あらためて リクドウ・ナナセとは?
……とりあえず俺たちは宿屋で一息ついていた。
戦闘が終わり、野次馬がまるでスーパーのバーゲンセールに並ぼうとする主婦の如く怒涛の勢いで近づいてきた。
その為、エニグマに渡したカードの力も使い何とか遠くから援護してくれていたテレザを回収して、近場の潜伏できそうな場所である宿屋まで逃げ帰ってきた所でもある。
その宿屋は基本、和室っぽい空間だ。畳の様な物が床に引かれており、この部屋に入る前に靴を脱ぐ必要がある。部屋の広さは大体七畳間くらいの広さである。家具もチキュウではないのでテレビは置いていないからその分、広く感じる。部屋の西側には窓があり風が最も当たる位置だ。
一応、四人で止まれるくらいの広さではある。だが、
「男女で止まるには少々狭い気もするね?」
「それ、今更ですよ」
玖珂と初めて仲間になった時もこんな感じの会話をした様な気もするがそんな事は気にも留めていないのだろう。それもそうだねーとか言いながら蒲団を引き始めた。おい、まだメシも来てないんだが?
そもそもここに滞在する事自体が、俺たちにとって疑問であった。居場所が敵とうさんにばれた時点でどこか遠くに行くべきなのだが、エニグマ曰く、ナナセは多分、当分はこっちには来ないという。理由としては戦闘員以外に危害を加えるのは彼の流儀じゃないからだとか。
「でも、街中で襲って来たよね?」
そのエニグマの言葉に蒲団の中で俯せとなり、リラックスしながらも言い放つ玖珂。何時の間にか備え付けの浴衣に着替えていたのもアレだが言い辛い事をさらっと口にするよね?
父さんの来る前に触れ合っていた玖珂は、偽物ではないかとさえ思うその華麗な転身っぷりに俺は心の中で頭を抱える。
「……ナナセは当初、話し合いのつもりで来てたからね。あれでも、それに戦う時は本格的に結界張ってきたし、民間人に危害を加えるつもりはないと思うよ?」
「一応ポリシーあるけど、状況代わったら攻撃し始める人とか、普通に危険人物だよねー、子供の容姿とはいえ余りにも許されることじゃないでしょ。所で、気になってたんだけどレイ君とあの子の関係って何なの?」
などと、エニグマは玖珂の言葉に反論をするが更につっこまれた。エニグマとしては旧来の友故に、理由説明と共に弁護もしてやりたかったのだろうが、あの人がやった事がやった事なので問題点がザックザックと出てきてしまう。それにはエニグマも擁護の余地がないのか渋い顔をしていた。
そして、関係性と戦闘に入る前の茶番を考えれば当然と言えば当然だが、俺にも父さんとの関係について聞かれてきた。俺が言える事と言えばあれは子供ではあるが実の父親の様なんです。としか言えないのだが、流石に小学生くらいの容姿の父がいる約二十代と言うのも不思議な話しなので当然ツッコミが入る。さてどう説明するかね?
「それは私も気になってました。聞いた話では、百年前の英雄ですよね。なんであんなに子供っぽいのか、大人なのかもちぐはぐな印象なんですか?」
「テレザー、テレザーその位置だと私が話ができない。ねぇ、聞いて話ができない」
テレザも今まで静かだったのだが話題が俺の父であり、師匠の親友の話と事なので超乗り気になっている。ずいっと俺とエニグマが向かい合って話をしている所に座ってきたものだから俺を頂点にエニグマとテレザで∴こんな形の三角形を形成イエッツラーしてしまい。俺の後方左にいた玖珂が話に入り込み辛い状況下になっている。その為、流石の玖珂も抗議を入れているみたいだが静かに興奮しているテレザには受け入れて貰えず、今この状況に至る。
俺の方は別に、せめて蒲団に出ずともこっちまで来るというのなら開けてやっても良いのだがその気配すらないのなら配慮するいわれも無いので気にしない。
ぶーぶー言う玖珂の言葉をBGMに俺とエニグマはある程度父さんの事を説明する。大体はかつて話し合った事であった。ここに来た瞬間伯父や伯母と殴りあった事、その後、敗北し爺さんである大魔王の前に連れられ、養子に入った事。等を話した。ただ、過去の話をしていく中で、特に重要であろう事がエニグマの口から語られた。
「ジェネラス様のいない間に反乱があってそこで奥方が殺されてしまった事件があった」
「えっ? 師匠から聞いた話では基本的に誰からも崇拝される善き魔王であったとの事ですけど?」
エニグマの言葉に俺も驚いた。魔王なのに善き存在であるという所にはツッコミ所しかないがそれ以外は大いに賛成である。
剣から偶に覗ける情報でも異種族が力での統治であった為、大魔王とされたが、直轄領の人間には正規軍自体はそこまで恨まれていなかったようにも感じる。その為に代目も困惑してたぐらいだ。
「理由はジェネラス様自体にあったわけじゃない。力を欲したものと、魔族の中に人間がいる事を拒んだ純潔派。そして、それを先導した『神』の仕業さ」
そんな俺達の疑問に対して静かにそれでいて悲しげな様子でその反乱に対する事実を口にする。
爺さんが率いていた魔族の中にも本来の大魔王の部下の様にあくどいものが存在したらしい。そいつが敵対していた『神』に唆されて爺さんの奥さんの力を奪おうとしたのがその事件の真相らしい。そんな二人? に扇動されるように、魔族以外の種族を嫌う純潔派の魔族が人間であるお婆ちゃんを狙い戦闘。親衛隊の一部とエニグマ、エリーゼさんそしてもう二人ほどの親友を連れて反乱軍を鎮圧。
しかし、結局隙を突かれてお婆ちゃんは死亡、そして父さんは封印されたらしい。
「封印こそ解いたもののある程度無理に解いたせいで魔力が聖櫃にこびりついてしまってね放置に困っていたからマティウスと一緒に僕がとある場所に隠したんだけど……」
それをかつて秘匿されて知らされていなかった連中に取りに行かれ、小さい父さんが誕生との事である。
「親を他人の都合で殺されたんですか……」
「生前も人に尽し、死後も他人に扱使われる為に、復活する大いなる者か……」
エニグマが真剣な表情で語った内容に、二人ほど感受性ゆえか強い影響を受ける。ぺたんと俺の近くで座っていたテレザは表情を曇らせる。もう一人、玖珂もまた、蒲団の中で無意識に中に引っ込み始めていた。
身内に何かありそうなテレザは、父さんが身内を殺された所に、玖珂は自分もまた、他人の都合で召喚され扱使われそうになったが故にか言葉がポツポツと口にする。ともかく一応、父さんは死んではいないのだがな。色々悩んでいるようななので黙っておく。
「なぁ、肝心のその時点での父さん実力は?」
結果として敵対しているのだから戦闘力については知っておきたい。そこで当時の父さんの実力について知っている者であるにエニグマに話しかける。
「そうだね。ジェネラス様が死ぬ前の再現で魔力の残滓程度だから時系列通りなら持っている能力は多分こんな感じかな?」
リクドウ・ナナセ
種族・異世界の存在・後天的種族・魔王
LV100/80
体力100/90
魔力100/90
物理攻撃100/87
魔術攻撃100/97
物理防御100/80
魔術防御100/99
速度100/98
主だった特殊スキル最高値をⅤと考え「最古魔法Ⅴ」「全魔法Ⅴ(攻撃魔法のみ適正低い)」 「料理スキルⅤ」「逆境での成長Ⅴ」「剣術Ⅴに限りなく近いⅣ」 「炎の聖母の加護Ⅴ」
大体はこんな感じかな?




