かつてあったこと
この内的世界(精神の中に構築する集合無意識の前にある意識世界の事らしい)では、思っていたよりも多くの事を教えてもらった気がする。
アルヴァに創世剣・転翔に対する知識を教わる魔族の因縁、様々な知識を教わった気がする。今までは魔族側からの知識ばかりだった。でも、アルヴァは剣としての意見と中立に近い価値観(というか無自覚な剣としての価値観)で話す。
ただ、違う価値観での意見というのは必要だ。一つの価値観のみで物事を判断するのは危険だ。一つの意見に凝り固まれば思考の危うさは今日の夕方にエリーゼが別の意見で似たようなことを言っていたように。
他にも、やはりとういうかアルヴァも父さんの事を知っていた。アルヴァ曰く、良く所有者の近くにいて合う頻度が高かったらしい。アルヴァの魂を奪われないほど魂の強大さを持っていたが、所有する機会と所有する資格を持っていなかった為、実に惜しい存在だったらしい。
「ナナセは、さいしょにテキとして、ツギにショユウシャのトモとして、ミチビクものとして、ミキワメルショウガイとして」
「なんかよくあったんだよね? まるでわたしをカンシしてたみたいに」
多分ではなく、監視してたんだと思う。更に聞いた話では敵として戦った時、そして友として戦った時、アルヴァは爺さんを、そして父さんを所有者の意思で切り捨てたことがあるらしい。その時の父さんは事実、親の敵としてこの世全てを怨むかのような顔で、言葉で、所有者とアルヴァを見てきたらしい。
どのような事があろうとも冷静だったあの父さんが、そのような表情や言葉を相手に向けるとは子供の頃とはいえ思えなかった。
しかし、魂の共有で見せられた父さんの顔は、確かにそのような表情をしていた。言葉はこれまで聞いた事もないくらい感情的だった。本当に爺さんと仲が良かったんだろうな……そう思うに十分だった。
『父上をよくも……許せるものか! この恩知らずどもがァアア!!』
この時、魔王の息子が魔王に対して嘆いていた姿は所有者が気を動転させたらしい。何故ならアルヴァ曰く、彼は運悪く魔族至上主義者の卑劣漢としか戦ってなかったらしい。
これは、勇者をしていたなら当然の話ではある。わざわざ、魔族に襲われている地域にしか行かないのだ。人と同じ良識持った魔族にそうそう出会えるわけもない。
その為、魔族が他者の為に嘆く所など見た事もなく。襲い掛かってきた父さんに持っていたアルヴァで応戦してしまうのも……仕方のないことだった。
『止めてくれ! 魔王は死んだ! 俺たちはもう闘わなくてもいい!!』
爺さんを倒せば世界が救われる。そう先代勇者から教え込まれていた父さんの友人の二代目は、斬り殺した魔王が親友の父親だと知らなかった。
『それは貴様らの理屈だよ。お前を淨滅させてやる。貴様には輪廻の機会すら与えん。死の間際まで総てに侘びて逝けェええ!!』
斬り殺された父親を見た父さんは、たまらず怨嗟を込めて斬り殺した相手に襲い掛かって、二代目も応戦した。恨みに前が見えなくなっていた父さんと連戦による集中力の欠如が起こっていた二代目は剣を二回ぶつけ合うまでは互いに互いが分からなかったらしい。三回目でちょうど刃が顔の近くで拮抗してしまったのが更なる不幸の始まり。
『お前では、なッ! グァア!!』
父さんが親友であることに気づき、剣を緩めてしまい、刃が肌に触れるまで気づけないほどいっぱいいっぱいだった二代目は父さんを斜めに切り捨ててしまっていたらしい。
『ハぁ……はぁ、勝て、うそだ。ナナセ君がどうしてここにいるんだ。ここにいるんだァア!!』
まぁ、こんなことがあったのなら普通にアルヴァの監視を強めるよな。そして、何故会うやつ会う奴が父さんの事生きてたのか聞く理由もわかった。確かに斜めから上半身と下半身がお別れしていた人間が生きているとは誰も思わないだろう。
そんな事が有った為、父さんは、所有者、所有者にコンタクトをとってきたのだろう。次はあんなことが起こらない様に、そしてあれ以上の最悪が起こらない様にと。
「しょうじき、よくアイツにあう。だから、こっちからもコミュニケーションをとることはあった」
アルヴァ自身、父さんに良く会うことから、人間体で会った時に話しかけたことがあったらしい。その時意味深な目を向けて「いずれ、お前も救われる時が来るかもな」等と言って来たらしい。
その当時は意味がわからなかったらしい。今もわからないとの事なので、息子である俺が示さなくてはならないようである。
「すくいとはなにかおしえてほしい」
「救いか、まぁ頑張ってみるよ」
この際、父さんがどのような意味で行ったのかは無視する。彼女にとっての救いとは何か、それは彼女と一緒に生きていく中で理解すればいいだろう。
考えが、固まってきたときは別の考えに触れれば、意外といい結果に結びつくものである。その為にはまず、自分と他人とを良く知らなくてはならない。だから俺はアルヴァに宣言する。
「すまない。救いがなんなのかは今の俺にはわからない。だからそれを知る為にも、今後とも宜しく!」
「よろしくとヒトにいうのはこれで2かいめ、あなたはあなたのままでいてね」
そう、どこか悲しそうにアルヴァは俺に言ってきた。蒼い髪もその悲しそうな顔のせいか、まるでより深く暗い色になっているように見える。
「わたしのしょゆうしゃはだいなりしょうなりそのありかたをくるわせてきた。あるものはしはいよくをぞうだいさせ、あるものはともをころし、しんしんそうしつした」
友を殺してしまったものというのは多分、二代目の事だろう。そんなつもりはなくても人を破滅に導いてきてしまった。だから、貴方もそうならないで欲しいのだと告げる。
「わたしをしようしてテキをうつのは5かいがゲンカイだとかんがえてそれいじょうはきけんだから……」
そう告げると淡い光をはなちこの内的世界が溶けて行くどうやらこの世界を繋げることも限界だったようだ。
「覚えておくよ。アルヴァ君の名前も、初めての心からの忠告も」
こうして今度はただの眠りについて行く。
朝起きるとそこには荷造りをしているエニグマがいた。そろそろ、テレザが俺たち呼ぶころだろうとの事。エリーゼさんではないのは今もなお、眠っている可能性が高い為である。「みなさーん朝ですよぉおお!!」大きな声で俺たちを呼ぶ声に導かれて食卓に着く。
「おはよぉー」明らかに寝間着姿の目に悪いエリーゼさんをみんなで軽くスルーする。色んな所が出ているため正直エロいのだが、根性で気にしない! 胸とかついつい見ちゃうけど。そんな俺の姿に少々あきれているエニグマやテレザの視線が痛い。
そんなこんないっぱいあったが今回のアルヴァの件をエニグマ達の耳にも入れておいた。
黙っていた方がよかったのかもしれないけど、これから旅をする以上、できる限り内緒話は避けておきたい。
「そうか、君はあれを見たのか」
思うところはあるようだが、納得はしてくれたようである。納得ついでに五回しかこの剣で敵を倒せない理由についても聞いてみる。
この剣で五回しか敵を倒せない理由としては魂を奪うという性質に理由があるらしく、それは魂を奪っていくたびに強くなっていく。というよりもその性質から魂を奪っていく度に剣全体の性質が元の性能に戻っていくらしい。そして取り返しのつかないことになる。
その為、五回しか敵を倒してはいけないらしい。ただ、もしも、今後この剣を使わなくては倒せない敵についても考えて行かなくてはならないとの事。
話はある程度終わり、朝食をとる。テレザの朝食を天井近くにあるガラス窓から浴びる日光の元、食べるのはおいしいなと思いました。
まぁ何故生きてたとかアルヴァも知らないし省略
これにて剣関連は一段落物語も次の章へ
統合、当時の会話追加
矛盾点ある程度消去




