Act.2 状況確認
覚悟も決まった。よし、ならばまず状況確認からだ。
『さて、じゃあ話を戻そうか。俺は名もない腕輪。適当に名前を付けてくれ』
「私はヒナカって言います。一応ランクD冒険者です。種族は豹族で、武器は軽弩弓を使ってます」
『ヒナカ...ねぇ。そうだ、少し名前を恰好良くしていいか?』
「別に構いませんが......どうするつもりですか?」
俺はヒナカに指示を出し、漢字もどきを書いてもらう。
『どうだい?』
俺が書き出して貰ったのは「日向夏」という名前だった。どうだろう、少しは恰好良くなっただろうか?
「......何処の文字ですか?」
『ん?あぁ、気に入らないんだったらいいけど向こうの文字に直したらそんなのになるかな、と思って。気に入らなかったら消してもらっても構わないけど......』
「......良いですね、これ。後で教えて貰ってもいいですか?」
良かった。気に入ってくれたようだな。よし、次は場所確認なんだがー
「あ、あの、兄者と呼ばせて貰っていいでしょうか?」
『お、おう?兄者?なんで?』
「だって...こんな素晴らしい名前を付けてくれるのなんて......尊敬するしかないでしょう!だから兄者と呼ばせて貰います!」
《名称:名無しの名称が名称:兄者に変更されました》
うぇい?なんかナレーターさん降臨したぞ?けどなんか日向夏にはどうも聴こえてないっぽいな。なんでだ?まぁいっか。
そんなこんなで俺達の自己紹介は終わった。さて、さっきのアーティック効果の話だ。
どうせ異世界転生は鑑定があるはずッ!と思ったらやっぱりありました鑑定スキル。はてさて俺の効果はどんなもんだぁ〜?
名称:兄者
装備者:無し
装具ランク:Ⅰ
精神状態:平常
種族:アンシェント・アーティック
攻撃力0
魔力1000/1000
耐久値 200/200
付与スキル
魔石特定:Lv8 魔力変換:LvMax 業焔魔法:Lv1 鑑定:Lv7
自己スキル
魔石進化 念話 共有 装備者ステータス上昇中(20%上昇)
攻☆撃☆力☆ゼロ☆ ま、まぁ、攻撃力こそないけども、効果としてはまあまあチートなのかな?日向夏もそんな顔してるし。
「な、なんですかこのアーティック効果...私が見たアーティックの中では1番強いですよ...」
え?マジ?俺って案外強かったりする?もしかしたら世界で1番強かったりして...?
「けど、この国にはなんでも人こそ選びはするものの、装備するだけでステータスが5倍になるアーティックがあるとか...」
すんませんチョーシのってすいませんでした俺世界最強とかほざいてほんっとすいませんでした、と言わざるを得ないレベルののチートアーティック効果だなおい...
「け、けど!兄者も充分強力なアーティックであることは間違いないですよ!?ね!?しかも業焔魔法ですよ!?天恵がないと手に入らないスキルですよ!?」
え?ほんと?こんなクソ雑魚ナメクジアーティックに手を差し伸べてくれるの?天使だ...
『お、おほん、じゃあ話を戻そうか。俺たちが今いるのはダンジョン内部の宝箱部屋。そんで俺はそこの宝箱報酬。俺が分かるのはここまでだ』
「はい。付け加えるとここはあまり高ランクの魔獣が出ない比較的安全なダンジョンでもあります。たぶん何らかの変化が加わってこんなことになったんだと思います」
なるほど...
『んでさ、さっき日向夏が言ってたそのランクってのは何なんだ?』
「はい。ランクというのは率直に言うと、その魔獣の格付けみたいなものです。下はE、上はZと様々な魔獣がいます。これは、冒険者にも適応されます。私の場合はランクDなので駆け出しに毛が生えたぐらい...かなぁ?」
かなぁ?て...自己評価低くない?この娘。まぁいいか。
『さっき下はE、上はZって言ってたけど、具体的にはどの位数があるんだ?』
「そうですねぇ...ランクの数自体は8個です。上からZ、T、S、A、B、C、D、Eですね」
なるほど。ランクの分け方はそんな感じか。それじゃあ次は俺が転生した場所のことを教えてもらおう。
『分かった。それじゃあ俺が転生した国?とか地域の詳細を頼む』
「分りました。えーっと、今私たちがいる地域はソアン地方の北部です。ペガズス大陸では最北ともいえる地域で、昔から魔境に生息する動物などを狩って生活してきました。それで、ここはさっきの話にもあったCランク魔境「白銀の樹林」の中のダンジョンです」
『ふむふむ。それで?』
「この「白銀の樹林」は、ランクが低い割に買い取り価格が高いバレンドラゴンが生息しています。このバレンドラゴンは体内で金属を生成し、その金属が良質な武具を作るのに適して居るんです。ここに来る冒険者は大体それが目当てでやって来ますね」
なるほど。金属を生成するドラゴンねぇ...面白そうじゃん。
『おっけ。ナイス説明。助かった。さてそれじゃあ...俺装備してみる?』
「はい!喜んで!!」
《名称:兄者が名称:日向夏に装備されました。共有を発動。...共有完了。正常な挙動が確認されました。尚、共有は装備解除されるまで効果は持続されます。》
うぇい、本日二度目のナレーターさん御登場。やっぱこれって俺にしか聞こえないんじゃ...?
「なんですか今の?」
あ、どうも日向夏にも聞こえてたみたいだ。装備したから聞こえるようになったのかな?どうもその線が有力だな。
『まぁいい。それで、ど、どう?装備した感覚みたいなのは?』
「装備した感覚って言われましてもねぇ...ん?なんか流れ込んできた...?」
どうもスキル「共有」ってのはそのまんまの意味で、スキルやらなにやら共有できる、っていう寸法らしい。どうもその気になれば五感まで共有できるみたいだ。
「へぇ...すごいですね!やっぱり!流石兄者!!」
お、おう?俺ってばそういうの結構ストレートに受けちゃうタイプなのよ?もっと褒めてもいいのよ?ね?
「すごーい!!やっぱり兄者は最強のアーティックです!!ひゅー!!」
ふぅぅぅぅぅ!!テンションMAXぅぅぅぅ!!!
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なんと言うか…お見苦しい所をお見せしてしまいました…ね。
「ま、まぁ、乗せちゃった私も悪かったですし」
『そ、そうだな。以後気をつけよう...』
「ですね...」
さて、茶番はここまでにしていい加減ここを出ようか。
「ですね。けどそれっぽい扉が無いんですよね。...いや、ありました。これは...地下通路かな?」
ゴゴゴゴゴ.....
「当たりです。通路が繋がってますよ」
よし。なら後はそこを進めば大丈夫か。さて、俺が転生した世界はどんなもんかな?
フゥゥ!一気に長くできたぜ!