日は明けて 魔導列車搭乗
「はぁー思い返せば、色々あったね」
「とんだ、観光でした」
「まぁ、私というヒロインを仲間に出来た。それだけで得したと考えるべき」
玖珂のたわごとは無視して
「……さて皆行くぞ!」
どの様な形であれここで決着は着いた。
その為、鍋を片付け、玖珂を伴い俺たちは宿屋に向かう。ここにくる際に倒した忍者たちから装備などや金銭を貰っておいて土に埋める。こちらも綺麗ごとで動いているわけではない。ちょうどメンツも増えて路銀も無くなってきた頃合いなのだ補充できる機会は逃さない。
「ただ、やっぱりこれもなれませんね?」
死体を土に埋める過程でそうテレザがポツリとつぶやく。
「私においたを働いたのだからこのぐらいは当然」
「まぁ、命狙われたんだこの位はね?」
「路銀も尽きてはいないけどこのまま旅をすると怪しかったし、良かったと思っておこう」
「そうですね」
八人分のお金や装備は結構な額になる事だろう。くだらない雑談をしながら俺たちは町に入り宿屋まで行く途中、玖珂のボロボロの制服では流石に入り辛かったのでエニグマのローブ(新しい方)を貸す。「古い方でいいじゃん」とかエニグマは言ってたけど流石にかわいそうだろう。いくらこいつでも。
後、決して俺のマント裾を鎧から引っぺがそうとしてたからエニグマのローブを与えたわけではない。
宿屋について、客が一人追加された宿屋には大変申し訳ない事をしたと思う。受付の人とか驚いていたし、だが、部屋で借りてたので追加料金とかは発生しなかった。ただ、ベッドが余っていなかったのでエニグマがベッドを譲る結果となった。
一応、一緒に寝るという選択肢もあったわけだが、テレザだと蹴っ飛ばしてしまう可能性があるとの事だ。昨日は大変だったしね。エニグマはそもそも寝る必要がないのでベッドですることは体を休める事であり、他人がいると煩わしくてそれができない。だったら起きてた方がましとの事。
「レイ君のベッドは? 初夜的な意味で」
「俺の剣がてめぇを貫くことになってもいいのならいいぞ? 赤か、蒼か?」
「エロス的な意味でかい?」
「えっ? えっ!?」
違うよ。
俺はと言うと、貞操の危険性がありそうなので却下煩わしい。という事なので結果的にこうなった。その際、テレザが安心のため息をついていたように思えるし、エニグマも残念そうに指を鳴らしていた。テレザはともかく、てめぇ。
茶番もあったがこれからの事を考えて宿屋に眠りにつく。うん、つかせて。
朝起きたらベッドが暖かいというか、やはり誰かいる。もう読めてたよこの展開。諦めてたよ昨日から、そう考えて、もっこりしている掛布団の下を覗く、だれか確認し終わったので足にてご退場いただいた。
「いね」
「ふぎゃ、レイ君。何をするのさー」
「何かあったんですかぁ、えっ!」
蹴りだされて怒る玖珂と、下着姿の玖珂が俺のベッドの近くにいるのを見て驚くテレザ、そして。
「……」
「寝てるふりしてそこで観察してるの知ってるから出てこいエニグマァ!」
わざわざ枕を半分出すことによって僕は蒲団に籠ってますよとでも言いたげだった。
「落ち着きなよ。レイ」
そうして、蒲団の枕のない方から頭を出してきたエニグマが笑いながらこちらに話しかけてきた。二重トラップだと!
「あーわかりました。駄目ですよユミさん勝手にベッドに潜り込んだりしては」
「うーん、エニグマに追い出された後、レイ君の所で寝ればと言われた。私は悪くない」
「やっぱりな」
「フィ~♪」
推定、一番罪があるのはエニグマ、次点が玖珂のようである。
エニグマは顔をそむけて口笛を吹いてやがる。くだらないやり取りに俺とテレザは頭を悩ませながら無視して行動に移す。玖珂の服とかどうにかしないといけないしなぁ……
色々あったが、皆で急いで宿屋を出る身支度をする。服がボロボロな玖珂には取り敢えず、エニグマのローブを着せたまま宿屋を出る。
ついでにエニグマは旧式のローブを着てこっちを睨んでいる。こっちみんな。
当日乗車予約を受け付けで済ませて魔導列車へと向かった。一応、昼ごろに出るのだが腕時計とか無いから何時か解り辛い。ついでに携帯やゲーム等の時間が分かりそうな物品も俺たちチキュウ組は持ち合わせていない。
いや、玖珂は携帯を持っていたのだが逃げていく過程で壊したとの事、まぁいくら人の場所が分かるとはいえ忍者相手に服をボロボロにした程度で逃げられるわけないか。
「一人増えたからドタバタした乗車になるね」
「魔導列車って……、こんなに、はぁはぁ、急がなくては、いけないんですか……はぁはぁ」
「列車ってのはこんな感じ。私も地下鉄とか乗る時は大変」
「まぁ、こんな感じの時とかあるな」
まぁこうして急いでチェックアウトして荷物を片付けて中央駅に走る。朝にドタバタしてたせいで更に面倒になる。ここがまだ霜がつく程度の気候で本当に良かったよ。走ったら足を取られるとか痛いし、時間とられるし、やばいからな。
「何とか着いたね。いやー疲れた、疲れた」
「平凡な女子高生には少々きつい距離だった」
「「……」」
疲れる事が肉体を持つ生命よりも少ないエニグマと荷物を一切持っていない玖珂が真っ先に弱音を吐くのに俺とテレザは言い知れないものを抱くが気にしても仕方ない。予約乗車券を取りだし駅の中に向かう。そこそこの人だかりだ。
「もっといると思ったんだけどね?」
「皇都って大和で言う所の東京だよね。出稼ぎにでるとかでもっと多いと思ってた」
「ふぉふぉふぉ、その事について説明させて頂こう」
エニグマが人だかりが少ない事に意外そうに見回し、玖珂もそれに同意した。確かにと俺とテレザが頷くとその話を何処からか聞きつけた昨日の町長が後ろから出現した。
「おはよう、やぁ、昨日ぶり」
「おはようございます。昨日振りですなぁ、皆さん。あれお一人増えておられますな。そして一人足りないような?」
「一人足りない?」
おかしなことをいう、テレザはこうやって俺にひっついているというのに……ああ、俺を楯にして隠れているのね。
どうやらあの時も人の話を聞かない列車説明がトラウマなのか俺と俺が持っている魔法のバックの陰に隠れながら乗車手続きと駅の様子について説明を受ける。そいやこの人、駅長だったね。
流石に列車を待つ間だったので、そこまで長話はしなかった。それに対しては、テレザが本当に良かったとでも言うようにホッと、ため息をついている。
うん、そんなにトラウマだったんだね。テレザ。
「まぁ、試運転だし、わざわざ都会に行くほどの用事もないからすくない、ね」
「まぁ、田舎に急に鉄道造られてもいきなりは使用されないようなものかも」
ピークがもう過ぎたというのもあるらしく、怖いもの見たさや新しいもの好きの利用客はもう打ち止めとの事、今は純粋に利用するものの中で鉄道を恒常的に利用できる。田舎の中での利用客やここを中継点として考えている旅行者が主だったものらしい。
予想より混んでないだけでかなり人はいるしな。そう思いながら周囲を見回す。とりあえず千人以上は確実にいる。その程度には混んでいた。
「あのオヤジ……いえ、駅長さんの話ではむしろ混むのは列車が来てからとの事ですしね」
テレザは駅長に並々ならぬ不快感があるらしい。友人等にしか吐かない毒をわざわざはいている。面倒だから気が付いていない振りするが
「皇都からの利用客の方が多いんだよな」
思えば当然か、田舎こちらと都会あちらお金を持ってる人も、そもそも人数が多いのもあちらだ。こちら側からが空いていて、あちら側からが混んでいるの納得できる。
「うーんこの世界の人は都会への憧れが少ないのかなぁ?」
玖珂がそういう、確かに俺たちの世界の住人だったら自分たちの地元から東京への直通便が出来たと言ったらこれ以上の客が来そうな気もするが……
その言葉にテレザが反応する。
「いえ、私たちの世界でも皇都にすぐ行けるというこの列車が来たら大歓迎されると思いますよ?」
なるほど、では何が原因なのだろうか? そう、若者おれたちで悩んでいた所、最年長エニグマが声をかけてくる。
「いや、単純にお金がないだけだと思うけど?」
ぽん 「「「ああ!」」」
俺たちは納得して手をついた。
「流石、お年寄り!」
「ユミ、次ぬかしたら怒るよ?」
玖珂の戯言に流石に流せなかったのかニコニコしながら突っ込むエニグマを落ち着かせながら改めて、自分たちの実情込みで思い起こす。
正直、俺たちは旧魔王領でかっぱらって来たものと忍者から奪ってきた物で実はそこそこの小金持ちである。
まぁ補給する手段もないからあぶく銭ではあるんだが、その基準でこの鉄道の利用を考えていた。
それ以外にも俺たちは旅人である。根無し草ならともかく、私生活のある人間は一月に四回であると一週間は帰れもしない、列車利用量金以上にお金がかかる。そのようなものを一々使っていられないというのが実情だろう。その結果、利用客も少なくなる、という事である。
謎が解けた段階でちょうど列車が来た。本当に人の雪崩みたいだな。そう思いながら中央通路を開けて皇都から来た客を通す。この客がさばききれたら俺たちの番か、オラ、ドキドキしてるぞ。
死体からはいでもいきぬきたい世界がある。
リアルドラクエってきっとこんな感じだよなぁ・・・
打ち消せぬボールオブ龍の影響力
オラ、ワクワクしてきたぞ




