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帰還そして

 一応、夜中までには帰れた。


 途中、玖珂が起きて騒ぎ出したのには何事かと思ったがどうやらディアスと一悶着あって当身されて連れて来られたらしい。


  「ん、ああ、なんか大分調子乗ってたからな。周りの取り巻き含め、ぼこって連れてきた」


  「三十人の忠実なる使徒で構成された、わが精強な軍隊が負けるとは」


  「ただのお零れに預ろうとしてた、ギャンブル廃人どもの群れをそこまで言うとは思わなかったよ」


  「また、迷惑かけて来たんですか」



 ワイワイと話は続く、玖珂が起きた後は雑談タイムになっていた。城に戻ってもそれが続いていたのは悪手であったと気づいたのは何故か城門の前に立つある『お方』を見た時だった。

               「ほう、楽しそうだな?」


 言葉を話した陽炎は、門の前で仁王立ち、腕を組んで額に青筋を浮かべていた。


 その特徴的な金髪をたなびかせて。


 空気が一瞬にして凍る。


 今は誰もが笑っておらず、門番は皆こちらを見ない様に警備を続けている。まるで、俺たちがいないとでも言うように、あるいは見たくないのか。


 見たくないというか、恐怖で動けないんだろうなー手足、震えているもんね貴方達(門番さん)


  「なあ、聞かせてくれよ。お前たち今まで何所に行っていた? 特にアルカディアス」


  「いや、その、アレだ、アレ」


               「アレではわからんなぁ……」


 陽炎でも出ているのか、それとも抑えきれていない魔力で空間が歪んでいるのか、アルカンナさんの姿を正確に視認できない。


 ただ、これだけは分かる。


 間違いなく怒っているハズなのに目が平淡なため逆に恐怖が増している。


  「あ、あの、何故皇帝であるアルカンナさm……んがここにいらっしゃるのでしょうか?」


 言葉をつっかえさせながらも懸命に絞り出すテレザ、グッジョブ手足が震えているのでさりげなくテレザのいる後方に移り手を握ってやる。これで落ち着く事だろう。


 俺の行動に、テレザは顔を赤らめて小さく頭を下げた。だが、その行動に何故かアルカンナさんが反応したのか目が少し痙攣のようなものをしていた。


  「私が私の城の門の前にいる事のどこにおかしい事がある?」


  「いえ、ありません……」


 何故か起こった睨み合い。当然、制したのはアルカンナさんであった。流石、魔皇帝怒るとこれほど怖いとは……


  皆が戦々恐々としている中で本来なら一番騒ぎそうなやからが大人しくしているのが少々気になる。そう思い、『ソイツ』を目で追う。



 --いねぇ


 俺の視線を追ったのかまずはアルカンナさんが続き他のみんなも探す、あいついつの間にか消えてやがる。


 静寂が流れる。いるべき人間がいつの間にかいなくなった事で怒りを向ける矛先の行方が分からなくなり、霧散こそしないもののある程度は散って行く。


  「ん、くっ! もういい興が削がれた! 行くぞ」


  「アルカ? 説教はもう良いのかよ?」


  「もういい! 連れ出した理由も見当がついている。それに関しては咎めるつもりはない!」


 連れ出した理由、どういう事だろう? その言葉の真意について聞こうとディアスの方を向くとバレたかとでもいう表情で頬を掻いている。


  「それなら俺の許してはくれませ」


  「怒らせたいのか?」


  「んね。ハイ」


 とりあえず、今はせっかく怒りも鎮火しかかっているのだ。黙ってついて行く方が良いだろう。


 降りきる寸前の太陽と主張し始めた二つの月の光を浴びながら耳に残る門番の安堵のため息を聞き、俺たちは足取りも重く城の内部に入って行った。


ああ、言ってなかったですけどこの世界、月二つあります。特に世界観に影響与えないんで描写を端折ってましたごめんなさい

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