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まだ軽い魔物退治

 甘い香りのする花畑を私達は進んで行く。


「こっちみたいだね。えっとこの赤い場所は……もう少し先かな」


 表示されている画像を参考に私達は更に進んで行く。

 花をかき分けて進み……そこは花畑の中で窪地になっている場所だった。

 そして何故か、一輪だけそこには薄く色づいた“釣鐘の草”が咲いている。


 怪しい、とても怪しい。

 そう私は思いながら、次はどうしようかと思っていると、ふと自分のトゲ付き鉄球が目に入る。

 これで攻撃してみるか。


 この鉄球は棒に鎖が付いてその先に球が付いている。

 だがこの鎖はもう少し延ばせるようなのだ。

 よし、それで攻撃してみればあの根みたいなのに攻撃は受けないだろうと思った。


「よし、皆ちょっと離れていてね」

「おい、何をする気だ」

 

 クロウがそういうので、私はにゅうと鎖を長くして、


「これで攻撃すれば離れた場所から攻撃できるし」

「……失敗しそうな気もするが、やってみろ」


 失敗しそうだがと言われて私はむっとしてしまう。

 それでもまずは試してみようと私は思って、そのトゲ付き鉄球をぐるぐると回してから、投げる。

 綺麗に目標へと飛んでいった鉄球が、その花に当たりぶつりと折れる。


 しばらく何が起こるか観測するが、特に何もないようだ。

 

「あれ、失敗したかな」

「もう少し様子をみたらどうだ? あの手の魔物は獲物をとらえるために騙すし」

「騙す? というかあの手の魔物ってどんなのかな?」

「そうだな……触手責め?」


 それを聞いてあの根っこなどを思い出して私は沈黙せざるおえなかった。

 そもそも触手責めをなぜとと思ったが、そこで土がぼこりと一部盛りあがる。

 しかもそのままそのくぼみの部分が持ち上がり始めて、


GUGAXAAAAAA


 大きな声を上げて、赤い瞳が幾つも根に見えるそんな怪物が現れる。

 予想以上に大きいそれを見て私が固まっていると、クロウに襟首を掴まれた。


「攻撃したイズミを真っ先に狙ってくるから離れろ」

「う、うん。えっと後はどうすれば……」

「その内魔法の練習も必要そうだ。リゼル、後は頼んだ」


 それに分かったと答えたリゼルが、何やら小さな杖を取り出して炎を生み出す。

 初めは小さな炎であったけれど、それは大きく膨れ上がりそしてその魔物にうちこまれる。

 悲鳴が響き魔物は崩れ落ちた。


「よし、この程度の魔物なら、私だって一人で倒せるぞ」

「リゼル、それは?」


 リゼルが持っていたのは小さなステッキの様なものだ。

 それを得意そう私に見せてからリゼルは、


「すぐさま一つの魔法だけを使える特注品。緊急事態用なんだ」

「そうなんだ」

「それに今の魔物は確か、他の魔物を誘引する効果がある。だから早めに倒さない時の産みたいな危険な魔物に遭遇する可能性だってある」


 そう言われて私は、なるほどと思う。

 それで昨日は魔物に遭遇したんだお思っていると、


「とりあえずは今のでクエストは終わったらしいぞ」


 クロウが私にそう告げたのだった。







 さて残り九十六個のクエストが残っている。

 見るとクエストには、クリアと描かれていた。

 とりあえずは敵を倒せて良かったと思っていると“魔力探査レーダー”が消えてしまう。


「あ、そういか今白い部分に私は触れていないから魔力が供給されないんだ」

 

 だから画像が消えてしまうのだと思ってそこで私は奇妙な事に気付く。

 なのでスマホを見ると、気付けばこれまで作ったモノ図鑑が出来ていた。

 軽く指で触れると、そこには二つの枠で色分けされている。


「金色が時間制限、銀色が魔力制限。魔力制限は弾数、攻撃回数等によります。そうだったんだ。えっと魔力探査レーダーは時間制限タイプ。でも今は魔力を通していないから使っていないとみなせるのかな?」

「そうであってくれ。あれは俺の心がが削られていく……」


 傷ついた様なクロウの声に何となく私は悪い事をした様な気がした。

 でも材料にクロウの髪の毛が必要だったので仕方がない。

 今後はそんな材料が出てこないようにと私が心の中で思っているとそこでリゼルが、


「とりあえずはクエストも終わったし、甘いものでも食べに行こう。美味しいケーキ屋を紹介するといっただろう?」

「うん、楽しみだよ」

「……よし、この私が直々に案内する!」


 ちょっとドヤ顔なりゼルに私はよろしく~と答える。

 私としては美味しいケーキが食べれれば十分なのだ。

 そんな私にこっそりシオンが近づいてきて、


「リゼルが調子に乗っていてすみません」

「いえ、私もケーキは好きなので楽しみです」

「そうですか……。これからもリゼルの友達としてよろしくお願いします」


 そう私にしオンは微笑んで去っていく。

 リゼルの隣にいるのは自分だというかのように。

 そこでクロウが、


「まったく、リゼルに友達が出来たのが嬉しいのが半分、自分以外に懐くのに嫉妬半分て所か」

「二人とも兄弟みたいに仲が良いからね」

「……そうだな」


 そう答えるクロウが何処か嘆息しているように聞こえた気がしたのだった。 








 さて、そこから再び来た道を途中まで戻り、それから下る。

 どうやら私達が泊まっていたお屋敷は丘の上にあるようだ。

 そう思いながら進んで行くと、やがて畑が広がり人の住んでいる民家がポツリポツリと見え始める。


 そこを更に進んで行くと砂利の道になり、気付けば石畳の町並みが広がる。

 その頃には家々や商店が立ち並ぶ街中になっていた。

 リゼルが迷うことなく歩いていくので、それに私達は付いていく。


「確かこっちを右に行って、次の角を左に回って……ここだ!」


 リゼルに案内されてやって来たのは目の前の花壇に花が植えられて照らすでも食べられる白い壁に赤いレンガの屋根のお店だった。

 外にはケーキセットが幾らといった値段と、本日のケーキが幾つも描かれている。

 どれもが何処かで見た事がある形だった。しかも、


「“まんじゅうケーキ”えっと、これってどう見てもまんじゅう……というかセットの飲み物が、抹茶オレって……」

「ん? イズミは、まんじゅうにするのか」


 クロウにいわれて私は首を振り、


「……いえ、こちらにあるイチゴのカスタードタルトで」

「そうなのか。俺はチョコレートケーキだな」

「いいな~、一口交換しようよ」

「いいぞ」

 

 こういった所が友人同士で食べに行く醍醐味だと思う。

 そんな私達を見てリゼルが、


「シオン、チーズケーキとイチゴのムースを一口づつ交換しよう」

「残念ながら今日は私はチーズケーキを食べる予定はないですよ? こちらのモンブランが美味しいと聞きましたので」

「そうなのか。じゃあ、モンブランとイチゴのムースを交換しよう」

「いいですよ、その代りリゼルが私に食べさせて下さいね」

「うん」


 嬉しそうなリゼルに、相変わらず微笑みかけるシオン。

 相変わらず仲が良いなと私は思いながら、私達は店に入りケーキを注文する。 

 ガラス張りのショーケースには、ホール上のケーキが何等分かにされて置かれていたが、その端に積み重なる茶色い何か。


 そう、和菓子屋などでお馴染みの、あんこの入った“おまんじゅう”である。

 どうやらカスタードクリームの入った、クリームまんじゅうや抹茶まんじゅうがあるらしい。

 確かにまんじゅうの皮は小麦粉や砂糖などで作られるけれで、ケーキというには不思議な感じがした。


 そうこうしている内に、ケーキが運ばれてきて、私の目の前でリゼルがシオンに食べさせている。

 それを私はじ~と見ていたわけだけれど、


「よし、イズミ、俺に食べさせろ」

「うん、分かった」


 目の前のリゼルがしているからいいんだよねと思いながら私は、クロウに食べさせる。

 頷いているから美味しいのだろうと私が思っているとそこで、リゼルとシオンが私達を真顔で見ている。

 あれ?


「二人共どうしたの?」

「いや、何でもない、クロウも嬉しそうだしいいんじゃないかな」

「? うん。クロウ、一口頂戴」


 そう言ってチョコレートケーキを一口口に含む。

 チョコレートの苦みとミルクの香る生クリームの香り、そしてふわふわのスポンジが口の中でとろける。

 しかもクリームには香ばしいナッツが入っている。

 

 しかも私の食べているイチゴのタルトは、イチゴがとてもみずみずしくて香りが良い。

 それがカスタードクリームと、ミルクの甘みが魅力的な生クリームと合わさって……もうたまりません。

 それを食べながら紅茶を飲み、幸せな気持ちに浸っているとそこでクロウが、


「それで、これからどうする?」


 そう切り出したのだった。

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