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武器屋にて見合うもの

 朝食も食べ終えて日も高くなってきたところで買い物に行く、小さな町だけどそれでも人通りが多いとは感じていたが改めて繁盛期に来ると圧倒されるものがある。


 流石に本来の世界の都会ほどではないけれど、それでもなんというか生気と活気に満ち溢れていた。


  「なんというか、田舎と都会の中間って感じかねー」等というとエニグマからそんなんじゃ都市に行くと驚くと思うよ? と言われる。百年前とはいえどこの都市もココ以上には賑わっていたらしく


  「ここよりも人が多い所なんていっぱいあるよ。例えば、塔の近くの中央都市なんかも今でも隆盛してるんじゃないかな?」


  「ここから一番近い大都市ですと南西の方に皇都がありますね。昔、一度だけ行ったことありますけどすごく人がいましたよ! 本当に都会って感じでしたけど何よりも多くの種族がいたことが驚きでした」


 そんな、俺たちの会話にテレザも加わる今日買い物して明日出立するのだ。そのための準備はここに住んでいて稀に遠出をするテレザとはいえ必要だろう。


 ついでに、エリーゼさんはここにはいない。どころか俺たちを見送った後に、二度寝しにいった。なんなんだろうねあの人は……


 やはり、景観を損ねる小汚い路地裏三人で話しながら歩いて行くうちに武器屋についた。思いの外近いな。徒歩十五分って所か?


 しかし、改めて考えていくと、あの家から一番近い店が武器屋って本当にあの家、年を重ねるごとに景観が悪くなっていくな。住んでいる人で考えると別にどうでもいいが。


 話はそれたが、ここで俺たちの武器を買うのだという、少々薄暗いものの、右に武器、左に防具が並ぶ木材の家のまさに武器屋という風体。


  「いらっしゃい! お客さん」

  

  「初めまして、エニグマです」


  「お久しぶりです」


  「レイです。初めまして」


 店の商品を見ていると店員だか店長が話しかけてくる。テンションが高かったのでついつい返事をしてしまう。どうやらテレザの知り合いだったようである。


 店員は気のいい三十代後半男性だった。ブロンドの髪の偉丈夫でそこそこ顔が整っているところがなんというか騎士団にいた方がにあってそうな男である。


 後で聞いた話だが、実際この人はかつて騎士団にいて昔の伝手でここで武器屋を最近営み始めたらしい。


 テレザの知り合いとの事なので軽めの自己紹介を済ませた。どうやら店主の名前はハウザーというらしい。面にはあってるがやはり武器商人には似合わない名前に聞こえる。まぁ関係ない話だが。


 これから本格的な冒険をするので手ごろな武器を選んでもらった。商品の支払いは手持ちの金だけでは足りなかったので、エニグマが今まで拾って来たもので物々交換した。価値ある品であり、テレザの知り合いであることが幸いした。


 どうやら元々はエリーゼさんが此処に店を構える際に世話をしていたらしくその結果、あの人には色々と頭が上がらないらしい。あの人、この辺の顔役みたいなことやらかしてるようである。


 得られた物は転翔とほぼ同じ大きさの両手剣と軽装の鎧。これによって転翔を振るう時の違和感を少なくしようという案から選んだものである。


 防具に関しては本来、甲冑にしておきたかったのだが、今の筋力だとスピードが殺されてしまい、的になってしまう可能性がある為、軽装で最小限守らなくてはならない胸などを守っている。弁慶の泣き所等本当に最小限しか守られておらず、気をつけなくてはならない。


 「よ、テレザちゃんとそこの藍色の髪の嬢ちゃんの両手に花か、赤い髪の少年よ」


 そう言われて背中をバシバシ叩かれる。「名前、教えたはずですよ」と言うと「すまない、すまない」と更に叩かれる。やけに距離感の近い人だとは思うが、悪くない感じなのは、人柄ゆえだろう。


 「その剣なんか大事なものであまり使えないとかでその剣に似た予備の剣必要なんだろう?」


 「そうなんですよ良い剣ありますか?」


 「正直、その剣の予備に見合う剣となるとな。同サイズの剣どころか別の武器でさえないのが現状だな……悔しいが」


 それは仕方ないと思う。この剣は元々結果だけ言えば、大魔王と人間を互角にしてしまえるような桁外れの武器だ。そうそう同格の装備など、無いだろう。


 「つーかその剣、どこかで見た事あるような気がするんだよなぁ……どこだったかなぁ?」


 などと言い始めた。これも後で聞いた話だが、結構大きくて古い騎士の国の騎士だったらしくそういった所ではギリギリ下の方にも伝承が伝わってしまうものらしい。という事をエリーゼさんから教えてもらった。そういうの早めに教えてくれエリーゼさん。


 「まぁいいやこれなんかどうだ? いい出来だと思うぜ!」


 「それは昔の刀匠が作った作品でな。無名だが腕のいい職人だったらしい。そいつの作品さ」


 「そうなんですか、何となく俺にもわかります。良い武器ですね」


 そう渡されたのは青色の柄の赤い刀身の両手剣装飾は少なく実用性のみを追求したその剣はまさに斬るためだけにあるような気がする。


 「おうだろう振り回してみろよ!」


 後で聞いたが、この手の物は刀匠の銘がかかれている物だがこの剣にはそれが無いのも特徴であり、そのせいかこの作品はマイナーな作品のくせに出来がいいのもあって良く贋作が作られたという。許可をもらったので振り回してみる。手に馴染むし、なんだろう俺の使う。剣術に合う気がする。


 「へぇーそういう風に剣を振るうのか……ならやっぱりこの剣であってるな」


 「この剣を紹介していただきありがとうございました」


 「良いって事よ。紹介した代金としてはなんだがな、生きて目的達成しろよ。俺がエリーゼさん合わせる顔がなくなるからな」


 店長のぶっきらぼうな心配も心地よい。しかし、名もなき名作、その響きにかっこいいものを感じ、尚且つ取り回しのいい剣だったのでこの剣に決めた。


 「おまたせー待った?」「すいません、少々長くなりました」


 「おう、いやこっちも今終わった所だ。おっいい感じの装備だな!」


 「そっそうですか? えへへ。私もこのローブはいい感じに綺麗で気に入ってるんです」「うん、うん君もいい感じの装備だね? 感想だね!」


 どうやら他のメンツも自分の装備について買い揃えたようである。全体的にあまり変わらないのはそもそも武器に頼らないスタイルの人間ばかりだったからだろう。寒冷地用の服装の防具を何着かかっただけで大体終わっていた。


 ただ他にもテレザは上質なローブと杖を買っていた。魔力とやらも感じるが何より殴ったら痛そうな杖だったのはもしもの時を考えてだろう。


 エニグマは簡単な投擲武器をある程度買っていた。サモンカードというものを求めていたようだが貴重品らしくこの店ではなかったようでその妥協との事である。


 「んじゃあな元気で行けよ! がんばれよー」


 「ありがとうございましたハウザーさん」「カードがないこと以外良い店だったありがとう!」 「ハウザーさんまたいつか会いましょう!」




 気前のいい声で送り出される俺たち、武器屋では、本当にいい店主といい武器にめぐり合わせたと思う。幸先のいいスタートを切り他の店に向かう俺たちだった。

伝説の武器に見合うものなんて普通の店にはおいてないですね



切る所なかったから若干長くなった

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