魔力探知レーダーを手に入れた!
次のクエストは、明日、明るくなってからにしようという話になった。
そして私達はクリームリートと屋敷で夕食を頂いて、現在は部屋である。
「スープもパンもお肉も美味しかった。……あのお肉、何の肉だろう」
「さあ、何なんだろうな」
「……」
あえてクロウはそう言って、私を楽しそうに見ているのが性格が悪いと思う。
謎の肉というとなんだか不安が募るのだ。
そこでリゼルが私に近づいてきて、
「どうしたんだ?」
「今日、夕食で食べたあのお肉は何なのかなって」
「リリマ牛だろう? ここ一体でとれる有名ブランド牛だ。味はなかなかいい。だがハンバーグよりはローストビーフのほうが私は好きだな」
「……そうなのですか。てっきり、怪しげなモンスターの肉かと」
「? 魔物からは肉は取れないぞ? アイテムになるし」
リゼルが不思議そうに言ってきて私は、確かにそうだと気づいた。
そしてギギギぎと私は首をクロウの方に向け、
「わざわざ意味深な言い方しなくていいじゃないか」
「イズミの不安そうな顔を可愛いなと思っただけだ」
「……このドSが」
「と言うのは冗談で、この世界の事を本当にイズミはよく知らないんだな。あのジジイに聞かなかったのか?」
「そこまで詳しくは」
「そうか。ふむ、なるほど、これからは知らないのをいい事に色々と出来そうだな」
何をする気だと私は聞こうとした。
だってクロウがやけに楽しそうだったし。
だがそこでそんな問いただそうとする私を邪魔する人物が!
「それよりも、明日その原因を探さないといけないみたいだけれど、楽に見つけられそうな道具は、イズミには作れないのか?」
「うーん、そもそも私の世界に“魔法”は存在していないから、そういうものは作れるのかな?」
「イズミ、それっぽいものって、イズミの世界にはないのか?」
つまりその何か変なものを探知するレーダーのようなものがあると良いのだろうか?
でも魔力って反射するのだろうかなどと考えて、そもそも魔力ってなんだ? エネルギー? となって……よく分からない私は、諦めて普通に“魔力探知レーダー”なるものが出てこないかなと思ってスマホで検索してみた。
出てきました。
「あるみたい、魔力を探知するそういった装置」
「本当か! イズミ。よし、それを使って楽にクエストをクリアしよう」
リゼルがそんなやる気のない言葉を口にするが、そこでシオンが、
「リゼル、やはりここはリゼルのこれからを考えて、イズミには便利な道具を作ってもらうのをやめてもらいましょうか」
「な、なんで、楽な方がいいじゃないか」
「リゼル、いつまでも私やイズミがお手伝いできるわけではないのですよ?」
「じゃあ、シオンが私のお婿さんになれば一生面倒を見てもらえる?」
リゼルがいい事を思いついたと言うかのように、目を輝かせてシオンを見る。
それにシオンは微笑み、
「やはり私はリゼルを甘やかし過ぎているようです。これからのクエストは一人で頑張りましょうね?」
「そ、そんな、待ってよシオン!」
慌てて止めに入るリゼル。
そんなリゼルの頭をシオンが優しげに撫ぜている。
それで、リゼルはトロンとしている。
私はリゼルはシオンが大好きだなと思っているとそこでクロウが、
「それでその、ナントカレーダーは何が必要なんだ?」
「ええっと、“モガ石”“パラタ金属の鉱石”“ミリア草”“ノコット貝の貝殻”そして……クロウの“髪の毛”」
私は無言でクロウを見上げた。
クロウは私から逃げ出そうとした。
だがそんなクロウを私はすぐ側のベッドに押し倒して、
「ふふふ、残念だ。クロウの髪の毛を頂くとしよう」
「止めろ、ハゲる、嫌だ!」
「大丈夫だ、ちょっとだけだから。ちょっと抜くだけだから」
「おい、今ガシっと俺の髪を握りしめ、ああああああああ」
というわけで私は、哀れに思ったらしいリゼルがそっと差し出してきたハサミを借りて、クロウの髪の毛を少し切ってもらう。
さくっと少しだけ奪っただけにしたのは、抜くのは何となくこれはちょっと酷いかなと思ったからだった。
そしてクロウの上から私が退くと、
「ふう、恐ろしい目にあった。異世界人は凶悪だな」
「だってこれがないと作れないし。でもなんでクロウの髪の毛が必要だったんだろう」
「一応、“神”みたいなものだからな、俺は。だから分かるんじゃないのか? そういった魔力の変化に敏感とか」
「なるほど……でもだったら、クロウを連れて行けば、分かったりしないのかな?」
「力を抑えられているし、俺の力を使ってズルをしたと思われても困るだろう」
「うん、クエストが無効になっても困るしね。それで他の材料だけれど、この前倒した魔物の落としたものが幾つか、後足りないものは……」
「ああ、この材料は俺が持っているな」
クロウが必要な材料を差し出す。
しかも、リゼルとシオンも幾らかわたしてくれて。
なので即座に魔力探知レーダーがつくれてしまいました。
四角い板状のものが出来上がる。
その端の白くつるつるとしたボタンのようなものに触れると、
「あ、この部屋の私達の魔力の大きさが示されているみたい。私はこの黄色い光で、クロウはこの黒くて大きい光……リゼルは、この小さい光でシオンのほうが少し大きい?」
「! 私のほうがシオンよりも魔力が多いはずだ。それは壊れているんじゃないのか?」
「そ、そんな事を言われても……何か変化して表示されやすいのかな?」
「く、使いものにならないかもしれない」
「い、嫌でも試してみればいいと思う。それから考えよう」
そう私は、失敗作だと騒ぐリゼルと意味深に笑ったシオンに、なんとなーく、これは正確に表されているんじゃにかなと思ったのだった。
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