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7話

豆腐とワカメの味噌汁とだし巻き玉子、既に炊けていたご飯を食べやすいようにオニギリにして、和食からは外れるが和風ドレッシングをかけたサラダを用意する。

テーブルにそれぞれ移動すれば、準備出来たと分かったのか、ニコが自分の椅子に近づく。まだ自分では登れないので、抱き上げて座らせた。


最後に飲み物と、箸、スプーンを用意すれば完了だ。

「いただきます」と手を合わせて言えば、ニコも手を合わせて口をモゴモゴと動かしてから、食べ始めた。



朝食の片付けを終えて、リアラご希望のマフィンを作る。

考えた末、沢山あるジャムと、チョコチップを入れたものをそれぞれ作る。

ブルーベリージャムが、丁度終わった。

冷めるのを待つ間、出掛ける準備をする。


「ニコー、お出かけするよー」

「!!」


絵本を見ていたニコが駆けてくる。

5月半ばだが、少し暑くなりそうだと言う予報が届いている。

昨日、買い物をした際にニコ用の日焼け止めも買ってきたので、1度部屋に戻り、薄手の服に着替えさせながらそれを塗る。

日差しを避けるための帽子を被せて…


「…カワイイ!!」


水色のワンピースに、黄色の帽子を被ったニコが可愛くて、思わず抱きしめた。嬉しそうに笑みを零すニコが更に愛おしかった。


自分の支度も整えて、念の為2人の上着を用意する。

タブレットに届く予報は自宅と、届いた時点でいる場所の周囲ぐらいしか記載されないので、リアラのいる街がどうなのか分からない。外れるという事はあまり無いが。


キッチンへ戻り、お土産のマフィンとは別に、途中でニコがお腹を空かせた時様に残しておいたオニギリとマフィンを包む。

誰か…テレビだったかな?…に聞いた、子供のオヤツは本来、食事だけでは摂りきれない栄養を補うものだと言うことを思い出したから。

荷物を用意して、忘れ物がないか確認する。

飲み物を忘れていて慌てて用意した。


「それじゃあ、行こうか」

「!!」

「でぐちまでいくー」

「みんなにもあいたいー」

「あ、そうだね。様子見てこよう」


飼育が自動とは言え、なるべく日を開けずに動物達の様子を見に行く様にしているが、ここ2日ほど行けていない。

それに、ニコに会わせるいい機会だから、途中で寄ることにした。


先にクッキーの元へ行き、鞍にニコを座らせる。

車で言うチャイルドシートの様に、ニコが落ちないように鞍を変形させる(以前乗った、輿に近い)。

その状態で、クッキーの手網を引いて動物小屋まで向かった。


「やっぱり整備して良かったね。クッキーも歩きやすいでしよ」


少し前までは、雑草と牧草が好き放題伸びていた土地も、歩きやすいように整備した。

家と南東にある出入口、南東を区切っている川にかけた橋、動物小屋、果樹畑をそれぞれ結ぶように一本道になるように雑草を刈り(動物達のご飯になった)、石を敷き詰めて石畳にした。

整備したのはニコを預かる前の話なので、ニコがここで走り回った時にケガする可能性が出てくるので、注意する必要がある。


クッキーの上にいるニコはと言うと、いつもより視線が高くなって見える景色が変わったのが面白いのか、目を真ん丸にしてキョロキョロとしている。



少しして動物小屋にたどり着く。

クッキーから降ろして近くに連れて行っても、ニコは怖がらずにそっと触れたり、凝視したり(キツネの本能なのか、主に鶏を)している。

一方の動物達は、いつものようにのんびりしてこちらには興味を示さなかった。妖精達が周りを飛び回っているのにも我関せずで牧草に夢中になっている。


「うん、皆元気そうだね」


近くに行くと、一匹一頭ずつ健康状態がタブレットに表示される。今日も問題なさそうだ。

確認を終えて、再び出口へ向かう。

この先は馬車にして向かう。

妖精達に見送られて、外へ出た。



「!!」


ニコは森の中を、嬉しそうに眺めていた。

時々何かを見つけて、ココロの注意をそちらに向ける。何かあったようだが、何かは分からなかった。

けれどニコは、ココロが反応してくれるだけで嬉しいのか、不満に思うことなく何度も呼んだ。

しばらくして森を抜ければ、ちょっとだけつまらなさそうな顔をしたが、少し遠くに牛等の放牧中の動物が見えてくれば、またキョロキョロとし始める。


「!!」

「ニコ!?急に降りたら危ないよ!!」


途中、動いている馬車から降りようとしたので、慌ててクッキーを停める。

何か気になる事でもあったのだろうか。馬車から降ろせば、通り過ぎた所に駆けていく。

しゃがんだと思えば直ぐに立ってこちらに戻ってくる。


「わ、お花!?」


可愛い小さな手には、これまた可愛い小さな花が握られていた。


「カワイイね。よく見つけたね」

「!」


クイッと腕を伸ばしてくる。くれると言う事だろうか。


「ママに?ありがとう!!」


受け取ってお礼を言えば、はにかんだ笑みを見せてくれる。

無くさないように、ボタン付きの胸ポケットに入れた。

その後も何度か同じことを繰り返した(種類は全部違う)ので、もう入らないから終わりにすることを伝えれば、それからはやらなくなった。

花柄の靴や服を好んでいたから、やはり花が好きなのだろう。

今度花を育ててみようと、ニコニコしているニコを見ながらそう決めた。

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