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ゆらり 2

どうしよう…でも私がちょっと外に出た時にミノリが起きたら?

迷いに迷って返信した。

『5分だけなら』

ダメだな私、と思う。

ミノリには水本の事を好きにはならないって話したくせに。


返信にどきどきする。『ありがとう

          寒くないかっこで来てよ』

私が部屋着にカーディガンを羽織って出ると

グレーのスウェットを着た水本が、

私と水本の部屋の間の壁によりかかって私を待っていてくれた。

「ドア開けとこう」と水本が言ってくれる。

「ミノリが起きて怖がったりしたらヤバいから」


ドアを開け放して出ると水本が私の手を握った。

そしてそのまま階段の手すりまで連れていってくれて

私に月を見せてくれる。

もう完全な満月ではないけれど昨日と同じだけ綺麗だ。


「もうすげぇうれしかった。『何?』て返事来た時。

来ないかもしれない返事待ってる間って

すごくどきどきして怖いね。

返事来なかったらめちゃくちゃ寂しいもん」

たぶんここで普通に若い女の子だったら、

私もメール来てて嬉しかった、

来てるか来てないか見るのが怖かったんだよ、

って言えるんだろうな。もちろん私は言えない。


「美月ちゃん、」と言いながら水本が

手すりを掴んで月を見ている私の後ろに立ち

私を囲うように手すりを掴む。

近い近い!と思う。水本に背中から抱きしめられているみたいだ。

「あ、あの、ちょっと…」と体を動かすと

体が動かせないように水本が体を密着させてきた。

「ごめん」と水本が言う。「ごめん、大きな声出したりしないでよ?

ちょっとずつってオレ言ったんだけど

そいで今夜話した結果としてただありがたがられただけだったけど

アレ話したらオレとしては告白し終わった感が強くて」

そこまで言って水本は手すりから手を離し、

手すりを掴む私の手を上から掴んだ。


「…やっぱり…その…ちょっとチュウしたいな!

だってチュウしたくて眠れなくなったもん」

もうとんでもなくドキドキする。

二人で月を見ようって言われて私も期待したのだ。

水本の事を好きにはならないとか言っておいて

それでもこうやって誘いに乗って後ろから抱きしめられて

仕方ないほどドキドキしている。


「ダメ?」耳の後ろに付けた水本の唇が少しくすぐったい。

「聞かずにいきなりやっちゃえ、って思ったんだけどさ

美月ちゃんが嫌がって騒いだりしたらいけないから」

私はなんて返事したらいいんだ?こんなにただドキドキして。


「だってもうメガネもはずして来たし」と水本は言う。

「じゃあするよ?」

いいって言ってない。私はブンブンと首を振った。

「やっぱまだ嫌?」


もうチュウなんて何年してないんだろう。

うつむく私の髪を、水本の手が優しく撫でる。

ダメだ。もうドキドキし過ぎてどんな対応もできない。

水本が私を自分の方へと向かせる。

恥ずかしくてギュッと目をつむった私の頬を水本の手が撫でた。

そして少しその手に力が入って私は上を向かされ目を開けてしまった。

水本の顔が近い。心の中で「うわ~~~~~~」と叫んでいる。

もうチュウされる!と思って身を固くしたら

水本にぎゅうっと抱きしめられた。

苦しい…


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