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心配事

ご覧いただきありがとうございます!


元気がない華の事が気になる湊人。

ある日、美奈に一緒にファミレスに行こうと言われ…?

ある日の昼休み。


「湊人〜!いる?」


廊下から美奈の声がした。


「なんだよ。何か用か?」


「うん。今日の放課後、ファミレスに一緒に行かない?」


「はぁ?なんで俺が?」


「いいから!話したい事があるの!HR終わったら迎えに行くから逃げないでね!」


「お、おう」


話が終わり、クラスに戻ると「デートか?愛の告白か〜?」等と男子達に茶化された。


「んなわけねーだろ」


俺は適当に流すが内心ドキドキしていた。


そういえば、女の子と2人でご飯とか初めてかもしれない。


「湊人、今日デートなんだ!楽しみだね」


華が微笑んでいる。


華は今日も少し体調が悪そうだ。


「デートじゃねーよ!それより華、大丈夫か?辛そうだけど」


「そんな事ないよ?元気元気!」


華はわざと元気があるように振る舞っている。


俺には華の少しの変化も分かるようになっていた。


こんだけ隣にいれば当然だろう。


「なんかあったら言えよ?相談ぐらいなら乗れるからさ」


「ふふ、ありがとう」


華が微笑むと俺は幸せな気分になる。


今日もかわいい。


見ているだけで癒される。


華を独り占めできる新は本当に羨ましい。



ーーーーー


HRが終わり、廊下を見ると美奈はまだいなかった。


(しょうがねーな。教室で待ってるか)


俺は最近ハマっている小説を取り出し読み始めた。


「華、帰ろうぜ」


新が華を迎えにきた。


「湊人、また明日ね。今日のデートの感想教えてねっ」


「お!お前デートなのか?ヘマすんなよ!」


「だから、デートじゃねーって!お前らこそ早く帰れよ!」


新と華が出て行くと入れ替わりで美奈がやってきた。


「おまたせ!早く行こ!」


そう言うと美奈は俺の腕を引っ張り、急いで歩き出した。


「ちょ、待てって!」


「しっ!静かに!」


「なんだよ?」


「ちょっと新カップルの様子が気になって。ファミレスまででいいから尾行していかない?」


「はぁ?!」


「いいから!早く行かないと見失っちゃう!」


俺は言われるがまま美奈について行った。


しばらく歩くとファミレスに着いた。


「ん〜。特に異常なし、か。」


「なんなんだよ。ファミレス入ろうぜ」


「あ、うん」


美奈は何か気になる事があるようだ。


「なんだ?お前、新の事が好きなのか?」


「はぁ?なんでそうなるのよ。早く入るわよ!」


そう言うと美奈は先に入ってしまった。




「で?話ってなんだよ」


俺たちは1番周りに人がいない席に座った。


「荒井さんの事なんだけど。今日、体育あったでしょ?女子更衣室で見ちゃったんだよね」


「何を?」


「一瞬しか見えなかったんだけど。脇腹にアザがあったの。…あと、キスマーク。」


「転んだのかな。この前も転んで腕にアザができてたけど」


「転んで脇腹にアザってできる?」


「じゃあなんだ?病気か?」


「…そう、かもね」


「!!」


「最近、荒井さんの様子どう?」


「…少し元気ない感じ」


「そっか…」


俺たちは黙ってしまった。


「…もしかしたら新と荒井さんが2人で歩いてる所を見たら分かるかもって尾行してみたんだけど、普通に仲良さそうに歩いてただけだったし、気のせいかもね!」


「そうだよ。それに尾行は良くないと思うぞ?」


「…そうだけど。湊人、荒井さんの様子を気にして見てあげて?」


「…分かったよ」



ーーーーー


それから華の事を気にして見ていたが、少し元気がない以外は特に変わりはなかった。


俺たちは高校2年生になった。


クラス替えをしたが華とはまた同じクラスだった。


2年生になっても華の方は変わらなかったが俺の方が変わってしまっていた。


華の事を気にしすぎて、好きという感情が芽生えてしまいそうになるのを抑えるのに必死だった。


「湊人、どうしたの?」


「…!なんでもない!」


俺は華の事をぼーっと見ていたらしい。


「最近、ぼーっとしてない?風邪引いた?はい、のど飴」


「さ、さんきゅー」


俺は飴を受け取りその場から立ち去った。


(とりあえずトイレでも行くか)


廊下を歩いていると新と美奈がいた。


「よっ、何してんの?」


「あ、湊人。ちょうどいいところに。これ、修学旅行中のトレーニングメニュー。」


「修学旅行中もやるのか?」


「サッカー部伝統らしいよ。朝と就寝前、みんなで集まってやるんだって!」


「迷惑〜!色々と迷惑〜!」


「ね、昔は良かったのかもしれないけど。今は周りの人達にも迷惑かかって下手したらクレームだよ!」


「まぁ、なるようになるんじゃないか?」


新が美奈をなだめる。


俺の高校は高2の春に修学旅行に行く。


行き先は沖縄。


キーンコーンカーンコーン


「あ、予鈴だ!じゃあ、また部活で!」


「「おう」」


俺たちはクラスに戻った。



ーーーーー


修学旅行まであと1週間。


俺が朝練をしていると顧問がきた。


「赤井、ちょっといいか?」


「はい?」


「三浦が足と手の指の骨を骨折したらしい。何か知ってるか?」


「え?!骨折?!俺は何も知りません…」


「そうか。時間とらせて悪かったな」


そう言って顧問はまた何処かへ行ってしまった。


(新に何があったんだ?)


俺は気になってしまい、これ以上朝練を続ける事ができなかった。

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