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ふたりぼっち  作者: 美波
2/3

冬2

家に着いてコートを床に脱ぎ捨て、そのままソファにうつ伏せに横になった。今日は何だか、すごく疲れた。しばらく残業が続いていたせいかな。このまま寝てしまいたい。明日休みだし、いっか。


そのままソファで寝ていたら、夜中に寒くて目が覚めてしまった。


「なんか食べよ…」


ソファの下の転がっているカバンから、飲みかけのペットボトルのお茶を出すと、スマホの通知ランプが光っていた。


珍しい。

不在着信が2件。高校の同級生だったマイからだった。


メッセージが来ている。


『なっち電話でてー!!』


『おーい!!』


『もーしょーがない!

あのね、ハルくん結婚したんだって!』


『なっち仲良かったじゃんか、ハルくん結婚したことみんな知らなかったからさぁ』


『なっち知ってたのかと思ったらハルくん言ってないって言うし!びっくりして電話しちゃったよ!』


、、、ハルが結婚した?


時間はギリギリ日付が変わる前。少しためらったけれどマイに電話をかけた。


「もしもし?」


「あーもしもしなっち?超ー久しぶり!元気にしてたー?」


「あ、うん元気。夜中にごめん」


「いやいーよいーよ全然起きてたから!てかハルくんのことメッセ送ったの見たぁ?」


「見た」


「やばくなーい?まーじびっくりしちゃってぇ、今日本当たまたま駅でばったり会ったんだけどさぁ」


「うん」


「妊婦さんと歩いてて、あれー?って思って、そしたら半年前に結婚したってー!

デキ婚てやつー?」


「半年前…」


「いやーもー本当びっくり!式とかも挙げてなくて特に周りにも言ってなかったみたい。

でもー、なっちにも言ってないって言うからびっくりしちゃって」


「うん」


ハルとはずっと会ってないし、連絡もとってない。


「なんでー?ってきいたら黙っちゃうし、どーしちゃったのよあんた達」


「あー、うん」


「アキちゃんのことがあったし気持ちはわかるけどさぁ」


私の気持ちがマイにわかるわけない。


「年末帰ってきて顔出しなよー!」


「うん」


「29日忘年会やるから!ハルくんも誘ったから!

たまには帰っておいで!」


「うん」


「またメッセするからーじゃあねーおやすみー」


「うん、おやすみ」


電話を切ったスマホには、日付が変わって28日の0時と映し出されていた。


結婚、かぁ。


ハルが、結婚、か。


いつかこんな日が来るとは思ってたけど。そんな日はずっと来ないとも思っていた。

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