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11話

「ただいまー」


リアラとハロルドとのお茶を終えて、帰宅のため彼らと別れた。

ハロルドには、昨日咄嗟のことで乗馬が出来るようになった事も伝えたので、特訓は終了となった。

帰り道、食材店を見かけたので、足りなくなってきた食材(主に肉や魚)を買うのを忘れずに。


「おかえりー」

「ココロおかえりー!」


いつもの様に、敷地に入ったすぐ側で待っていた妖精達に声をかければ、その順番に馬車に入ってくる。

そのまま馬小屋まで戻り、クッキーを中に戻してから、子猫を連れて家に入る。


「さぁ、出ておいで」


フタを開ければ、すぐに飛び出してくる。

うぅーんと背中を伸ばしてから、グルーミングを始める。

そろそろお腹を空かせる頃だから、荷物を片付ける前にご飯の準備を始めた。


「うーん、これどうしよう」


子猫用のキャットフードと一緒に、ひと粒の錠剤を取り出した。

リアラいわく、錠剤型のマイクロチップ。

これを細かく潰してご飯に混ぜてあげれば体内で溶けて馴染み、もし迷子になってもすぐに見つけ出す事が可能になるという。

とは言え、迷子になる状況に至るかどうか。

街中なら、昨日のように木に登って降りれなくなったりして、居場所が分からなくなることもあり得る。

けれどこの中なら、勝手に外に出れないようにも出来る(帰り道でタブレットイジってて気が付いた)ので、どこかで迷子になる事は……。


「あ」


十分にあり得ることだった。

完全に家猫にしてしまうのならば必要ないだろうが、元は野良。

外で生活していたのなら、中に閉じ込めてしまうのは可哀そうだ。勝手に飛び出してしまうこともあるだろう。

なら、最初から自由に行き来出来るようにしておいた方が、ストレスもため込まない。

けれど、この土地は広すぎる。敷地外に出れないとはいえ、どこにいるか把握できるのはありがたい限りだ。


という事で、錠剤を入っていた袋に戻して軽く潰せば、ホロホロとお菓子のように簡単に粉状態になった。

これを子猫用の柔らかいキャットフードに混ぜて、新品のお皿に盛れば、匂いで気が付いたのか足元で待ちわびていた。


「はい、お待たせ。お水も飲んでね」


水用の小皿も横に置いて。

食べ終えた後は遊ぶか寝るか。それはお任せとする。

ココロも簡単にお昼を済ませ、荷物の片付けに手を付けた。


最優先は猫トイレだ。砂を敷き詰めてドームを付けるだけの簡単作業。

ちなみに二2個。一つはこのリビングと、もう一つは寝室に。


寝室には、一緒に猫ベッドも持って行った。

入り口近くに猫トイレ、ベッドわきに猫ベッド。

出入りが自由にできるように、寝室のドアと玄関ドアに猫用の出入り口をディ達に取り付けてもらった。


リビングに戻れば、満足したのか子猫はソファーに乗ってまったりとしていた。

昨日から既に思ってはいたことだが、野良だった割に順応が早い。警戒とくのも早かったが。

まぁそれは気にせず、キャットタワーを取り出す。


既に完成した物を、運びやすいように分解してもらったので、簡単に組み立てなおすだけだった。

高低差のある段がいつくか、ハウスと呼ばれる巣穴のようなものもあれば、小さな猫用ハンモックもついている。

支柱は爪とぎできるようになっていて、取り換えられるように予備も買って来てある。

極めつけなのが、宇宙船と呼ばれる、下からくつろいでいる姿が見れる透明な深皿のようなものもあった。

ちなみに底にはすべり止めが付いており、天井に固定できるので倒れる心配もない。


「よし、こんなもんかなー」


試しに少し強めに押してみたがびくともしない。

これで使ってくれたら文句なし(全く興味示さない猫もいるそうだ)。


「後は餌とか仕舞える棚作って…うん?」


キャットタワーから視線を外してそんなに時間は立たなかったが、物音が聞こえたので振り向くと、子猫がさっそくキャットタワーに登っていた。

さきほどまで眠っていたと思ったらいつの間に…

しばらく行動を眺めてみる。段を登ったり下りたり、ハウスを覗いてみたり、ハンモックは…乗らないけどゆらゆらさせてそれにじゃれついたりと忙しい。

何はともあれ、どうやら気に入ったらしい事は分かった。

その結果に満足して、まだだった棚(猫が開けられないように工夫あり)を作ってもらい、餌類と砂、おもちゃをそこにしまう。


「よし、これで猫関係は終わりかな」


微調整として、エサ皿とトイレを、キャットタワーの左右に置く。

また気が付けば、ハウスの中に入って眠りについていたのを確認して、丁度いい時間なので、妖精たちのおやつの時間にした。


「さ、今日は行く前に作ったパウンドケーキだよ」

「わー!」

「おいしそー!」

「このままでも十分おいしいし、ホイップクリーム欲しかったらつけるよ」


人数分にカットしながらそう問いかけるが、誰も欲しいとは言わない。

ホイップクリームの苦手なリンとイトに遠慮してるのだろうか。

あれこれいう事でもないので、一つずつお皿に乗せていく。全部で12皿になった。

リアラの家で食べてきたココロだが、ここでも食べる。

決して食い意地が張っているわけではない。妖精たちが、ココロが一緒でないと食べようとしないからだ。

なので、基本的に毎日子のおやつの時間はある。

そろそろ作れるおやつがなくなってきたので、レシピ本でも見てこようと思う。それまでは味を替えれば問題ないだろう。


そう考えながら、妖精たちの嬉しそうな顔を眺めつつ、自分も口へパウンドケーキを運んだ。

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