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第5話 女神の歌声と戦闘服と単刀直入

 「次は、【索敵】・【変装】・【体調管理】・【異空間収納】・【マナー】を一気にやろう。」


 


 ……あぁぁぁぁ…ほんと嫌だ。チートは嬉しいけどこんなに強すぎると怯えられちゃうよ……


 「やっぱり全部チートだったね。どうする?ステラ。このままこの聖域に閉じこもっちゃう?」


 「でも、それをするとクリアからの使命でクリアと私の信者的なものを増やして来いって言われてるから、それを達成できないんだよね……さすがにそれはできるだけ避けたいからね。はぁ…腹をくくるか。」


 人に嫌われたりするの嫌いなんだけどな……まぁ、まだやらないといけないことが沢山あるからまだそっちの方は考えなくてもいいか。


 「次のスキルは―――えっと、【裁縫】と【機織り】だね。それなら戦闘専用の動きやすいドレスみたいなものを作ろう。確か無属性魔法ですぐに着替えれる魔法があったから戦闘になっても大丈夫だね!」


 そして、大辞典で布の作り方を検索する。


 「えっと、『手のひらから好きな糸の太さをイメージしながら魔力を放出する。その魔力がイメージと同じだったら魔力をつぎ足しながら圧縮し、固まったら少しずつ慎重に魔力を抜いていく。それを機織り機にセットすれば準備完了。』なるほどね。糸を想像しながら放出……。」


 むむぅ…。なかなか難しいわね。できるだけ細くしたいけどそこまで魔力操作するのが難しい……。


「ねぇステラ、それ切れてるよ?上ばっかり気にしすぎて下を気にしてなくて切れちゃったら意味ないよ。」


 「わかってるけど…。あ、そっか。手で伸ばせばいいのか。」


 これをもうちょっと早くに思い付けば魔力を消費することもなかったんだけどな。まぁ私に魔力の上限なんてないけど。


 「よし、そして機織り機を出して、糸をセットしよう。」


 バタン、バタン。バタン、バタン。バタン、バタン。バタン、バタン。




 何時間たっただろうか。私が転生したのは朝ぐらいだったからそろそろお昼ぐらいか。


 「あれ?そういえばお腹がすかないね。何でだろう。知ってる?ファンマ」


 「忘れてるだろうから言っておくけどステラは、神だよ?今は肉体もあるけど、もとは精神体の神様が食事はいらないよ。」


 少しだけあきれたように返すファンマ。そうだったね、こうやって集中するといろいろ忘れちゃうことが多くなる。


 「ごめんね。それにしてもだいぶ織ったね。そろそろ裁縫してもい頃かな。」


 謝りながら【裁縫】スキルの裁縫道具を出現させる。その裁縫道具を持つと驚くほど手になじんでくる。ていうか、裁縫道具の中に伸縮可能なトルソーなんてないよ、普通。(伸縮可能じゃなくてもトルソーは裁縫道具とは言わないと思うけど。)




 「ふう~~~~~~~~~~……やっとできた!!」


 もう外はとっくに夜だ。もう暗いのに、この中で裁縫してたのか、私。流石神様。無駄に高スペックね。(無駄じゃないかもしれないけど。)そして肝心の戦闘服は、動きやすさを重視しながら可愛さがありながらどこか神秘的なドレスに出来上がった。これは普通だとものすごく恥ずかしいんだけど、私が着ると何故か可愛く見えちゃうんだよね。びっくりしたよ。因みに、空間魔法で確認したよ。


 「出来たの?ステラ。」


 「うん、どう?似合う?」


 私が作ったのは、動きやすそうなのに可愛く清楚な雰囲気を持ち、頭には飾りと、仮面がついている。


 「うん、似合うよ!ものすごく頑張ったんだね。」


 そう頑張ったんだよ。もうちょっと褒めてくれてもいいのよ?

 

 「でもね、まだ行く予定がないとはいえ、いつか行くことになるでしょ?だから魔法が使えるから本当は必要ないけど、私がチート過ぎるのはまだ知られたくないから服とかいろいろ作ったりしなくちゃいけないの。あと、ばれても大丈夫な用の戦闘服もね。」


 「そっか。じゃあこれからの応援も兼ねて、歌ったら?」


 おお、いい考えだよファンマ君!


 「うん、そうする!なら、光り輝く花を咲かすのはどう?それなら危険もないだろうし。」


 「うん、いいよ!この聖域っていう場所にもあってるしね。安全そうだし。」


 よし、ファンマのお許しも出たことだし、さっそく踊りと歌と曲を考えよう。いちおう、歌っている間にも自分の周りに気を付けないとね。……この歌は今後も使っていくつもりだから今出せる本当の本気を出そう。


 「……よし、全部作り終わったよ!ちなみに今回の楽器はバイオリンです!両手が使えないから踊りはステップだけにしたよ!」


 おー、とファンマが拍手をしてくれる。さて、これが終わったら交換日記書かないといけないし、私のステータスでどこまで通用するのか知りたいし。ここに転生してからほとんど移動してないもんね。


 「Let's start!」


 今回は水面ではなく地面の上で歌い始める。


〝つらくても前を向いて きっと誰かがついている 空を舞う花のように 宙に瞬く星のように 

一人じゃないのなら前を向いて駆け上がれ 力が及ばずともきっと助けてくれる人がいるから。


つらくても前を向いて きっと誰かが傍にいる 空を切り飛ぶ鳥のように 何度もトライする人のように

一人じゃないのなら前を向いて駆け出して 輝はきっと傍にいてくれるから。”


 前世も含めて最高傑作の歌は魔力とともに静かにゆっくりと、でも確実に染み込んでいく。悪意を持つものも未来を諦めた者も皆同様に前を向く。それは世界の中心にある聖域の枠を超えて世界各地に飛んでゆく。

              

 そして、歌が終わるころには"ほぼ"全ての人がステラの歌によって悪意を浄化されていた。


 「……どうだった?現状、私の最高傑作!」


 そう言いながら目を開けると、大音量の拍手が私を包み込んだ。


 「えっ?!ナニこれ?!?!……精霊さんと木さん?」


 なになになになに!?!?なんじゃこりゃあ!?っていうか皆に歌を聞かれてたってことだよね…?もう嫌だ…ファンマならともかく知らない子に歌を聞かれるのは恥ずかしいよ!まぁ、音の守護神である限りこれからきっとバンバン聞かれるんだろうけど。


 「どうだった?ファンマ」


 「もちろん最高だよっ!今までに聞いたことないくらい最高っ!!また聞かせてね?あ、そういえばここに他の神獣が一体きてるからテイムさせてもらうといいよ。」


 そうなの?やっぱり最初に転生した時に見た狼さんかな?


 「そうそう、その狼だよ。因みに精霊と一緒になって動いてるのは霊木っていうやつだよ。位的に言うと精霊と同じ地位にいるよ。」


 へー、そうなんだね。確か索敵によるとここから一番離れたところにいるね。人見知りなのかな?

 

数分歩いたところに黒銀に輝く狼がいた。

 

 「狼さん、私の名前は名前は上級神・音の守護神見習い、別名サウンド・ガーディアンのステラクルムといいます。私の眷属神になってくれませんか?」


 そう言うと、ファンマも狼も驚いたように目を丸くしていた。…あれ?単刀直入過ぎた?

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