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【プロローグ】
2013年10月
私はある場所へ向かっていた。
3年前、失踪した妹の車が発見された場所だ。
その場所は、山に囲まれた森林地帯であった。
当時、警察による捜索が行われたが妹は見つからなかった。
次第に捜査は打ち切られ、現在はお蔵入りの一つになってしまった。
今になってなぜ私がそこに行くのか?
理由は3つあった。
その1
最近になって、妹はある事件を追っていた事が判明したからだ。
その事件とは、付近で登山家などの失踪が相次いでいるというもので
妹はその事件を単独で捜査しており、何らかの事件に巻き込まれた可能性が高いと感じたからだ。
その2
数日前、とある掲示板にて謎の集落を発見したという書き込みを見つけ調査した所、妹が失踪した場所の付近と一致したのだ。
その3
警察側の捜索方法にいくつか疑問があった。
なぜか捜索域を最初から絞っていた。
また、私が直接捜索に加わる事を嫌ったのだ。
私は、その3つを理由に自分自身で、妹を捜索する事に決めたのだ。
なぜ妹はこの事件を単独捜査していたのか?
なぜ警察側はこの事件を有耶無耶にしたがるのか?
そんな事を考えている内に、現場に到着したのであった。