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私が目を覚ました時、既に日は沈んでいた。
窓からは小さな明かりが差し込んでいた。恐らく月光だろう。場所はどこかの屋内にいるのは確かだ。
頭痛と身体の痺れが酷く立ち上がる事が困難だった。
脳震盪により思考力は低下していたが、間違いなく異常事態である事は直ぐに理解した。
ふと部屋の中を見回すと、人影がこちらに近づいて来るのが分かった。
人影が近づくにつれ、それが何かが分かった。
正体は初老の男性だった。
だが、男の頭は何かで削ぎ落とされたように欠けており異様な形をしていた。
突如、男が叫び声を挙げた。
すると、男が5人ドアを開けて入ってきた。
皆、同じ形状の頭をしていた。
男達は4人で私を抑えつけた。
私は抵抗しようとしたが、上手く力が入らなかった。
そして、残りの一人が私の頭を目掛けて手斧を振り下ろそうとしていた。
こんな最悪な1日はあるだろうか。
頭の中で最悪なシナリオを描いていた。
既に妹はこの世にいない。そして自分もここで死ぬのだ。
私は死を受け入れるように目蓋を閉じた。
そして、何かが砕ける鈍い音が聞こえた。