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案内してもらう事に


 落ちてきた紙は、くるくると巻かれていた。

 それを見たクロウが、


「あのジジイ、また俺の頭の上に落としやがって」

「何でだろうね? あ、それよりも中を見ようよ。新しいクエストだよね」


 私がクロウに言うと、クロウはそうだなと答えて渋々といったように紙を開く。

 中に書かれていたクエストは、


「“赤釣鐘の草”を手に入れろ。……何で俺がお手伝いをしないといけないんだ」

「でもこれをクリアし無いといけないんだよね? だったら欲しい人のお手伝いをしてあげても良いんじゃないかな?」

「……イズミは人が良いな」


 そう言って、クロウはくすりと小さく笑う。

 けれど笑った時細めた瞳が、何処か暗く淀んで私を見た気がして……でも私の気のせいだったかもと思う。

 だってそんな風な何かは、クロウからは今は何も感じられないのだから。

 

 そこでリゼルが近づいてきて、


「“赤釣鐘の草”を手に入れるのが、今度のクエストか?」

「うん、そうみたいだよ」

「だったら夜にいかないといけないな。赤く輝くのがそうだから、夜にいかないと見分けがつかない。……夜には強い魔物がいるから気をつけないと行けないから装備をする」


 途中からまるで暗記した内容を語るかのようになっていたが、そのあたりは特に突っ込んでもしかたがないので、


「じゃあ夜までまたないとね。あ、メノウさんは一緒に採りに行くのかな?」


 足りないと言っていたしと思って私が言うと、メノウは首を振り、


「私は面倒なことはしない主義なんだ。採ってきたものを貰う方が良いね」

「……でも私がさし上げるかどうかは分かりませんよ?」

「ん? 奪えばいいじゃないか」

「……」


 微笑んだメノウがその一言で片付けたので私がどうしようかと思っているとそこでシオンが、


「場所の案内人がほしいですね。というわけで来ていただきましょうか」

「シオン、君の言うとおりに私がすると思っているのかな?」

「……最近あの方とお会い出来ていないそうですね」

「……どうして知っている」

「愚痴を言っておられましたからね。そしてここにリゼルがいる。あの方はリゼルが大事ですからね。もしかしたならリゼル目当てで来るかもしれません。どう思いますか?」

「何が言いたい」

「リゼルが“お願い”をすれば飛んでくるでしょうね、彼女は」

「……呼んでくれるか?」

「構いませんよ。リゼル、良いですか?」


 そのシオンの言葉にリゼルは小さく呻いてから、


「分かった。その場所までの案内役が欲しかったからな。ここに関してはメノウは詳しいのだろう?」

「そうですね、一応ここは親戚の家ですから周辺には詳しいですからね」

「よし、分かった。後で手紙を送る」


 そんなお話をして、メノウに案内をして貰う約束を取り付けたのでした。









 客人として滞在させてもらうはずの部屋は、四人部屋だった。

 しかもダブルベッドが二つ……。


「よし、シオン、早速寝心地を確かめるんだ!」

「はいはい」


 そんなこんなで、リゼルとシオンはベッドインしました。

男女でそれはどうなのだろうと思ったのだけれど、リゼルはやけに嬉しそうにシオンにくっついているし、シオンも優しげにリゼルを見つめている。

 年の近い仲の良い兄弟といった風なのだろうかと私が思ってみているとそこでクロウが、


「それで俺達もダブルベッドだが、どうする?」

「……男女でダブルベッド。……右端と左端に寝る?」

「それでも良いが、俺は元々枕を抱いて寝てしまう癖があるから、もしかしたならイズミを抱きしめてしまうかもしれない」

「……うう、できるだけ気をつけてください」


 私はそんな風にしか言えなかった。

 それは寝相の問題だしそもそも客室だからといって、ダブルベッドが2つなのはいかがなものかと私は思う。

 思ったけれど客なのでそれ以上同行言えないので我慢することに私はした。


 代わりに、部屋に来た時に出されたお茶と、軽い焼き菓子に目を移す。


「さっきのお菓子も美味しかったし、これも美味しいかな」

「イズミは食い意地が張っているな」

「う、だって美味しかったし」

「好きなだけ食べれば良いのでは? どうせ後で体を動かすことになるんだろうし」

「? 何で?」

「夜には魔物が出るから……トゲ付き鉄球の出番だぞ」


 クロウの言葉でそういえば魔物が出るんだったなと私は思い出して、では私のトゲ付き鉄球での戦闘が初めてそこで行われるのだと気づく。

 でもそうなると、


「花畑荒らしちゃいそうだね」

「大丈夫だ。“釣鐘の草”や“赤釣鐘の草”はちぎってもそこから生えてくるし、その端を土に植えておくと底から根が生えてくるくらい生命力が強いから」

「そう、なんだ。でもクロウ、この世界の事があまり興味がなさそうだったけれど、結構いろいろ詳しいんだね」

「……そうだな」


 何故か黙ってしまうクロウ。

 何でだろうなと思いつつもそこでクロウが私を見て、


「それで、いつまでそのドレスを着ているつもりだ? あんなに嫌がっていたのに」

「う、も、もう着替える。でも服が……」

「来てきた服ならそこにあるかごの中にあるぞ」

「! 早く教えてよ! と言うか一人で脱げないから手伝ってよう」


 そう私がクロウにお願いすると……そこで私は、クロウにベッドに押し倒されたのだった。


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