だるい
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湊人が体調不良になり…?
俺たちは忙しく、なかなか会えない日が続いていた。
「はぁ」
俺は部室で今日何度目かのため息をついた。
「どうした?」
橋本が隣に座った。
「なんかさ〜だるくて動きたくないんだよ。あとは帰るだけなんだけどな。」
部活が終わり、身支度は整っている。
「お前、顔赤いぞ?熱でもあるんじゃね?俺、体温計借りてくるわ」
「お〜、さんきゅー」
そういえば体が熱い気がする。
部活で体を動かしたせいだと思っていたが、違ったようだ。
熱がある気がしてきた。
熱がある気がしてきたら余計に体が怠くなってきた。
「…ちょっと横になろ」
「おーい、大丈夫か?ほれ、体温計。」
「さんきゅー。」
…38.4度
「まじか…」
「保健室行くか?マネージャー室で薬貰ってさっさと帰るか?」
「保健室まで行くのだるいな。マネージャー室行くわ」
「俺もついてくよ」
「悪いな。」
俺は立ち上がった。
フラフラしているらしい。
橋本が体を支えてくれた。
「美奈、いるか〜?」
「いるよ〜!…どうしたの?」
「湊人が熱があるんだ。薬をくれ」
「分かった!2人ともそこに座ってて!」
美奈が薬と水を持ってきてくれた。
「さんきゅー。」
「湊人、どうやって帰る?お母さんかお父さん呼べる?」
「今日は2人とも遅いって言ってたな。まぁ、なんとか帰るよ」
「途中で倒れられても困るんですけど!私、送ってくよ!」
「じゃあ俺も。美奈だけだと倒れた時に困るだろ」
「うん、そうしよう!」
「2人とも悪いな。」
少し休んだ後、俺たち3人は俺の家に向かった。
「病院どうする?寄ってく?」
「保険証ないから今日はとりあえず家で休むよ」
「分かった。」
家の近くまで来た。
「あ、スポーツドリンクとかあった方がいいよね?買ってくる!すぐに戻るからちょっとだけ待っててね!」
美奈がそう言うとドラッグストアに入っていった。
「あいつ、いい嫁になりそうだな」
橋本が言う。
「早くいい奴見つけて彼氏ができればいいんだけどな。」
「お待たせ〜!」
美奈が戻ってきた。
俺の家に着いた。
「湊人、部屋までついてくよ。途中で倒れられても困るし。」
「あぁ。」
俺たち3人は家の中へ入り、俺の部屋へ行った。
俺が着替えると言ったら橋本が手伝ってくれた。
その間美奈は俺の部屋の外で薬やら飲み物やら準備してくれていた。
俺は体がキツすぎてベッドに横になった。
そして目を瞑った。
「美奈、俺帰るわ。今から彼女とデートなんだ」
「分かった。私もトイレ借りてから帰ろうかな。あ、タオル濡らして来なきゃ!」
「…先帰っとくわ。また明日。」
「うん。また明日」
「さてと。湊人、トイレ借りるね」
寝ている俺に言って美奈は部屋を出た。
美奈はトイレから帰ってきて、俺が出しておいたタオルを濡らして額に当ててくれた。
そして座って寝ている俺の手にそっと自分の手を重ねた。
「…。」
「湊人…」
美奈は俺の名前を呼ぶと触れるか触れないかのキスを落とした。
「…お大事にね」
そう言うと美奈は帰っていった。
俺は起きていた。
手を重ねられた時に起きたが寝ているフリをしていた。
「美奈…」
俺は頭が働かなかった。
ーーーーー
華は友達とクレープ屋さんに行く途中、湊人の家の前を通った。
(湊人、何してるのかな。家の前通ったよってメールしてみようかな)
そんな事を考えていると、湊人の家から美奈が出てきた。
(…え?)
思わず立ち止まってしまった。
「華、どうしたの?」
「あそこ、彼氏の家なんだけど…」
「え、今女の子出てきた家?」
「うん。あの子、同級生なんだ」
「えー!それ浮気されてるんじゃない?大丈夫?」
「あ、うん。きっと大丈夫だよ」
(湊人がそんな事をする訳ない、よね?)
華の中で不安が渦を巻いた。




