表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

プロローグ

そこは、何も無い真っ白な場所だった。真っ白で終わりが無いような空間。まるで宇宙にいるような、また水の中を歩き続けているような感覚で頭がフワフワする。

ここはきっと夢の中なんだろうな、と宮島王利は思った。

そんなことを考えていると突然、「おーい」とどこからか声がした。しかし、周りを見回すも360度変わらない景色が宮島を包んでいる。

この声の主は一体どこにいるんだろう、と宮島は考えようとしたが頭がフワフワするせいか、上手く考えられない。運動が苦手な僕は体育の授業があった日の午後はだいたいこんな感じになる。

「おーい、もしもーし?」

考えるのがだんだん面倒になってきた。とりあえず目を瞑り耳を澄まして発声元を探る。

「おーい、おーい」

宮島はこの空間が声を吸収していてほとんど反響していないことに気づく。

はぁ、と俯いて溜め息をつく。

すると、足元に真っ白い世界に不似合いな子供の掌よりも小さい黒い穴が転がっていた。直感だが宮島はここから声が聞こえてるんじゃないかと思った。

ゆっくり跪いて穴に耳を近づけると、

「ねぇ、聞いてる?」と少し不機嫌そうな声が中から確かに聞こえた。多分年齢は同じくらいの女性だろう、と思う。

「聞こえてます。あのここがどこか分かりますか?」

跪いたまま穴に向かって答える。

「ここがどこかなんて見て分かんないの?」と彼女は少し侮辱するような言い方をする。

「ふーん、あのね、ここは…」

この不自然な間に宮島はなんとなく嫌な予感がする。そして、それはすぐに的中する。

「あの世、よ」

彼女は静かに答えた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ