すごく近付く人 3
「ミノリ、先の事はわかんないけど、
オレは今美月ちゃんとミノリの事が好き」
そうか、やっぱり先の事はわかんないよね。
正直だな水本。
「ミノリ、オレが難なく言ってると思ってるかもしれないけど
好きとか何べんもいうのはメチャクチャ恥ずかしいんだぞ。
チュウと好きって言うのだったらオレは好きって言うのが
断然ハズい」
「それはさ、」とミノリが聞く。
「母さんの事を、チュウもしたい感じの好きって事?」
「ぶっちゃけな」
私はおろおろする。
水本が帰った後にミノリとどんな話をしたらいいかわからない。
「ミノリ、オレは本当はこのままここに泊りたい」
私はさらにおろおろする。
もうこの人を今すぐ帰してしまいたい。
「オレと美月ちゃんでミノリを挟んで寝たいな。川の字みたいな感じで」
「キモい」とミノリが言う。
「キモくねぇよ。オレはミノリ達が越してきてからはずっと
隣にミノリと美月ちゃんが寝てると思うと嬉しくて。
いつも一緒の部屋で寝てるって妄想しながら寝てる」
ミノリはさげすんだ目で水本を見たが、
私はもうとにかく水本に黙って欲しいと思う。
黙って欲しいと思いながらも私は川の字で寝る私達を想像する。
いや、待て私。これはミノリが男子だからいいけど
女の子だったら?それはまた別の意味で気持ち悪いかも…
「それで?どうするの?」ミノリが淡々と聞く。
「どうする…?泊っていいって事?」
「言ってないって、そんな事」
「母さんと結婚とかしたいの?」
「したいよ。オレは今すぐにもしたいけど」
「でも僕は…」ミノリが言い淀む。
ので、つい私が言ってしまった。
「ミノリは元に戻って欲しいと思ってるの。
また元のようにお父さんも一緒の生活を、元の家でしたいって」
「そっか…そうだよね」
場がしんみりとしてしまう、かと思ったが
水本はミノリに言った。
「でもオレは頑張るよ。普通に頑張る。
1日1日少しずつでも頑張って家族になりたい」
「なんでそこまで思うの?」私は気になってる事を聞いてしまいたい。
「その…私達を何回も見てたって言ってくれたけどそれだけで」
「それだけ、って言うの?」
「私が…あの時、あの空を見てた時何を見てたか…水本くんも見てた?」
「いや」と言うので、やっぱりかとがっかりする。
「オレは空を見てる美月ちゃんを見てた」
私はうずまきを見てた、と言おうとしてやっぱり止めた。
「じゃあもう話は終わり?」ミノリが冷たく言う。
「終わりだけど、今の聞いてどう思った?」
「ん~~キモいと思った」とミノリが言う。
「いつかわかるよ」水本がミノリの頭を撫でながら言う。
「大人になって、いや大人にならなくてもそのうち
ミノリにもすげー好きな子が出来たらわかる」
ミノリが白目をむいた。そりゃあ白目をむくよ小3男子なんだから。
「美月ちゃんはどう思ってくれたの?」




