少女漫画とかが終わった後の悪役令嬢とヒーローの会話
よく分からない……自分が何者なのか。何の為に生きているのか。
当時はそんなおかしな考えに支配されていて……
彼女にはひどい事をしたものだ。
僕を気遣ってくれて……
そんな彼女に淡い想いを馳せたりもした。
「旦那様……?」
昔は可愛げの無かった婚約者も妻として長年連れ沿えばそれなりに可愛げも出てきた。
昔はあんなに嫌っていたのにと不思議である。
「あぁ。どうしたんだ佳希?」
「旦那様……貴方は何処の漫画のヒーローなんですか?考え事をして紅茶を零すなんて……」
えっ!?いつの間に……シャツにシミが出来てしまう……
「えっ!?うわぁぁぁ……なんでもっと早く言ってくれない!」
「フフフ。そう言えば彼女懐妊したそうですね。あの人は昔から面倒な人だったので……彼女の負担になっていなければ宜しいのですが……」
彼女は懐妊したのか……淡いピンクブロンドのフワフワな髪に淡い空色の瞳。小動物的な身なりとは不釣り合いな程女性的な身体。
まぁ……婚約者……今は、妻か……もとんでもない女性的な身体付きな訳なんだが……彼女は手の出せる範囲だったと今でも思う。
「佳希……お前も子供欲しいのか?」
「いいえ?まぁ……跡継ぎがどうのこうのは面倒なのでさっさと何処かの家のご令嬢様に種付でもして早く私をして欲しいわ。」
どうも、妻は擦れている。
顔は悪くない筈だから……佳希にとって何が足りないのだろう?
「なぁ佳希……佳希は俺の子を産みたくないのか?」
「はい。産みたくないです。」
「何が足りない……」
「そうですねぇ……胸ですか?」
おい!お前男に求める理想がおかしいだろ……あれか!?肥えてる豚が好きなのか!?
「違いますわ。私は女の子が好きなだけですの。乱暴しないし、種付しない。あぁ……素晴らしき女の子ですわ!」
「佳希……ごめんな……今の時代に一夫多妻は不可能だから俺の子を産んでくれ……」
「嫌ですわ。それなら、他所に女を作ればよろしくてよ!愛人でもなんでも作って下さいまし!そして、私の前に2度と現れないでください!割と切実に!」




