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私の気持ち 2

ずっと誰からも触られも抱きしめられもしてなかったから

心が揺れたのもしょうがない。

寂しい所に持ってきてあれだけ好きだって言われたらほだされる。

でも私はミノリと明るく楽しく暮らしていきたいのだ。

もう心を乱されたくない。


こいつらはただの自分勝手な住人だ。

せっかく始める事ができた私とミノリの新しい生活を

こんな感じでごちゃごちゃにして欲しくない。


いや、ミノリを盾に自分を良いように言った。

私は私の心を乱されたくないのだ。

誰かに好きだと言われて、

また好きじゃなくなられて寂しい思いをしたくない。


私が今一番腹を立てているのは

パンツ見えそうな女の子に部屋を尋ねられておいて

やたら私の事を好きだと言った水本にだ。

やっぱり離婚したばっかりの女が隣の部屋に越して来たから

ちょっと好きって言えばすぐにどうにかできると思ったんだろう。

そしてそれでもその後思うのは『こんな私の事を?』っていう…

ダメだ、こういうぐだぐだした思考の繰り返し。

今夜ここで中途半端にドアを閉めたらきっと毎日こんな事が続く。



何とかこの人たちとちゃんと話をしようと思った時、

水本と高森美々の後ろにすっと姿を見せたのは高森リョウだった。

それがあんまり急にすっと現れたので私はひどく驚いた。

瞬間移動みたいだった。

「こんばんは」高森リョウは静かに微笑んだ。

水本と高森美々がパッと後ろを振り返り、

二人とも私と同じようにびくりとした。


「美々」高森弟が言った。

「カオルと美月ちゃん、二人にしてあげなよ。

もう邪魔しないで」

「邪魔はしてないよ」と高森美々が静かに答えた。

「ていうか何で私の方が邪魔?」


「ミノリくん」

高森リョウが、私の横で心配そうに大人の小競り合いを見ていた

ミノリを呼んだ。

「僕んとこにちょっと遊びにおいでよ。お母さんたち3人

ちょっとお話があるみたいだから。ね?」

ミノリが私を見つめる。

高森リョウが気を利かせてくれたのだ。大人だな。

ありがたい。


私は高森リョウの事もまだほとんど何もわからないから

ミノリを一人で彼の部屋に行かせるのは少し心配だけど

ミノリの前で高森美々と水本から妙なアプローチを

受けたくはない。

「アイス食べよう」もう一度高森リョウがミノリを誘ってくれる。

高森リョウがミノリの前に指を差し出した。

「それで1個だけ。1個だけミノリくんだけの手品を教えてあげるよ」



ミノリは高森リョウに連れられて奥の彼の部屋へと行ってしまったので

私は高森美々と水本を部屋の中へ入れた。



二人を食卓の椅子に腰かけさせ、

私は冷蔵庫から3本ビールを取り出してそれぞれの前に置いた。

私は腰かけない。なぜならうちには椅子が2脚しかないから。

どうしよう。

ミノリを高森リョウに預けてまで二人を部屋の中へ入れてみたものの、

そしてきちんと話をしようと思ってはみたものの、

私はここでいったい二人に何とい言えばいいのか。


いざ口に出すのは躊躇してしまう。

もう私にかまわないで下さいっていうのは高飛車過ぎないか?

もう私の事を好きなんて言わないで…

なんて恥ずかしいを通り越してバカみたいだ。


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