体わかるだろう。
「よし、行こうか、イネヴィー、ファンマ。」
イネヴィーの背中に乗って動き出す。この世界に転生してから初めて聖域の外に出るもんね。ワクワクが止まらないっ!




