実験小説 声のトーン
みなさん、こんにちは。
進行役のゆうきアナウンサーです。
それでは今回、参加していただくゲストを紹介します。
「みなさん、おはらっき!元気な大熊です」
パチパチパチ、と観客から普通の拍手の音が聞こえます。
「グッドモーニング!小説家のネコバーです」
パチパチパチ、パチパチパチ、と大熊よりも大きな拍手の音です。
「みなさん、こんにちは!役場の長の博士です」
ワハハハ・・・・・・ 。
観客の笑い声が聞こえます。
「おい!笑うな!」
博士は、観客に向かって怒鳴ります。
「お前が、パジャマの格好で、来たからかもな・・・・・・ 」
大熊も笑いをこらえながら、博士に指摘します。
それでは早速、今回のテーマにまいりましょう!
今回のテーマは「声のトーン」です。
このテーマに沿って皆さんには、それぞれの役を演じてもらいます。
それでは、まいりましょう!
----実験劇場 開始----
『その1 やまびこ』
博士たちは、登山へ行きました。
「ヤッホー! 」
大熊が、山に向かって、そんな声を出すと・・・・・・ 。
「ヤッホー! 」
普通にやまびこが返ってきました。
「金運アップ! 」
博士が、山に向かって、そんな声を出すと・・・・・・ 。
ガーン!
「何で、金でできた洗面器が降ってくるのだ! 」
博士は、空に向かって怒鳴りました。
「まあ、金物だから、さっそく金運がアップしてよかったですね」
大熊は、笑いながら言いました。
「原稿を書いて! 」
ネコバーが、山に向かって、そんな声を出すと・・・・・・ 。
「この話は、終わりです」
そんな声が聞こえたかと思うと、この話は終わりました。
『その2 殺しの言葉』
ここは、役場です。
「だから、ここが間違っているのだ! 」
博士が、大熊に怒鳴る。
「そんな表現では、読者に伝わりませんよ」
大熊は、読者のほうに向かって冷静に話す。
「何だよ、読者とは? 」
「なるほど。だからいつまでも悪役なんですよね」
大熊の嫌み攻撃に、博士は1億3000万のダメージを受けました。
ザクリ!
そして、博士は倒れました。
続きをしたい方は、教会へ・・・・・・ 。
「俺は死んでないし、勇者ではないぞ! 」
『その3 元気よくあいさつ』
役場の前で、博士が朝のあいさつ運動を行っています。
「おはようございます! 」
「おはよう!未納金を払ってくださいね」
博士のあいさつに対して、集金のおじさんがいいました。
「おはようございます! 」
「おはようさん。今日も取り調べがあるからな! 」
博士のあいさつに対して、志熊警部が言いました。
「おはようございます! 」
「お疲れ様です。次は、午後のあいさつ運動をお願いします」
博士のあいさつに対して、ゆうきが言いました。
「なんで、こうなるの! 」
博士は、ズッコケました。
ガック、と。
『その4 八百屋さん』
「いらっしゃいませ! 」
「この大根をください」
「ネコバーさんだから、10円ね」
「いらっしゃいませ! 」
「このにんじんをください」
「大熊だから、1本100円ね」
「今日は、ずいぶん高いな」
「いらっしゃいませ! 」
「このきゅうりをください」
「博士、すいませんね。品切れです」
「そうか。ならばこのトマトをくれ」
「すいませんね。プラチナ会員でないと買えません」
「ならば、このやくそうは? 」
「うちは、八百屋だよ」
「知ってるよ。売る気あるか! 」
「ないよ! 」
「困ったな・・・・・・ 」
『その5 あつい』
その日は、暑い日でした。
「この分厚い本で、大熊の頭を殴る!」
「そうか、私はこの熱い熱湯を博士にかける! 」
よい子はマネしないでください。
『その6 売り言葉と買い言葉』
「お前、けんか売っているのか? 」
「そのけんか買った、買った」
日本語は難しいですよね。
「おお!けんかが大安売りか! 」
『その7 何の動作? 』
「言い訳する、あせる、逃げる、捕まる、落ち込む」
それでは、見てみましょう!
「いや、来月まで待ってくれ! 」
博士が、言い訳をしています。
「そう言えば、先月もそんなことを言ったな! 」
志熊警部の言葉に博士はあせりました。
そして、博士は逃げました。
しかし、捕まり厳しい取り調べを受けました。
博士は、どんな表情かというと・・・・・・ 。
「見せ物じゃあねえぞ! 」
----実験劇場 終演----
これで、終わりです。
終わり