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マーキング。

ご覧いただきありがとうございます!


新と華の交際が順調に続いているようで羨ましい湊人。


ある日華の様子がおかしくて…?

「あっちー!なんで冷房壊れてんだよー!」


俺はノートをうちわ代わりにして文句を言う。


「もうすぐ業者さん来てくれるって先生言ってたよ?」


華が隣の席で苦笑いしている。


「だけどさ〜これは死人が出るレベルじゃん!って華、そんな髪型で暑くねーの?」


華はいつもポニーテールだが、今日は髪を下ろしていた。


「あ、うん。私は大丈夫…!」


華は首元を抑え、顔を赤くしながら答えた。


「ふーん。女子の考える事は分かんねーな。」


俺は暑さのあまり、机に突っ伏した。


「赤井くん、大丈夫ですか?」


気がつくと授業が始まっていて先生が目の前にいた。


なんか、頭が痛くフラフラする。


「先生、大丈夫じゃないかも…」


「熱中症かもしれませんね。保健室に行きなさい。学級委員さん、連れてって」


「はい」


俺はフラフラする体を学級委員に支えてもらいながら保健室に行った。


しばらく安静にしているようにとの事でベッドで寝かせてもらえる事になった。


昼休み。


「失礼しまーす。先生、赤井くん来てますか?」


美奈の声がする。


美奈はベッドのカーテンを開けるとベッドの隣にあった椅子に座った。


「で?どうなの?具合」


「さっきよりマシかな。ってかなんで俺がここにいるの知ってんだよ」


「え、さっきの授業中抱えられながら歩いて行ったから調子悪いのかなと思って」


「どんだけ洞察力あるんだよ」


「すごいでしょ」


美奈は本当に周りを良く見ている。


「お前、今日髪上げてんの?」


「ん?そうだよ!ポニーテールって言うんだよ。それぐらい覚えときな?」


「…それぐらい知ってるわ。俺が言いたいのは、珍しいって事!」


「あぁ、そういうこと。今日暑いから。それだけだよ」


「ふぅん。華なんかいつもポニーテールだったのに今日は髪を下ろしてたけどな。やっぱ女は難しいな」


「え!それって何か髪で隠してるんじゃない?!」


「何を髪で隠すんだよ?」


「ん〜、キスマークとか?」


「キ、キスマーク?!まじかよ!」


「保健室では静かにしなさい!」


遠くで先生から注意されてしまった。


「「すみません」」


美奈はコソッと俺に言った。


「何を隠してるのか、隠してるかどうかも分からないけどね!ただのオシャレかもしれないし。じゃあ私、そろそろ行くね。お大事に」


美奈が出て行った後、俺は考えた。


付き合ってるならそういう事してもおかしくない。


華は首元隠してる感じだったし。


そういえば華、最近胸が大きくなった気がする。


最近の華は幸せオーラがハンパない。


まるで女神のようだった。


新のせいだったか。


(まじかよ〜いいなぁ、新)





「先生、そろそろ教室に戻ります」


「何かあったら無理しないで来てね」


俺は保健室を出て教室に戻った。


「あ、新!」


新がトイレからちょうど出てきた。


「おう」


「お前さ、華にキスマーク付けた?」


「な…!見たのか?」


新は驚いている。


「いや、見てないけど。髪を下ろしてたからさ、隠してるのかと思って!見たのかって事は付けたんだな?」


「あぁ。付けた。洋服に隠れる所に付けたつもりだったんだけど、隠れなかったか。」


「良いなぁ。惚気かよ!今度は隠れる所に付けてやれよ!じゃあな!」


俺は教室に戻った。




ーーーーー


ある日。


「はよ!」


「あ、おはよ…」


いつも通り席に座り華に挨拶したがなんかいつもと違う。


笑ってはいるが華に元気がない。


「どうした?元気ないじゃん」


「ん?そう…かな?」


ふと華の腕を見ると青くなっている箇所がある。


「これどうした?痛そうだけど」


俺が腕を指して言うと、華はすぐに腕を隠した。


「昨日転んだ時にぶつけちゃって!でも大丈夫だよ!」


「そうか、気を付けろよ?」


「うん、ありがとう!」





部活が終わり、新と華と3人で帰ることになった。


新と華は笑い合い、幸せそうだ。


「いいなぁ、俺も彼女欲しい〜!」


「湊人はすぐにできると思うよ?」


華が言う。


「そうそう。美奈とかどうなんだ?」


新もそれに乗る。


「え〜、美奈はないかな。同志だし。」


「そうなんだね!仲良しだからいい感じなのかと思ってたよ〜」


「俺も思ってた」


「お前ら意見合うな。やっぱお似合いだわ」


「そうか?じゃあ俺、華送って帰るわ。湊人、また明日!」


「おう」


俺は何も考えず真っ直ぐ帰った。


これから華に最悪な事が起き続けるとは知らずに。

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