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朝に何があったやら?

  「おーい起きろ」


 朝の陽ざしに当てられた部屋。

 そこに口調では解り辛いが優しい女性の声が響く、アレ、何時俺寝たっけ? 昨日抱き着かれてからの記憶がない。ただ、覚えている事は夢で何故か父さんがこちらを眺めてイラつく顔でにっこりしてただけだ。


 とりあえず、シャーと開けられた窓の音と風に当てられながら、身体を多分アルカンナさんに揺さぶられているので起きる。そう言えば北国に近くなっているのにこの地域そこまで寒くないな。


  「朝食いらないのかー」


 未だ軽く右左と揺さぶられている。そこまで寒くないとはいえ大和の寒冷地辺りの秋の早朝程度の温度なのでそろそろ起きないとヤバそうだ。


 どんどんアルカンナさんの言葉にも力が籠ってきてるし。


 改めて起きる為に意識を集中する。心地よい風が顔にあたる、目を開けると強い日光が目に入り、思わず手を当てる。


 入った時には気にしなかったが東側にも窓があって西側にベッドがあったんだーね、風があたってるから北側辺りにも窓有りそうだけど。 


 何か引っかかる気がするけど、まぁいいやとりあえず起きるすると……


  「おはようございまーすッ!?」


  「ようやく起きたか昨日はすまなかったな。うん、どうした?」


 一応言っておくとアルカンナさんはもう、服を着ていたのでラッキースケベイベントが今は発生しなかった。朝食を取る為なのか昨日の正装の略式みたいな服を着ている。


 藍色のゆったりとした上下は皇帝にふさわしい優雅さと威厳を誇っている。主に金色の刺繍に銀の装飾品が主張しすぎない程度に誂えてあり、それが服の魅力を引き上げているだろう。


 そんな事は俺にとって本来どうでもいいんだが正直目を背けたい現実がある故にどうしても目を向けてしまう。


  「いやー起きましたからちょこっと目をそむけるなりしてくれません?」


  「あーすまない分かった分かった。それじゃあ私は先に行くーって訳にもいかんな。隣で後でやるつもりだった書類を片づけているからできたら声をかけててくれ」


 とりあえず、なんとかその言葉だけは絞り出す。


 アルカンナさんはその言葉に首を傾げてこちらを見るが俺がベッドに入っている事を確認した後に察したようだ。こちらに配慮するように背を向けて会話をし、隣の執務をする為の昨日話していた机のある空間に移動する。距離的にそこそこ遠いので確かに見ようとさえしなければ流石に見えない天幕あるしね。


 うん、天幕あるからね、執務室も兼ねている為なのか当然ベッドはひ・と・つなんだよね。


 そして何より俺が寝ているベッドの掛布団は一人分くらいの空間が空いていた。ついでに俺はまだ入っているので当然、俺が空けた物でもない。そしてまだ暖かい。匂いも俺のとは違う!!


 ふぉー、いや気にしないでおこう身内だ。身内だー!!


 正直、未だ悶々とするがこれ以上時間を取らせるのも失礼なので根性を出して起き上がる。


 俺は赤くなる顔を掻きながら、とりあえずベッドの外にある連れてこられた時に持ち込まれていた荷物を確認する。


 荷物の横にはいつの間にか綺麗に洗われていた昨日の衣服を入れながら、更に何時の間にか用意されていた明らかに俺に着ろとでも言いたげな服に手を伸ばす。


 うん? 衣服……俺、何時着替えたーー?


 もう気にしないよめんどくさいし、とりあえず衣服を改めて確認する。


黒い服に金の刺繍の何処と無くダークヒーローな貴公子が着てそうな軍服のような正装の上下であった。なんじゃこりゃ? 色々ツッコミ所があるけど何処と無く学生服にも似てるので俺自身着るのに違和感はない。高校は何年も前に卒業したけど。


 ブレザーと軍服を混ぜたようなデザインだな本当に。時間かけるのもアレだしそそくさと袖を通す、サイズも文句なしに合っている。


 まるで俺のサイズを測って作られたようにジャストサイズ。ではなく、ある程度の機動性が確保されたサイズと言うのがこの服の特徴だろう。ゆったりとした着心地はそれだけで、この服を見立てた人間の目がそれだけ優れていたという事でもある。


 「もしくは仕立てた人間か……」


 どうやって仕立てたのか考えると少々怖いものがあった。その為、独り言が少々漏れてしまったが苦い顔はしない様に服を着る。完全に服を着終わり、身体を動かす。


 屈伸や腿上げ背伸びや腕を伸ばす、よし、服に違和感なし、ずり落ちもしない。


  「準備できたよ、アルカンナさん」


  「んーそうか、わかった。それでは専用の汚れを落とす場に連れてってやるついて来い!」


 そう言うと机から立ち上がり手招きをしていたのでついて行く。


  「あれ、食事は?」


  「お前は身ぎれいにしないまま朝飯食べるのか? うん、あんたはどうなんだよって目で見るな。ついでに私はもうしてるから書類仕事で手が汚れたから洗う程度だな……」


 質問すると凄い勢いで答えが返ってきた。やはり女性だしその辺は気にするのだろうか? 姉がその辺り一切気にしない人だったし、ここ最近もしもを考えて食事が先だったのでこの辺り新鮮だ。


 ただ、目ではアンタはどうなんだよと言うのが現れていたらしい。こちらに対してドヤッとした顔で胸を張り答えてきた。言い終わると同時にその場所とやらに案内し直した為、声が聞こえづらかったが。


  「他の皆待たせると不味いしちゃっちゃと行きますか」


  「まぁ、元気なのは良い事だ。おっとここら辺だな」


 俺の独り言にアルカンナさんはわざわざ反応して笑顔で語りかけてくる。ただ、こちらに反応した為か、扉を出てそこまで長い距離でもなかった仮定・洗面所を通り過ぎてしまいそうになる。


 流石に、今回は慌てなかったし赤面もしなかった。この少々おっちょこちょいな部分が身内だと言われると納得できる部分だ。


  「よし、行くか。レイ」


  「うん、一緒に行っていいのか?」


  「別にいいだろう? 不浄場トイレという訳でもなし、ほらほら」


 アルカンナさんはこちらに掛け声をかけた後、扉を開ける。何処か学校の知り合いに連れション行くかと言われた時のテンションを思い出す。が、そこである事を改めて気になりだす。洗面所(仮)に女性と一緒に行っていいのか? 


 その事が気になりだし疑問を投げかけるが、トイレでもないので気にするなと言って後ろに回り込み、背中を押されて洗面所(仮)に連れ込まれた。


 まぁ、確かにここで何もなかったんですけどね!

用事があったので作品をこの時間にシュゥゥゥーッ!! 超!エキサイティン!!

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