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休日 3

昼ごはんはショッピングモールの中のマックで食べて

私達は1時半には家に帰り着いた。

ミノリが2時から友達と約束があると言ったからだ。


ミノリを「やまぶき荘」の前で車から降ろすと

私はそのまま車を走らせ、あてどもなくしばらくドライブをする事にした。

特に行きたい所も行くべきところもないけれど

下手に部屋に戻って一人でいるところに

高森美々に訪ねて来て欲しくないからだ。


彼女と二人きりになったら何を話していいかわからない。

男とか女とか言う事を除いても

私は高森美々より水本が見せてくれる好意の方が好きなのだろう。

水本は変だけれど、今の所ミノリもとても大事にしてくれるし

自分でもミノリの事が好きだと言ってくれている。


そうか、と思って、しばらく車を走らせた私は

町はずれの運動公園の駐車場に車を停めた。

ちょっとだけ。ちょっとだけ一人でゆっくりと水本の事を考えてみよう。

アパートの階段の下で声をかけられてからの今朝までの事だ。


はじめて会ってからまだ1週間もたっていないし、

第一私は水本の事をまだほとんど何も知らない。

予備校の講師をしている事。髪の長い弟がいる事。

料理がうまそうだという事。

そして私とミノリを好きだと言ってくれている事…

月夜の下の優しい笑顔の事…

それから今朝のいろいろな事…

元夫の所へ行くと言った今日も見送ってくれて

「気を付けて帰っておいで」と言ってくれた事…


帰っておいで、って言ってもらえるのは嬉しいな。

心が温かくなる。

私はちょっと、水本の事が好きなんだな。

…いや、ちょっとというか普通に好きなんだろうな。


それは水本があからさまに好意を見せてくれているからだけれど

それでも水本が私の事を好きだと思ってくれるのはおかしいと

まだ思っている。

なぜなら私は5つも年上だから。

なぜなら私は夫にずっと触ってももらえなかったくらいの

魅力のない人間だから。


どうして私の事を前から知っていたのか、

ものすごく今聞ききたい。

そう思っていたらケイタイが鳴った。

焦ってバッグから取り出して見ると水本だ。


「水本!」私は声に出して言ってしまう。

声が少し弾んでしまって恥ずかしいが

車の中に一人だ。今一人で良かったと思った。

「件名 non title

 本文 美月ちゃん?」

これだけ?


返信した。「何?」

水本からまた、すぐ返信が来る。「もう帰った?」

「帰ってないよ」

「まだダンナさんと?」

私は少し迷って文字を打つ。「ううん。一人」

水本から間髪いれずに電話がかかって来た。


「美月ちゃん」

「…はい」

「今どこ?」

「…栗原運動公園…」

そんなとこで一人で何してんの?って言われそうで

私はぎこちなく答える。

「そっか…寂しくなったの?」

いや寂しいと言えば寂しいけど。

「2時からミノリが友達と約束してたらしくて

急に一人になったから取りあえずドライブしてみようかなと思って」

「そっか、オレやっぱ仕事休めば良かったな」

「ダメだよ!そんな事言って、そこ仕事場じゃないの?」

「そうそう。そうなんだけど、今1時間空きの時間だから。

ビルの裏の非常階段のとこにいるよ」


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