新の動き。
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新の家のインターホンを押したのは華のお母さんだった。
湊人と華はどうなるのか?!
玄関の扉を開けると華のお母さんが立っていた。
「華がお世話になっています。」
「こ、こちらこそ」
「華、いるんだろ?出てこいよ!」
「!!」
華のお母さんの後ろにはなんと新がいた。
「…。」
華が無言で出てきた。
顔が引きつっている。
「華…!心配したのよ!スマホ繋がらないから!」
「ごめんなさい…」
「ほら、こいつの家だったでしょ?俺の勘、当たり!」
新は誇らしげに華のお母さんに言った。
「うん、そうね。新くん、ここまで案内してくれてありがとう。私、この2人に話があるから今日はおうちに帰ってもらえるかな?」
「え…じゃあ、俺も…」
「ダメよ。私はこの2人と話さないといけないの。ごめんなさいね。今日は、お願い。」
「…わかりました。」
新は渋々帰って行った。
「湊人くん、だったかしら?」
「は、はい」
「今日はご両親は?」
「いません…」
「…そう。今からあなたと華と私で話したいんだけど、時間ある?」
「…はい。どうぞ上がってください。」
「いきなり来て図々しくてごめんなさいね。お邪魔します」
俺はリビングテーブルに案内した。
「「…。」」
「まず聞きたいのは、あなた達はどういう関係なの?」
「私と湊人は付き合ってるの。…今日から」
「そうなのね。じゃあ新くんの事はどうしたの?」
「新とは別れたの。しつこく連絡してくるけど。」
「もしかして、今日スマホの電源を切ったのもしつこく連絡が来たから?」
「…そうなの。メールだけじゃなくて、電話までたくさん来たから…」
「そうだったの…。お母さん、別れた事には賛成よ。」
「…え?」
「お母さん、華が辛そうな顔とか悲しい顔とか見てるのが辛かったの。華は隠してるつもりだったんだろうけど、親には分かるのよ。」
「…。」
「高校生同士の恋愛だからあまり口出ししないようにしていたんだけど、もしかしたらそれが華を苦しめてしまっていたのかもしれない。ごめんね、華」
華は首を横に振った。
「それに、あの子きっと何股もかけてるわよ?」
「え?なんで知ってるの?」
「何度も華じゃない子とデートしてるの見たもの。」
「そ、そうなんだ…」
華は呆れたような、情けないというような顔をしている。
「だから別れて良かったと思うわ」
「うん。そうだね。」
「湊人くん。」
「は、はい!」
「いつも華から湊人くんの事、聞いているわ!いつも華といてくれてありがとう。」
「い、いえ」
「これからもよろしくね。おうちにも是非遊びに来て!」
「はい!ありがとうございます!」
俺はホッとした。
華のお母さんに嫌われていないようだ。
「ねぇ、1つ聞いていい?お父さんの名前ってなんて言うの?」
「赤井匠です」
「…やっぱり」
華のお母さんは何かを納得したようだ。
「お母さん、どうしたの?」
「ふふっ。湊人くんのお父さん、お母さんが高校の時に片思いしてた先輩なのよ」
「「えっ?!」」
「匠先輩の高校の時そっくりね。ますますあなた達を応援したくなっちゃった。」
華のお母さんはにっこり笑った。
「そろそろ帰りましょ?お父さん、そろそろ帰ってくるから」
「うん。湊人、今日はありがとうね」
「俺こそ。楽しかった。また来てくれ」
俺は家の外まで見送った。
「あ〜っ!疲れた!」
一気に疲れが押し寄せてきた。
今日は緊張した1日だった。
少しだけ、とソファに寝転がると眠ってしまった。
「湊人!起きなさい!なんでこんな所で寝てるの!」
「ん〜?あ〜、寝ちゃったか。母さんおかえり。今何時?」
「10時。…あんたお風呂入ってないでしょ。ご飯作っとくからお風呂に入ってきなさい」
「へいへい」
お風呂から上がると一通のメールが届いていた。
『急遽サッカー部のミーティングを開く事になりました。13時に部室集合です。美奈』
「まじか…」
今日はゆっくりしてたかったのに。
急にミーティングなんて、どうしたのだろうか。
俺はゆっくりと支度をし、朝食だか昼食だか分からないご飯を食べて部室へ向かった。
「失礼しまーす」
部室に入ると既に何人かの部員が集まっていた。
「お、湊人!お疲れ!今日、何のミーティングなのか知ってるか?」
同級生の橋本だ。
「しらねーよ。せっかくの休みなのにさぁ〜」
「だよな。俺、今日デートだったのに」
橋本は中学1年の頃からずっと付き合ってる彼女がいる。
「最悪だな。彼女怒ってないの?」
「あいつ、分かる奴だからこういうのじゃ怒らないよ。」
「へぇ〜いい人だな」
「入るぞ」
顧問が入ってきた。
その後ろには新もいた。
みんながざわついた。
「静かに!今日集まってもらったのは新の事だ」
(新、ついに復帰か?でも、そんなことで休みの日に集まらないか…)
「新は昨夜、部室内で他校の女子生徒と不純な行為をしていた。よって退部とする。」
「!!」
周りが一気にざわついた。
俺も驚いた。
(昨日俺の家に来た後にここに来たのか…。)
「なぁ、湊人。あいつ華ちゃんと付き合ってなかった?」
橋本は訳がわからないと言った表情だ。
「華とは、別れた」
「そう、なのか」
「俺や新に何か質問がある人はいるか?」
顧問は俺たちに問いかけた。
「どうして新が昨日部室にいた事が分かったんですか?」
「部長がたまたま忘れ物を取りに来たら発見したそうだ」
「新、彼女いただろ?どうしたんだよ!」
「華とは、別れました。華は今は湊人と付き合っています」
「!!」
みんなが一斉に俺の方を見た。
(あいつ。余計な事を)
俺は新を睨んだ。
新は悪びれる様子もない。
その後、顧問からありがたい話を聞いた。
「…以上だが質問はないか?ないなら今日のミーティングは終わりだ。解散」
「新、まじか…こんな形でサッカー辞めるなんて」
女性関係は最悪だが、サッカーに対しての情熱は本当に尊敬するものだった。
もっと一緒にサッカーをやりたかった。
グラウンドを見つめていると、美奈がやってきた。
「新、いなくなっちゃうんだね」
「あぁ。」
「悪い事したからしょうがないけど。でも、湊人と新が一緒に練習してるの見れないと思うと寂しいね。」
「…あぁ。」
「湊人、荒井さんの事幸せにしてあげてね?じゃ、私帰るからっ」
そういうと美奈は俺の顔も見ずに走って行ってしまった。
帰り道。
ブブッ
俺のスマホが鳴った。
華からメールだ。
『た』
なんだ?
誤操作か?
ブブブブブ
今度は華から着信だ。
「もしもし、華?」
華の声は聞こえず、すぐに切れてしまった。
「?…もしかして…!」
俺は華の家に急いだ。




