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いとしのシンデレラ   作者: 四月猫
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エピローグ

ミモザやみんなのその後です。

1ヶ月後、王子とシンデレラの結婚式が執り行われた。

その頃には母とステラは、親戚のいる母の故郷の港町に越していた。

私は母とはいかなかった。

マダムの家に下宿して、工房でお針子兼デザイナーとして働くことになったから


シンデレラは青いドレスを手がかりに、黒衣の婦人を探そうとしたようだ。

工房に2度も役人が訪ねてきた。

『青いドレスの注文を受けなかったか?』と。

「その時期、うちが受けたのはピンクのドレスだけでしたよ」


いつの間にか10年の時が過ぎた。

シンデレラは一男一女に恵まれ、夫婦仲も悪くないらしい。

母はまた再婚し、ステラもやっと婚約者が決まったと手紙があった。

私はローゼの片腕とまで言われるようになった。


あの時、泣くだけ泣いて涙も枯れ果てて、

あきらめて、床の画帳や絵を拾いあげた。

一番気に入った一枚を見ていたら、また涙が出てきた。


たとえ…シンデレラが着てくれなくても、

私はこの美しいウェディングドレスを作りたい!

心の底からそう思った。


工房で働くようになって2年が過ぎた頃、

北の大貴族に嫁ぐ侯爵令嬢の、花嫁衣装の注文があった。

それにあの時のデザインが採用された。

侯爵令嬢はシンデレラと体型や雰囲気が似ているので、

同じ服が似合うのだ。


このウェディングドレスはとても好評だったみたいで、

工房に時々、ウェディングドレスの注文が来るようになった。

侯爵令嬢が宣伝してくれるのか、

山向こうの古都の顧客も増えていつた。

工房は人手を増やし、増築して仕事場を広げ、

倉庫や託児所付きの職人の宿舎も建てた。


私はデザイン画にmとしか署名しなかったのだが、

マダムが『マリーレ』という名前を考えてくれた。


今ではマリーレのウェディングドレスは、

国中の娘たちの憧れらしい。

ローゼのその人に合わせたシックなドレスも、

貴婦人たちの羨望の的だ。


「そのうち王室から注文が来るかもしれないわね」

マダムは笑って言ったが、

私はその日が来るのを待ち望んでいる。

いつか評判があの子に届き、

ジンデレラか、娘の王女の服を作れと使いが来る日を。


いつかきっと、その日は来ると信じて…

ジンデレラをイメージモデルに、

私は今日も花のようなドレスを作り続けている。



乙女ファンタジー大好きです。

いつか猫王子と女の子の話を書きたいです。


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