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修羅場。

ご覧いただきありがとうございます!


修学旅行から帰ってきた湊人と華。

新のお見舞いに行くと…?

修学旅行の次の日は休日だった。


俺と華は病院の入口で待ち合わせて一緒に新のお見舞いに行く事になっていた。


俺は待ち合わせ時間より少し早く来ていた。


「ごめん、遅くなっちゃった?」


「いや、俺が早く来すぎた。行こう」


「うん」


修学旅行の事があったにも関わらず、俺達は特に気まずくはなっていなかった。


俺の事は男だと認識されていないのだろうか。


「失礼しまーす」


新の病室のドアを開けた。


「!!」


そこには新と新の体を拭いている女がいた。


「新、友達?」


女は特に驚く様子はなく、ゆっくりと新の服を整える。


「あ、あぁ。」


新は気まずそうだ。


「ふ〜ん、そうなんだっ。私、新の彼女の神村有紗かみむらありさです!よろしくね。…はい!新。体を拭き終わったよ〜。じゃあ、私お邪魔になっちゃうから帰るね?お大事に!また連絡ちょうだい?」


そう言いながら有紗は帰っていった。


「新!どういう事だよ!」


俺は新に詰め寄る。


華は何も言わず、ただ新を見つめている。


「ごめん…」


新はこちらを見ることなく謝る。


「ごめんじゃねーよ!説明しろよ」


「…浮気してたんだ。2ヶ月くらい前から。でも、もう別れる。華、信じてくれ。」


「私のどこがダメだった…?」


華の目には涙が浮かんでいる。


「華…」


俺は何も言えなかった。


華はどんな気持ちなんだろう。


暴力を振られて。


身体中をアザだらけにされて。


それでも新の事が大好きで。


新の事を信じていたのに浮気されて。


「ごめんな、華。華は悪くない。俺が悪いんだ」


「私、今日は帰るね…」


そう言うと華は病室から出ていってしまった。


「新、お前…最低だな」


俺はこれ以上は何も言うことができず、病室を出た。


病院を出て華のスマホに電話をかけるが出ない。


(もう帰ったのかな…)


そう思いながら歩いていると公園のブランコに華が座っているのが見えた。


「華」


「湊人…」


華の目からは大粒の涙が溢れていた。


俺は華を抱きしめた。


優しく。


「湊人…っ」


「華、俺じゃダメか…?」


「私、新の事がまだ好きなの…」


「わかってる。いつか振り向いてくれたらそれでいいから。」


「そんなの…ダメだよ」


「俺は華の隣にいたい。隣で笑ってて欲しいんだ。…俺はずっと前から華が大好きだ」


心の中に秘めていた感情が溢れるように言葉となっていった。


「私、湊人を傷つけちゃうかもしれない。」


「それでもいい」


「新の事、諦められないかもしれない。」


「俺はいつまでも待つよ」


「ほんとに、私なんかでいいの?」


「俺は華がいいんだ」


「…。」


華は下を向き、黙り込んでしまった。


(やべ、俺、何やってんだ)


急に自分の言動が恥ずかしくなり、抱きしめていた手を離した。


「あの、華っ!ごめん!いきなりびっくりしたよな!」


「湊人。」


華は真剣な眼差しで俺を見つめた。


「私、新と別れる。そうしたら私と付き合ってくれる?」


「あぁ。喜んで!」


俺はニッと笑って返した。



ーーーーー


数週間後。


新は退院し学校に来れるまでになった。


新はまだ部活に来られる状況ではなく、あれから新とは会っていない。


華と新がどうなったのか気になるが、華が言ってくるまで聞かないようにしている。



俺は部活が終わり、帰宅するために校門へ向かっていた。


「湊人!」


「?あぁ。美奈か。」


「帰るなら一緒に…、あれ?あれって荒井さんと他校の人かな?何してるんだろ」


俺は美奈が言う方を見た。


「!!」


あれは華と有紗だ。


「ね、あれ修羅場じゃない?大丈夫なの?」


「…分からない」


その時、パチンッと大きな音が響いた。


「!今荒井さん平手打ちされたけど!!」


「俺、行ってくる!」


俺は2人の元へ走った。


俺が行くと華は胸ぐらを掴まれていた。


「何やってんだよ!やめろ!」


俺は華と有紗を引き離し、華の前に立った。


「新がこいつとより戻すって!私とは別れるって言ってきたの!そんなの、許さない!私の方が新の事好きなんだから!」


「私は、もう新とは…」


「とりあえず、落ち着け」


有紗は興奮している。


「私の方が新を幸せにできる!なのに、どうしてこの子なの?!」


「私は新とはよりを戻す気はないの!」


「…って事は華、別れたのか?」


「私は別れたつもりなんだけど…新が…」


「…そうか。」


「なんなのよ!どうして私じゃないのよ!」


「神村さん、新としっかり話してみたら?」


俺はそう言うと華の手を掴み立ち去った。


「…あぁ〜緊張した!」


「湊人、ありがとう。助けてくれて」


「いいって!それより、華大丈夫か?」


俺は平手打ちされた華の頬を触った。


「うん、もう痛くないし、大丈夫!」


華は少し笑った。


「そうか。良かった。新との事、聞いてもいいか?」


「あ、うん。その事で相談したい事があるの」


俺たちは近くのファミレスへ行く事にした。

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