世界を跨いでも上手くいくかは自分次第
変わらない日が
永遠と続くと思っていた
朝日が昇って目を覚まして
欠伸をしながら湯をわかし
昨日の夜ご飯の残り物を食べつつ
今日はどうしようかと考える
着替えたら外に出て
畑の様子を見に行く
森に囲まれている我が家に
来客などあるわけもなく
1人でもくもくと畑仕事をする
そんな日が繰り返されるのかと思っていた
でも、その日は何かが違っていて
朝日が昇る前に目が覚めて
いつもならボーッとする頭も冴えてて
なんとなく散歩に行きたくなって
着替えて外にでた
朝日が昇る前とはいえ
空はうっすらと白くなっている
そのお陰で
とびだした根っこに躓くこともなく
鼻歌を歌いながら
目的もなく歩き続ける
(こういう日もあっていいなー)
なんて思いながら歩いていれば
こんな森の中で聞くはずのない
小さな鳴き声が耳に届く
その声の方向に歩いていくと
声はだんたんと大きくなり
驚き、歩みを進めれば
大きな木の下に薄汚れた布に包まれた何かがあった
泣き声はそこから聞こえている
慌ててその何かを抱きあげれば
それは人間の子供だった
それもまだ生まれてまもない赤ん坊だった
周りを見渡しても
他にはだれも居らず
普段と変わらない森が広がっていた
「結婚どころか彼氏彼女もいたことのない私が…いきなり子持ちか…」
一人の男のため息と赤ん坊の泣き声だけが森の中に響いた
これは 人生ってままならない が口癖の
一人の生の物語