行くべき場所・行きたい場所
色々あった一日も終わり、今宵も寝床につく。
進路に関しては今夜中にエニグマが決めるとの事である。
俺とテレザも手伝うと言ったのだが、余り外に出ないプラス事情を良く知らないテレザと俺では基本役に立たないのでエリーゼさんの部屋で二人して情報をすり合わせて決めるらしい。
エリーゼさんは嫌そうな顔してたが無理やり協力させられていた。まぁあの人俺たち送り出してから基本的に寝てたっぽいしいいかな。
俺とテレザは明日の旅立ちの日に健康を整えておく必要がある。役に立てないならおとなしく寝ておく必要があるかな。テレザはエリーゼさん達に申し訳なさそうに寝所についていた。今日あったことはこんな感じだろうか、俺も眠る事としよう。
(・ょうも・た繋がった)
眠りにつく時、前以上に聞きとりやすく、聞いた事のある声が聞こえた気がした。
けして光の通さないこの世界、より深くつながった今、この世界が暗闇であることに意味があることを知る。ただ、意味があることだけ知っただけでそこにどんな意味があるのかはわからないのだが……
「やぁ、こよいもまた会えたね」
「前となんか違くないか?」
なんというか声が聞き取りやすくなった気がするのは気のせいだろうか。「気のせいではないよ?」そう考えているとアルヴァから声をかけてきた。
「ジカンケイカでも少しずつわたしのあるべきちからをとりもどし、つながりもフカクなる。」
そうする事でどんどん言葉が聞こえやすくなるのだという。持ってるだけでって言ってたな。そう言えば。
「所で、こんごどこにいくつもりなの? チキュウにむかうつもりとトウホクにむかうのはわかってるんだけど……」
そうアルヴァが聞いてくる。行く道はエニグマ達に任せている事を説明する。それに訝しげる。こいつら本当にあまり仲良くないんだな。
「私にもテイアンがある」
対抗してかそれとも本当に提案があるのかまずは聞いてみたいと思う。
「ここよりさらにヒガシの塔のニシガワのまちにいってほしい」
聞いた事が有る塔には塔を中央にして東西南北に町がある事を知っている。そしてそこには場所場所に特色があり、確か西側は知識だっただろうか?しかし、そこまで行くのに距離があるのは気づいているのだろうか?行くにしても次の目的地には適してない。
「それじゃあ旧まどうこくエリジアにいってほしい。たしかもとちゅうりつコクだからケイユするにはテキしてるはず」
エリジア。今でこそ廃れているが確か一二を争う魔導の国だったはず、廃れた原因は確か戦争中に当時の国王が戦死して、無能な国王を王位についたため瞬く間に優秀な魔導師が他の国に散ってしまったため廃れたのだという。
「それでも本はそうカンタンにもちだせない。あそこでてにはいるちしきはきっとあなたのためになるはず」
「俺の事を考えてくれてたのか……」
「できれば塔にのぼれればかいけつするのだけれど、イマのジツリョクだとしぬだけだから」
塔に行く事が手っ取り早いのだが、良く聞く言葉だ。何故手っ取り早いのだろうか?それに対して聞くと、塔にはさまざまな知識と力がとある事情、集約されていることが理由だという。
とある事情とやらについては長くなるのでまた今度より深く接続したらとの事である。情報量が多いので今の伝達力では伝えづらいのだという。
「セツゾクするのもたいへんだから、いいたいことは言ったしまたねー」
「まぁいいかお前も元気でなー」
手をぶんぶん振って今度は勝手に世界の接続を解く。あいつも実は大分強引なのだと改めて思ったが確かに有意義な話だったと思うこれをエニグマ達に提案してみよう。
朝起きて、アルヴァから提案されたことをエニグマ達に話す。エニグマ達はここから東北のフロシュトという材木で有名な小さな町に行く予定だったという。
「どっちに行きます?」
そうテレザは言う特に意見もないので場の調整に力を入れている。エニグマ的にはアルヴァが気に食わないのもあるが最短で目的地に向かいたいのもあってエリジアに向かうのも懐疑的だ。なのでこの話し合いは膠着すると思ってた。がしかし、思わぬ所から手助けが来た。
「いいんじゃない? こっちのテレザの旅の理由とも合うし、もしかしたらアンタたちの目的とも合うと思うわよ?」
そうエリーゼさんからの口添えがあった。話の中央にいきなり据えられたテレザはあたふたしていたが……
「そーだね。確かにエリジアほどの都市ならもしかしたらあるのかもしれない。例えヒントだけかもしれないけどあればいい方か」
そのエリーゼさんの言葉に揺れるエニグマ基本アルヴァの言葉にすぐ頷きたくないだけで、有用性だけ認めていたようだ。俺もできる限り知識を集めた方がいいと思う。だが因縁がそしてかつての仲間の愚行がエニグマの心をあるであろう所に最短距離で行く事に心を縛る。こういう時の人間の心を動かすには、
「行ってみようぜ、俺もこの世界を思うままに冒険してみたいしさ!」
打算や誰かに言われたからではなく、自分の意思でしてみたいことを告げる。これが最も他人の心を動かすはずだから。
その言葉にみなあきれたのかポカーンと言った感じで顔を向ける。その内、テレザも俺の思惑に気付いて相槌を打つ。
「そうですよね。せっかくの旅ですもの必要な所なら色んな所に行ってみたいですよね」
エリーゼさんは最初っから気づいていたようで無言でエニグマの方に手を乗っける。果てしなくうっとしそうなエニグマの顔が印象的だった。俺もその気持ちは分かる。
「あーもうわかったよ確かにそっちの方が近いし良いよエリジアに行くよ行けばいいんだろ!」
「よっしゃー」「やりましたね」
とうとうエニグマも折れてくれた。勢い余ってテレザとハイタッチしてしまったのもいい思い出だと思う。お互いに恥ずかしくなって終わった後には、顔を合わせられなくなってしまったが。
「それじゃ、頑張っていってらしゃいな」
そう酒を片手に持ったエリーゼさんに見送られながら旅に出る。ただ旅のプレゼントなのか、主に荷物を運ぶためのマジックバックをいただいた。スポーツバックみたいだが十倍の量の物が入り逆に重量は十分の一になる魔法のバックだ。
エリーゼさんも他にもいろいろ準備してくれていたらしい。それには感謝している。これに至るまでに色々思うところはあるけど。しかし、ある程度の意思統一を得て東の旧魔導都市エリジアに向かう。進もう今はただ前へ
アルヴァと魔族の間にはとても深い因縁があります。
エリーゼの用意したものは基本倉庫に放置していたものです。




