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異世界フラグが立ちました  作者: ちょむ
第三章 初めての異世界デビューってはしゃぐよね。
33/44

図書館利用における試練的な?

うん、書きたいことが多すぎてまとまらないのですよ。


まぁ、頑張るんですけれどもね

はい皆様こんにちは。


久保井 光ですこんにちは。


只今アールと共に王立図書館の前に立っております。


人の少ない早朝であります!


暗闇のなかで見た図書館よりずっと素晴らしい図書館があるであります。


白の壁に、金色でほどこされた装飾。


図書館じゃありません、もはやお城です。


早くはいりたい!



7時には図書館は開館しているのであります。


因みに時刻は7時30分を過ぎておりますでありました!



早くいきたい!


待ちきれなくて、チラッチラッと図書館をチラ見する私。


アールが、がしっと肩を掴んだ。

眼鏡がずれそうになって、慌てて直す。


アールは心配そうな顔で私に言った。


「知らない人についていったらダメ!つられたらダメ!」


「いえすボス!」


紙(羊皮紙、と言うらしい)とインクのいらない羽ペン(魔具キターーー!)が入った黒のカバンを肩からさげて、私はびしっ、と敬礼。


「男は狼よ!分かった!?」


「いや、今僕は男の子設定で」


「分かったの!?」


「い…いえす、師匠」


ずずい、と迫るアール。


迫力が怖くてひきつり苦笑い。


あとは…と呟いたアールに心配しすぎやしませんか?と思った。


「何かあったら迷わず魔術使いなさい!」


「え、でも」


爆発したりしちゃうよ?と言う前に、アールは目を吊り上げた。


「使いなさい!いいわね!?」


「いえすっっ!」


またもや負ける。

あとは…と考えこむアールに、手を上げて降参のポーズをした。


「や、もう分かった。十分」


アールは不安げに眉を垂らす。


「そう?…大丈夫?」

「うん、平気。全然大丈夫」


トキワちゃんもいるし、と頭にぴーちゃんを乗せたトキワちゃんを抱き上げた。


図書館だから動物不可、なんてことはないのだそうだ。


きちんと飼い主が管理すれば、基本自由らしい。


その点、トキワちゃんはただの仔犬ではないので安心。


しかも仔犬のふりした精霊王です。

私より何倍も強いです。

えぇ、ホントに。


「私は仕事だから行けないけれど…。トキワちゃん、ぴーちゃん、ヒカリを頼んだわよ!」


「わふっ」

「ぴっ!」


アールの頼みに


力強く犬の真似をしたトキワちゃん。


ぴーちゃんは羽で敬礼をした。



「じゃあヒカリ、12時になったらお昼を食べるので、ここにくること!」


「いえす!師匠!」



「じゃ、頑張ってきなさい!」


とん、と背中を押したアールを振り返る。


にっこり笑顔のアール。


「行ってきます!」


にっこり笑顔でトキワちゃんを抱き上げて駆け出した。


異世界の知識狩りじゃァァァァ!!

と意気込んだ。


****



階段をかけ上がるヒカリ。


アールはポツリと呟いた。


「子供が自立していくのは複雑なものなのね」


アールは寂しげに笑った。


ヒカリがこの場にいたとしたら、すかさず子供じゃねぇし!的なことをつっこむのだろう。


嬉しくもあるのだけれど、とアールは笑う。


さて、とのびをした。


「私も頑張らなくちゃ」


バサリとローブをひるがえし、アールは歩き出す。


お昼は何がいいかしら、と考えながら。


****



階段をかけ上がったヒカリ。


「行くよ、トキワちゃん、ぴーちゃん」


「わふ」

「ぴっ」


神妙な面持ちで、大きなドアに手をかけた。


体重をのせて押せば、ギイィ…と音を立てて開くドア。


ひゅっ、と息を呑んだ。


「すご……」



右見て本、左見て本。


とにかく、本、ほん 、ホン。


広い部屋にも驚いた。


ずらりと並んだ本棚は輝いて見える。


うわぁ、と目を丸くし周りを見回した。


アールの言葉を思い出す。


『まずは受付に行くのよ。オレンジ色のカードをくれるわ』


あれか、と受付らしきものを前方に発見。


トキワちゃんを抱き直し、歩く。


そこに座る茶色の髪の女の子に声をかけた。


「あの、すいません」


女の子は読んでいた本から視線を離さず、机の引き出しからカードをぴっと取り出した。


「これになりま……………す」


「ありがとうございます」


彼女が差し出したオレンジのカードを掴む。


…………?


あれ、離してくれないよ?


抜けねぇ、と引っ張ってみるも、彼女は手を離さない。


初っぱなからなんなんだよう!と混乱。


なんだコレアレか!?


図書館利用における試練的なものなのか!?


まさか、ねぇ?


いやいやいやまさかねぇ!?


「あの、」


焦って女の子の顔を見た。


真っ赤だ。

まっかっかだよこの子。


「だ、大丈夫ですか」


風邪かなこの子、と

首を傾げれば、女の子ははっとしたように手を離した。


「だ、だだだだいじょっ」


「?」


なんだこの子めっちゃかんでる。

トキワちゃんと二人で、この受付嬢の不可解な行動に目を合わせて首をかしげた。



よくわかんないしいいや、と歩き出す。

女の子が手を掴んだ。


「えっ?」


「あああ、あああの!」


立ち止まる私。

どもる彼女。


なんだなんだ、とトキワちゃんが身を乗り出した。


「どうか、しましたか?」


何か無礼をしましたか!?と真っ青になりながら聞く。


掴まれた手。


冷え性な私の手をあっためる彼女の手。


………熱い。


「風邪かな、大丈夫ですか?」


ぶんぶんと首をふる女の子。


……えっ、大丈夫じゃないの!?

「ななななっなまっ」


「え?なま?」


真っ赤な顔で何かを伝えようとする女の子。


なんだなんだ、なまってなんだ。

困って眉を下げる。


「名前をっ」


「?名前?」


名前を言えってか?


何故にそんなに怯えているんだね君は、と困惑しながら、言った。


「僕はヒカリです、けど」


「ヒカリ、様!」


…………え?



「様ァァァァ!?」


彼女の言葉に驚いてのけぞる。


トキワちゃんは満足そうに鼻を鳴らした。


ぴーちゃんもトキワちゃんの真似なのか胸をはる。


そして、合点がいった。


そうか、この子は私に怯えているんだな。

だから、様とかつけているのだな。


そうなったら話は早い。

出来るだけ、優しく、笑顔に、柔らかく。


「様なんてつけなくていいですよ。僕はそんな怖いものじゃありませんから」


「あっ、すすすいませんっ」


あれ、逆効果?


ぱっと手を離され、余計真っ赤になった彼女。


……心なしか涙目じゃない?この子。


泣かせるのは嫌だ。

怖がらせるなら行かないと!


「じゃっ」


さっと、歩き出す。


後ろから何か聞こえたが、聞こえないふりで本棚に紛れた。


「なんだったんだろ…」


ヒカリの呟きに、トキワちゃんもぴーちゃんも首をかしげたのであった。



ひかりさん、もてます。


女の子に。

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