表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/26

Act.7 兄者との戦闘

前回が少し長めになってしまったので、今回はちょっとだけ短めです。

「む...少し面倒な輩が入り込んだみたいだな」


「あらぁ?もしかして私の力が必要?」


「そうだな。私はいいんだが...まあお前たちはないよなぁ...」


「ご察しの通りっす~」


答えたのはレオさんだった。


「仕方ない。座標は?」


「あ~っと、なんだったけなぁ~...」


「汝、世ノ事象ニ感謝スベク、です」


「あ、それそれ」


「もう...きちんと座標(シグナル)ぐらいは覚えてよね...」


...え?座標?なにそれ?聞いたことないんですがそれは...


「若人、座標は?」


「えっ?あ、その...」


「どうした。早く」


「座標...って何ですか...?」


恐る恐る聞く。返ってきたのは、


「......あの小童が...まあいい。それは後々アンネに教えてもらえ。仕方がない、少々手荒になるかもしれんが、許してくれ」


「?」


「マインド・レーセン」


テルルさんが何か使ったみたいだけど、何も感じない。


「よし。終わった。む?珍しいな。アレを受けて顔色一つ変えんとは。適正でもあるんだろうか?いや、それより座標だ座標。ここは...旅スル者何カト出会フ、か。行けるか?」


「もちろんよぉ。皆、武器だけでいい?」


「オレはそれで~」


「それでお願いします」


「...おけ」


もしかして...最初に出会った時のアレかな?だったら...


「あ、私の腕輪もお願いしますっ。ここのロッカーの中に入ってますっ」


「わかったわぁ~。じゃ、フゥゥゥゥゥゥ........ハッッッ!!!」


ゴオッッッ!!!


すごい風が吹く。やっぱりアレだったか...


刹那、


「はい、皆の分よぉ。それと、ヒナカちゃんのはこれで大丈夫かしらぁ?」


中を確認する。いた。


「はい。これです。ありがとうございます」


「それじゃ、やりますかぁ?」



視界が開けると同時に、俺の視覚野を占領したのはまるで|画面の中(二次元)から出てきたんじゃねぇの、ってくらいの美女たちが各々の武器を装備していっている光景だった。


『日向夏...?』


〔あ、起きたんですね。今から施設内に侵入した魔獣を片しに行くところです。この人達は皆頼りになる人達ですから、安心してください〕


安心してください、つって言われてもなぁ...けど、さっき魔獣を片しに行く、って言ってたよな?


ということは多分戦闘になる、ってことなんだろう。何気にこっちに来てから初めての戦闘になるし、実戦を経験しておきたい。


『状況は?』


〔まだ現場の娘達でなんとか対処できてるらしいですけど、後数分持つか怪しいらしいです〕


『成程。そりゃマズいな。急がねぇと』


〔です〕

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「皆用意は出来たか?よし、大丈夫そうだな。それじゃあ、今の状況を手短に説明する。現在交戦中の魔獣は、推定Aランク魔獣の、「凍てエンフィーリン・つく者カーハイト」だ。報告によると、個体数は計10匹前後。どうも二手に分かれているらしい。振り分けは、レオ、リエ、イリの三人と、アンネ、ヒナカの二人でいいな?」


「異議なし」

「了解」

「...わかった」

「ヤ・ヴォール、よ」

「はいっ」


各々肯定の意を示し、次の指示を待つ。


「それじゃあ私は皆の誘導に向かう。報酬も載せるつもりだから、頼んだぞ」


「これでいかない理由はなくなったわねぇ?じゃ、やるわよ」


そう言ってブロンドお姉さんが一気に髪を纏め、ポニーテールにし、一喝。


「「「汝に神のご加護ムグ・ゴット・ディーがあらんことをッヒ・ゼィーットネン!!!」」」



二手に分かれて数分後。どうやら目的地に着いたっぽい。戦闘音が聞こえる。


「皆!!援軍が来たよ!!動けるのは加勢!!残りは上に避難ッ!!急げッ!!」


「「「了解ッ!!!」」」


指示を飛ばした人がこちらに駆け寄ってくる。


「姐様、敵は残り四匹。一匹はこちらで対処できましたが、負傷者多数です。加勢は?」


「大丈夫よ。私たちが奴等を外に連れ出したら、バリケードを作って後続の警戒と防衛。以上ッ」


「了解ッ」


「ヒナカちゃん、聞いてたわね?六時と遊撃は頼んだわよッ」


「はいっ!!」


成程。ここの人たちは援軍が来ることを見込んで、魔獣を外に出しやすいようにバリケードを構築している。


外側は平原みたいだし、業焔魔法をブちかませそうだな。


〔兄者、私は周囲の稜線を使って移動射撃でドゥーシャさんを支援するので、隙を見て魔獣に業焔魔法をプレゼントしてあげてください〕


『おっけ。けど詠唱はどうすんだ?ついでに言うとあれ付与魔法だし』


〔たぶん問題なく扱えると思います。行く途中である文献のの事を思い出したので〕


ある文献て何よ...まあ、日向夏が言ってることだし、信じよう。それに、前日向夏が言ってた便利なシステムもあるらしいから、心おきなく使ってみるか。


『行くぞ...3、2、1、Goッ』


氷霧を吐き出し、視界外から鋭い歯を向けてきた白い巨蛇を縦に切り裂き、女は一息つく。


〔ふぅ...ようやく一匹ね。こいつ等南のほうから来た亜種だとは聞いていたけど...チッ、一気にかかってこられると面倒ね。さっさとやってしまいたいんだけどーー〕


ゴウッッッ!!!


爆風が女の体に容赦なく吹き付ける。威力としては業焔魔法程か。女は秘めた興奮と疑問を抑え付け、全て終わった後に問い詰めてやろう、という覚悟を決めながら、次の巨蛇を仕留めに掛かる。



前日向夏が言ってたのってどんなんだったかなぁ...と記憶の蓋を開ける。乱雑に記憶の糸を手繰り、目的の言葉を引き当てる。


『火をつかさどる業焔神...トウハスよ、我にその超常なる力の一端を与え賜う。ヒュヤー・イントゥーションッ!!』

「ジャァァァァァァッ!!??」


おーし、効いてるみたいだな。しっかしあんまり上手く制御できてないな...ドゥーシャにもちょっと爆風が行っちゃってるし。しかも詠唱長いし。詠唱破棄みたいなのは無いのかなぁ...


≪承認。詠唱破棄Lv.Maxを取得。残存使用回数:四回≫


......は?なんかナレーターさんいきなり出てきたし。しかも詠唱破棄ゲットしたみたいだし?あと残存使用回数四回、って言ってなかった?ソレってもう少し考えて使わなイカンやつじゃ...?


まぁ使ってしまったことは仕方ない。もういっちょブちかましてみるか。日向夏もドゥーシャの支援してるし。無詠唱、っていうぐらいだから念じるだけでいいのかな?


(ズ・ブレネン・カイス)


シュボァッ!!


よし、後一匹。


〔...え?今兄者詠唱してませんでしたよね...?なんで?〕


『あ、うん、なんかよく分からんが念じたらスキルゲットできた。後で詳しく話す』


〔......?〕


ちょうどブロンドお姉さんが最後の一匹を片付けるのとほぼ一緒のタイミングだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ