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何度でも蘇る

  「まぁ、そうだな。勝者は勝利を噛み絞める権利がある」


 遮るつもりは無かったのだろうけど余りにも溢れる存在感が俺達を襲う。


 高らかに、されど厳かに鳴り響く拍手。その影は俺と同じ、いや俺以上の輝きを放つ炎の様な紅毛。この白い空間に蒼い服はともかく、白いフードつきのローブを纏ってあらゆる意味で見づらいよと言いたくなる男がこちらに接近してきた。


  「な」


 空気が抜けたような音が口から洩れる


  「いい加減にしてくれ」


 頭を振ってため息をつく


  「まぁ、そうだろうねー」


 別に気にしていない者もいる様で


  「……」


 目が若干怖いですよ。テレザさん


  (おそいよ)


 分かっていたのか。いつもと変わらないアルヴァ


  「おめでとう。父親として鼻が高いよ黎」


 そんな、五人の特徴的な反応もどこ吹く風と受け流し、こちらに対して称賛の声を送る男。


 動かぬ体に鞭を打ち、なんとか首を向けて確認した所、自称通り父さんな訳なのだが……


  「レイさんのお父さん。光に溶けて消えて無くなってませんでしたっけ?」


 テレザの言う通り、最後のオーバーライザーと『ユナイトアーツ・魔弾蒼穹』と聞いた技で身体が消滅したはずであった。だから、蘇るにしてももう少し遅れる筈であるにも拘らず、ぴんぴんしている。


 本当にこの人、色々と可笑しいよな。


 まるでさっき散歩のついでに寄ったばかりとでも言う様な佇まいでこちらを覗き見ていた。


 俺達はそんな父さんに、いや、消滅させたはずの男に警戒心を忘れない様に接するしかなかった。



 とまぁ、当初は警戒はしてたんだけどね?


  「あー、あれは本当に死ぬかと思ったよ。と言うより実際にあっちは死んでたしね?」


 顎に手を当てながら若干上の方を見ながら答える。父さんのその姿は、そう言えばその様な事もあったね? とでも言いそうなほど気楽だった。


 ついついその姿にアンタ殺されてたんだぞ。と、突っ込みたくなる気持ちを俺とテレザ『だけ』は堪えて接するしかなかった。エニグマと玖珂に関しては知らん。


 本当に素敵な事を気楽に言ってくる。さっき殺されたばかりだろうに、そんなこと些細な事だ。というように接する父さんに、どうも警戒心が薄まってしまう。


  「本当に死んでたならどうやって、」


 今、目の前にいる状態の前、この世界で出会った父さん全てが生ける死体と言うか、逝ける生者という訳なのだから、ぶっちゃけ生きてても本当は不思議でもなんでもない。がそれでも目の前あっけらかんと朗らかに笑いやがる父さんにはどうしても堪えていたツッコミが止まらない。


 それに、あっちの方の父さんを倒すヒントも欲しいからな。


「それはほら、黎が俺の身体を半分、下に零しただろう?」


 そして、あー確かに、そう思って芋虫みたいに這い回り、落とした場所を確認する。その際、いや誰か、息子の身体を傾けてあげてよとか小声で聞こえた気がするが皆これをスル―


 うん、いつも思ってたけど俺達って本当に仲がいいのか悪いのかわからんよね。


  「確かに、身体が消失している。そして、似たような気配が目の前にある」


 我先にと、玖珂が確認する。『目』に於いては俺達の中で一番良いのでその言葉は信用できる。


  (まぁ、言いたいことあるから出て来たんだろう。早く言ってやんなよ)


 色々と突っ込みたい事がこちら側にはあったし、あちらも話したい事があったのだろう。


 しかし、それを遮り、アルヴァが一刀両断。その言葉に微妙な顔をしながらため息をつき父さんの重そうな口は開き始めた。


  「まぁ、採点って所だな」


 ああ、やっぱりとエニグマが言った。長い付き合いだし、父さんの行動は分かっていたのだろう。

 それに、忘れかけてたけど演習だから当然と言えば当然だろうな。今回の戦闘での俺達の戦いの仕方の感想をくれるらしい。


  「まぁ君の事だから有用な意見をくれると思ってるよ。どんなもんだい?」


  「んーまぁ、アルヴァが急かすように時間ないし、簡潔に言うな」


 焦るなと手をひらひらさせて玖珂の方に向き変る。その状況に玖珂が目を伏せている。あいつまるで……


  「まずは自称、義理の娘から」


  「ヤッパリ。あー、私ですか? お義父さん」


 父さんが玖珂の方を向く前に、既に顔を背けていた。そうまるで事前に自分に意見が来るのが分かっていたように、微妙な表情で父さんの言葉を聞いている。



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