かくて仲間になりました
「そう言えば私から質問。貴方たち何処から何処へ?」
玖珂・勇美嬢がそう俺たちに質問してくる。喋るべきか? ついてきそうな気配がある。面倒くさいからついて来て欲しくないな……
俺は周囲に目的地を告げない様に努力していたわけだ。テレザは承認してくれた。流石に不審だし、それに召喚されたというのが気になる。後、何か周囲が気になる。
召喚、北の方にいた。エリーゼさんから聞いた事を思い出す。つまりこいつが逃げてきた方向は召喚王国という事になる可能性が高い。
正直、そこに行く訳だが、万が一ついてくることになったら十中八九トラブルに巻き込まれる。そう、それなのに……
「僕たちはここから北の多分、君を召喚した国に行く。帰る為にね、君も来るの?」
エニグマが玖珂の所まで行って言いおった。いつの間にかスープの鍋を囲んで俺の正面にいたエニグマが俺の右にいた玖珂に対して目的地を告げた。
流石に、自分が逃げてきた所が今の所の目的地だとそれに対して、玖珂は少し、悩んだ後に、こっちまで近づいて来て手を握ってきた。
「協力しましょう。貴方の為なら、だって私は主人公ですから!」
そう言って、玖珂は俺を抱き寄せて片手を月の方に向ける。やめろ。エニグマも笑うな。テレザ、顔をそむけてないで助けろ。
意味の解らないオーバーリアクションに、なんとなくどうしていいのか掴めないものを感じる。とりあえず、この子はうっとおしくてめんどくさい所があるが推定で悪い奴ではない事だけは分かった。
問題なのは彼女にくっついている問題の方で「どーすんだよ」と仲間に引き入れやがったエニグマに対して質問する。
「彼女の問題に対する解決策ならすぐ用意できると思うよ?」
そうなのか? とエニグマに問い直すが、確実にとなるとギャンブルが混じるとの事である。俺を見ながら言ってるので何が起こるのかちょっとだけなら想像できるが、確実なのにギャンブルとはなんなのか?
まぁいいや、玖珂の問題は片付けることも可能らしいがタイミングが重要との事、まぁ確かに、行った奴どうにかするとエリジアの時みたいに知識だけが置いてあって探し辛い事になりそうだしな。
この問題に関しては、皇都で詳しく説明するようだ。俺自身は、もう何があるのか理解した。皇都ね、そういう事かそういえば禁術だしね。
「もしかして、解決しそうな雰囲気? ありがと!」
命を狙われていた問題が解決しそうな気配からか、玖珂が俺たちに抱き着いてくる。まだ決まってないよ。
「隙あり!」
「ハ!?」
エニグマはするっと回避したうえで逃げようとした俺の足に膝かっくんをして逃避を阻む。「おい!」
「スライダー、ラヴ!」
「なっグぇ!」
こうして俺はダイレクトにタックル食らい押し倒される。テレザが助けてくれるまではマウントを取られている状態だった。
「ありがとう。テレザ」
「いえ、流石にきつそうでしたから」
そう言ってくれるテレザに感謝を述べ、皆食い終わった後に片づけに入る。腹八分目にしておかなければ……等と大きな皿で二ケタに届くくらい御代わりしていたくせに恐ろしい事を言う玖珂に、恐怖を感じながら鍋を片付け残り物はタッパに詰める。
その際中、今までこちらを監視していたものが襲い掛かってきた。
「こんな所にいたとはな」
木々の隙間から出て来たやつだけで三人、他にも多くいそうだ。その中で格好があからさまに忍者っぽい奴が玖珂を見て、こちらに話しかけてきた。後ろは岩場でナベを片付けきれていないから正直逃げ切れない。
距離はそこそこ離れている。こちらの武器は届かず、魔法も外しそうな距離、相手はプロなのだろう。戦いの間合いの取り方というものを心得ている。その為、テレザもエニグマも行動を起こし辛い状況におちいっている。
「忍者だったんだ」
玖珂君、狙われてるんだよ? 敵を見てワクワクするんじゃあない。しかし、やばいな。一人一人がエニグマには劣るけどテレザや俺には上回る感じがする。それが最低三人以上か、下手に行動できないなっとエニグマやテレザと目線で相談し合う。
「お前らは旅の者か、大人しくそいつを渡せばお前らは助けてやろう」
こちらが戦力差について考えていると、遠くだったから会話全部は聞こえてなかったんだろうけど、それでも白々しく追ってた人物発見したらおまけがいる事に気づきましたぁーって感じに話しかけてきた。
本当に玖珂だけ始末しろと言われてきたんだろう。もしくは分断工作か、暗に奴らはこう言っている。今までの事は見なかったことにしてやる。玖珂を渡せばこちらこちらに危害は加えないぞっと、さてこちらにも利のある言葉だ。
「ちょ、レイ君。みんなが見ているからやめて!」
「レイさん貴方は一体何をしているんですか!?」
利があるから、玖珂を相手に突きだす。玖珂は何をいっているんだ? 玖珂の素っ頓狂な対応に訝しみつつも、やはり来たテレザの非難に耳をそむける。ただ、それでもみんなもどうやら理解してくれているようで、行動にはでない固唾をのんで見守っている。
「ほう、君が賢い子で助かるよ」
そう言ってさっきからずっと喋っていない忍者二人が玖珂の回収に近寄ってくる。後、一歩、二歩、三歩、玖珂がこちらをチラチラ見ながらも忍者の方に歩いていく。
忍者も警戒しながら玖珂の方に行っている。あともう少しでちょうど中央、周囲の忍者も警戒を解いていない。俺らが帰れるのは何時になる事やら?
そして、ちょうど中央に行って「ありがとう。それでは消えろ」リーダーの忍者のセリフに二人の忍者が中央で玖珂に襲い掛かる。玖珂は無言だった。死を覚悟したのだろうか?
だが、玖珂の様子に関わらず、凶刃が迫る短刀のようだ。
「グッ」 「貴様!」
しかし、「ターンジャンプ」エニグマの転移魔法で中央まで行き、忍者二人を倒す。予定通りにはいかなかったがさてここからどうするかね?




