アクセス!本領発揮!
「レイ! 大丈夫かい!! レイ!」 「レイさん! 起きてください!!」
仲間の声が遠くに聞こえる。起き上がりたくても身体いうこと聞かない。そもそも利き腕が筋肉から抉られている為、物理的に動かない。仲間との距離は正確には把握できないけれども大分離れているように感じられる。
ゼリウスは先ほどの位置からは動いておらず、ちょうど十メートルくらいってところだと思われる。それほどまでの距離があったのにこのザマか……
だが、大地を抉るほどの一撃を受けて、死んでいるのではなく、死にかけているというのは幸運なのかもしれない。武器で攻撃を逸らすことには成功したが、それでもこれだ。直撃していたのならば間違いなく死んでいただろう。
『炎界』 「さて、剣をいただくとしよう」
ゼリウスがそう言うと文字通り、俺とゼリウスの周りに炎が走る、それは円を形成しながら変化を続け、何人も通り抜けられない炎でできた結界が作られる。波のようにゼリウスを中心にしてできた結界は仮に元気だったとしても、逃げる事も出来なくなったな……
そんな事より、呼吸ができない、身体の痛みの感覚が何処か鋭敏で掻き毟りたくなる。まるで、
(死にかけている。タマシイがぬけでているよ?)
幻聴が聞こえる。こっちの世界でアルヴァの声が聞こえる。何より自分の感覚がどこか変だ。身体が思うように動かないのに、動かせるように感じてしまう。
何かが抜け出ていく感覚もある。そうだアルヴァの言うとおり。まるで、「魂」が「外にむき出しになっている」様な状況なのだ。
(つまり、わたしと魂のつながりがつよくなってしまうジョウタイでもある)
(何の用だよ)声に出せない。アルヴァのドヤ顔が少々うっとおしいがこちらは何一つ動かせない。そもそも、外の様子もおかしい。俺以外の動きや音が遅く感じる。走馬灯のようにという奴だろうか? (うん、ここはギジテキな心のセカイ、ロッピャクバイのはやさでトキのウツロウセカイ)
そうなのか、すぐに死ねないというのも辛い事だ。痛みだけはこうまでも鋭敏なのに、死だけがどこまでも遅く感じる。
(ねぇ、生きていたい? どんなことをしても) そう、アルヴァが言う死んでもいいのかもしれない。生きていても良い事が有るのかも解らない。
(じゃあ、このまま私にキュウシュウされる?)
それもいいかもしれないな?
だけど、
「レ ! ……っていろ! 転……で、 く」
やっぱり、さ
「生…… いてく…… い! 出来……ば りの友 失いたく いですッ!」
結界の外から必死な声が聞こえる。動きの遅くなったと感じる世界でこの声が聞こえるはずはない。ならばこれは、過去の意識が朦朧としていた時に聞いた言葉かもしれない。だが、それは間違いなく俺の五体に力を与えてくれた。
(この炎の奥からする声は、裏切りたくはないんだよ
だから、
力を貸してくれ!)
(うん、いいよ)
了承する声はどこか嬉しそうで、
(だけどね気をつけなよ?)
悲しそうで
(私の力をてにいれるということはタマシイをわたしにささげるということ)
意味深にそう呟く。伝えたいような伝えたくないような、微妙な言葉遣い
(こうかいしてもしらないよ?)
その言葉に声を張り上げる。
「構うものか!」
アルヴァに、そして自分に言い聞かせる様に。
無謀に挑む権利は誰にも持ち合わせている原初の権利。
生きる事は命が生まれた時に持つ原始の義務だ。
その為に、
あがく、
生きる事を吼えるのだ。
根性論ではどうしようもならない起き上がらぬ体に無念を感じながらも、俺は最後に自分が言いたいことをアルヴァに伝える。
まぁ、ごちゃごちゃ言わずに一言で言うなら、
「仲間を置いて死ぬのは気に食わないし、めんどくさいんだよ!!」
当然だ、自分は自分の責任で勝手に死ねばそれでいい。しかし、信じてついて来てくれた仲間はどうなる?
諦めましたごめんなさい。じゃ、申し訳立たないだろう。かっこつけたいんだよ男の子だからッ!
そんな俺にあきれながらも満足が行ったのか、こちらに来て倒れている俺の手を握ってくるアルヴァ。その行動にどんな思いが込められているのかは今の俺には分らない。ただ一言俺に向けて喋る。
(それでは力をタマシイの接続を)
身体から自分の物ではない力が注ぎこまれる。
(ワタシの中にまじりあうたびにワタシのコエがききとりやすくなっていると思う)
奔流そう呼ぶべきモノが身体のいや魂の中で起こる。
(それはつまり情報があなたの中に入っているという事)
他人の情報が、そして魂の魔力に自我が押し流されそうになる。
(ワタシをウマくつかって)
それでも
最後にくれた心配は果して誰かを思い出して言った言葉だったように思う。
俺は、アルヴァに心配するなと声をかけて魂の接続とやらを許容し、その言葉にて凌駕する決意をする。
仲間を泣かせる趣味は無いんだよ。
「なんだ、レイの魔力質に変化が?」
ゼリウスが俺の変化に気付いた。という事はこれは元の世界の時間で動いているという事でもある。彼はこちらに注意を払いながらも迅速に近づいてくる。
半分も詰められたように感じる。が、俺に焦りが無い。多分何かと混じり合うことにより、力が満ちている為だろう。
「何か、不穏だ。動けないものを攻撃するのは気が引けるが」
心臓の鼓動が早鐘を鳴らすがこれは緊張の為ではなく、魔力の脈動の音。流れ込む魔力が無理やり身体を動かす為の力場を形成する。傷は治らない。そもそもそのような機能は付いていないのだから当然だ。だが、力場が失った体の部位の代用となっている。
ゼリウスも異変に気付いたのかある程度の距離があるにも関わらず攻撃してくる。剣により作られた衝撃波だ。
こんな事もできたのか
しかし、その攻撃速度でさえ、アルヴァと同調した今では超常的な速度ではないように感じる。
俺は立ち上がりゼリウスの剣により作られた衝撃波を弾く今回は対等に攻撃を防ぐことができた。
「ほう」
ゼリウスも当然、歴戦の戦士である為か防がれた攻撃に対して狼狽せず、何故防がれたのか見極めている。一筋縄ではいかないだろうとは思っていたがまさかここまでとは……
それでも今の俺ならば! いや、今の俺「たち」の剣ならば、届く!!
「第二ラウンドとしゃれ込もうか!!」
戦いはもう一度、幕を開ける
剣の力と魂の繋がりが強くなっていく度に書きやすく じゃなくて聞き取りやすくなっていくアルヴァの声
アドヴァイスに従い描写追加これでいいのだろうか?




