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ヘビメタが聞こえる  作者: 生丸八光


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2/2

ヘビメタが聞こえる 後編

俺は、長髪にサングラス聞こえて来るヘビメタに()わせ、ノリノリで渋谷の町を歩いていた・・・


そんな俺に立ちはだかる一人の男・・・


(びょう)を打ち込んだ革ジャンにジーンズ・・・


『コイツにも、ヘビメタが聞こえてるな!』


俺は、その男の目の前でエアギターを弾き、ヘッドバンギングしまくった!


男は恐れを感じたのか、後ずさりして道を(ゆず)る・・


『・・・勝った!俺は勝ったぞぉ~!みんな俺に道を譲るんだ!俺はヘビメタ王だぁー!』


俺は、更にノリノリになった!


渋谷は若者の町。ヘビメタが聞こえそうな奴らが、わんさか()やがる。


俺は聞こえて来るヘビメタに合わせ、エアギターとエアドラムで片っ端から挑発しまくった!


俺の周りから人がハケて行き、スクランブルでは人波(ひとなみ)()かれ、目の前に道が(とお)る・・・俺はその道をエアギターとヘッドバンギングで渡って行く。


『王様のお通りだ!』

誰も俺の道を(さえぎ)るものはいない!


『ヘビメタ最高だぜぃ!』


鳴り響くヘビメタにノリノリの俺・・生きてるって感じた・・


突き進む俺に、一人の男が目に入る!

そいつは、革ジャンにブーツ、シルバーのアクセサリーをジャラジャラ身に着け、肩にはギターを(かつ)いでいた。


俺の低音が(はげ)しく響き出す!男の周りをヘッドバンギングとエアギターで回り出した!


俺の動きをじっと見つめる男・・・


ガンガンでノリノリの音が身体中を()(めぐ)り、俺は更に激しくヘッドバンギング!


奴は、俺の強いデストネーションに、ミュートを()かせたリフを感じたのか、ギターを取り出し、激しく()()らした!


俺は奴の音に負けじと、強いアタック音のベースに、高速でツインペダルを踏み続けドラムを(たた)き、ヘッドバンギング!


二人のヘビメタが激しくぶつかり、二人は激しく、ヘッドバンギング!


やがて、二人の音が()じり合い1つに・・シャウトにユニゾン・・・時間を忘れ、激しくヘッドバンギングし続けた・・・


至福(しふく)の時間が流れていった・・・(たが)いの音を認め合い、別れ際にハイタッチを()わしメロイック・サインを突き上げた俺だったが、バイトに遅刻しクビになった・・・


『しかし、俺はヘコたれない!俺にはヘビメタがある!俺の身体中に鳴り響くヘビメタが!

モーツァルトやベートーベン、かつての天才音楽家達には、(つね)に音楽が聞こえていたに違いない!・・そして俺にはヘビメタ・・・そう、俺は天才なんだ!』


俺は、ガンガンに鳴り響く音に身をまかせノリノリで家に帰って行く・・・


『母ちゃん!ただいまっ!』


帰って来た俺は、いつものように薬と水を一杯。


すると、今まで聞こえていた音が消えた・・・ガンガンに鳴り響いていたヘビメタがピタリと・・・


どうやら、耳鳴りの薬が()いたらしい・・・


俺は、そっと長髪のカツラを取り、革ジャンに革のパンツを()ぐと・・・


「とりあえず、バイト(さが)さねぇとなっ・・・」



(終わり)



















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