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弟子登場!話題の増えるよやったね!

 話を聞いているうちに夜になったので泊めてもらう事となった。


 こういう場合は、宿泊地などを探し、其処に泊まるのがセオリーだが、わざわざ知人がいるのにその手の事をするメリットは、他の宿泊客からエリーゼの知らない新鮮な情報が得られるという、可能性無くはない。


 しかし、デメリットも、路銀を使う、安全面がここほど確約されていない等多いので控える。それに、エニグマにとっても百年ぶりの友人だろうしそれだけでも泊まる価値はあるだろう。


 そう思い、エリーゼの家に泊まったわけなのだが……しかし、部屋がごっちゃごっちゃしてる。


 道具の置き方に規則性があり、ゴミらしいゴミ自体は少ない為、整理整頓が完全にできないというわけだは無いのだろうが……


 これは酷い。足の踏み場と最低限の生活スペースが確保されている分マシと考えるべきだろうか。玄関にさえ、足元には本や研究の為のガラスの物品やらで溢れていた。


 「相変わらず部屋がごちゃごちゃしてるね。ゴミがない分マシだけど百年たってその程度は成長したんだ?」


 「まぁ、魔術の研究とかしてると自然とこうなるのよ。あそこに招へいされていた時みたいに、特別な研究室貰ってるわけでもないし……」


 「いや、君、私室からして汚かっただろう。よく殿下達が遊びに来ていた時に掃除してもらっていた程度には」


 「べっ別に、掃除してくれって言ったことないし。あの方たちが勝手にしてくれただけだし!」


 エニグマが、懐かしさと若干の飽きれを混ぜてそう口にする。流石にエリーゼにも反論があったが更なる真実で封殺された。務めていたところの王族に掃除させていたとか半端ないなエリーゼさん。後、言い訳が子供っぽい。


 そんなこんなでとりあえず食卓まで進む途中で色々な物蹴っ飛ばしそうになったのもいい思い出だ。 


 「ししょー、お話は終わったのでしょうか?」


 食卓まで進むとそこには、十代中半位の少女が食事の準備をして待っていた。ようく見てみると皿が四枚ずつ置いてあり、食事の量も二人で食べるには多い。多分、元から俺たちが泊まってもいいようにと用意をしておいてくれてたのだろう。


 少し間違えれば、自分たちの食事費が無駄に倍かかるだけなのに、そのような心配りがこの異世界に来てから、いや、元の世界でもあまりなかったので胸に来る。ただあの時、酒を取りに行っているだけじゃなかったのだなぁ……


  「君の事を少々、いや大分見直したよ!」


 「あんた達大げさねぇ」


 エニグマもこの対応には心打たれたのか声がいい意味で弾んでいるようである。


 「良かったですね。師匠! お友達がこんなに喜んでくれて!」


 名も知らぬ少女も師匠が歓待されている事を感じ喜んでいる。多分だがこの少女が、エリーゼ言った弟子なのだろう。


 「この子がお弟子さんかい?」


 「そうよ、名前はテレザって言うの」


 「てっテレザって言いましゅ! エリーゼ師匠の一番弟子を名乗る事許可しゃれています! エニグマしゃま! 黎しゃま! どうかよろしくお願いしましゅ!」


 どうやら、テレザはさ行の呪いにかかっているようだった。解呪できないものか……


  「落ち着きなさいテレザ。さっきも言ったけど今のこいつらはかつて説明したほど偉くもないから……」


 「あう、先ほどの事は忘れてください」


 スーハースーハーと深呼吸をする。どうやらテイクⅡが始まるようだ。


 「改めて、初めまして。私、テレザと申します。若輩ながら、エリーゼ師匠の一番弟子を名乗る事を許可されています。エニグマ様。黎様どうか、よろしくお願い申し上げます」


 そう言った後、綺麗にお辞儀をする。おおっと歓声が起きる。正直、エリーゼさんの弟子がここまで丁寧な言葉遣いができるとは一切思っても見なかったので、エニグマと共に驚いている。


 「こちらこそ、よろしく頼みますテレザさん。改めて、俺の名前は黎といいます。こちらに来てから俺の身内には凄い人たちがいるって知りましたが、俺自身は、普通の人間なので敬語とかで話されなくても結構ですよ」


 「あの、敬語は性分なので無理ですが、へんに畏まるのは頑張ってみます! そ、それと私の方も敬語は結構です。そういう扱い、慣れていませんので。黎さん! よろしくお願いします!」


 「あっ僕も僕も敬語はかった苦しいからできれば気楽に話しかけて欲しいかな? まぁ君の話したいように話せばいいさ」


 相手が敬語で接してきてくれたのでこちらも拙いながらも敬語で返す。それが最低限の礼儀だと思ったからだ。どうやら性分だったようだが、それでも少々肩肘のはった所があったのでこれで無くなってくれればいいのだが……

 

  「いやーしかし君の弟子なのにしっかりしてるねェ? エリーゼ?」


 「うっさいわね! そんな事より、席に着きなさいいい加減ゴハンが冷めるわよ」 


 「おっお師匠様は良いお師匠様ですよ?」


 「それ、フォローになってないと俺は思うよ? テレザ?」



 自己紹介も終わり食卓の席に着く。エニグマが言った事を皮切りに雑談の花が咲く、今まで二人っきりや、説明が多かったためこんな風にワイワイガヤガヤやるのは久しぶりなので心が躍るのだ。

よし!ようやく主人公に近い年代の女性キャラが出せたぞー


人数揃うと話が増える増える

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