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異世界フラグが立ちました  作者: ちょむ
第三章 初めての異世界デビューってはしゃぐよね。
22/44

フラグを折りたい切実に

下手くそなシリアス注意。


ふはー。


そして、シリアスにするのかギャグにするのか、きめましょうかっていう件について。

目を開く。


揺らぐ、揺らぐ、白。


ぼんやりとした視界。

一面の白。



―此処は、どこ?


そして気付く。


嗚呼、トキワちゃんになんかされたんだった。


起きたら絶対シめる。


起きたら?


あれ、これは私の夢?


じゃあ、何で私は目を開けられた?


疑問は増えていく。



一面の白色のなかでふわふわと浮く体。


上を向いているのか、下を向いているのか、はたまた横を向いているのか。


分からない方向。


進んでいるのか、止まっているのか。


分からない状況。



何もかも分からない中で、増えてしまった疑問を解消するため、お得意の分析を始めてしまった自分の脳。


ぼんやりと考える。



嗚呼、結論でたみたい。


なんて、他人事のように思っている自分がいた。










…え。



私死んだんじゃね?


マジで?






嗚呼、恐ろしい考えを導き出した自分の脳をひっぱたいてやりたい。




―――…でも。


こんなに気持ちいいなら、いいかも。


嗚呼、力が抜ける。


ゆたり、と白と同化するように揺れている、自分。


時間さえ感じられない心地よい空間。






あれ、何かこの感じ、前に感じたことがあるかもしれない。


思い出せそうで、思い出せない。

ゆらゆらと、白色が揺れている。

何か、あと少しで、







……………ワカラナイ。


もう、どうでもいいや。


面倒くさがりな性格が、思考の邪魔をした。


もう少しで何かキそうだけど。


分かんないし、疲れるからいいや。


今は、何にもしなくていいや。

気持ちいいし。



そう思って、目を閉じた。


夢なんだろうけど、幸せな二度寝しよ…

クフフフフ…←え。







刹那。




「あーあー、声、聞こえてますか?どうぞ?」



「はい?」



響いた、呑気そうな声。



聞いたことのある、懐かしい声。


まさか。


パチパチと瞬きをした目の前に。

「かっちゃん!?」


「はは、どーもどーも」



照れくさそうに頭をかいて、ひょこ、とお辞儀した友達がいた。





ナニコレ怖い。





****



「おやー、光、どしたー?」



ビシリ、と固まった光の目の前で手をひらひらと振る彼女。


「え?なに、目開けたまま寝てんのかな?」


「…んなわけねぇだろぉ!!!びっくりしてんだよ!!てか何!?君誰!?え!?

なに?私、夢みてんの!?まさか、かっちゃんなわけないよね!?」



「あ、起きたー。ははは、変わってねーなー」



「え!?スルー!?スルーすか!?誰!?」



呑気に光の前で笑うのは、光の友達、



「いやだなぁ、忘れちゃったの?

僕は、モノホンのマライア・キュリー夫人さ!!」



「あ、かっちゃんだ。ワケわかんないとこかっちゃんだね、うん。」



正真正銘の僕っ娘、光の相方、ボケ担当の

城崎 かおる♀ 17歳。


通称 かっちゃん。


人懐っこい笑顔に、少し茶っ毛のショートヘアー。


くりくりとした瞳が楽しげに細まった。


「いやはや、お久し振りですなぁ光さん。お元気そうで、何よりですー。ははは」


「いやいや、お陰さまで…って違うよね?なんかおかしくない?何で君違和感なく座ってんの?え?何?」


「まあまあ、とにかく、座りなさいな。」


「聞いてる?人の話聞いてんの?君。」



仕方なしに、かっちゃんの隣に腰をおろす。


無重力空間のような感覚はいつの間にか消えている。


とりあえず、床的なものなのがあるのが分かってほっとした。


少しだけ躊躇ったあと、勢いよく腰をおろす。


そんなチキンな私を見て、かっちゃんは嬉しげに笑顔を浮かべた。




犬みたい。



「元気してたようで良かったー。もっと泣き叫んで泣きわめいてグッチャグチャになってるかなーと思ったんだけど」



「え!?何なのそのグッチャグチャって!!」



「ははは、細かいとこは気にするなー」


「気になるんですけど!!」



嗚呼、またこれだ。


小学生からの長い付き合いの友達は、いつも私を自分のペースに丸め込む。



…まぁ、丸め込まれる私も私だけど。



「で、何?詳しく説明してよかっちゃん。」



「んー。」


「ねぇ、さっきから人の話聞いてんの?何?スルー?スループレイ?流行ってんの?」



「ははは、じゃ、率直に言っちゃうねー。実は僕、異世界の人ですー。ジャンジャンパフパフー」



「へー、ってなんですと?もう一回言ってみろコラ」



思わずかっちゃんにつかみかかった。


「わ、苦しー。」


しかも全然効いてないし。


「…はぁ。じゃ、此処はどこ?」


「んー、どこって…。知らね。」


「ざけんなゴルァァァァァァ!!!!」



「だって僕、こんなとこ知らねーもん。」



肩をすくめるかっちゃん。



「うん分かった。君に聞いた私が馬鹿だったんだね、うん。」



「ははは、そうだろーね」



「…力抜けるんですけど。」


がく、と脱力して肩を落とすと、かっちゃんはいきなり真面目な表情になった。



「光、君はどうしたい?」


「…は?」


「元の世界に戻りたいかい?それとも、この世界で生きたいかい?」


「……」



嗚呼、ほら、そうやっていつも。


かっちゃんは昔からそうだった。何故か全部を知ってた。


私の気持ちも、


ほしい言葉も、


全部、ゼンブ。



馬鹿ばっかりやって、

おちゃらけているようで、


実は、そうじゃない。


人を、怖くなるくらい観察してる。


何でも、知ってる。


知ってるからこそ、


「…光、帰りたいかい?」


追い詰める。


かっちゃんの、真っ黒な瞳が、私を見つめる。



光の加減で茶色に見える瞳をもつ私とは違う、底なしの黒が、早く言え、と訴える。



「…私は」


嗚呼、泣きそうに、なる。


帰りたい、けど帰りたくない。


ぐ、と唇を噛み締めた。


フワリ、緊張していた空気がゆるんだ。


「大丈夫、全部分かってる。だから泣くなよー。めんどくさいから。」


「…っな、ひど」


くしゃり、と髪が撫でられる。


かっちゃんは、笑っている。


「…僕は、全部分かってるから。ね、光。」


嗚呼、ほらそうやって。



私がほしい言葉を、くれるんだ。

『………し…………きろ』


おぼろげに、声が聞こえた。


「おや、時間だね。君の大切な家族がよんでいる。」


「え?」


「ははは、そんな捨てられそうなイグアナみたいな顔するなよー。」



「…なんか、毒舌に拍車かかってない?かっちゃん。ナニコレいじめ?」



イグアナって何?どゆこと?



瞬間、かっちゃんが、揺れた。


「え?あ、かっちゃん!?」


「光、じゃねー」


ひらひらとかっちゃんは手を振った。


「待って!!」


「ははは、だからイグアナみたいな顔するなよー。」


黒くて、モヤモヤしたものが、かっちゃんを取り囲む。


「だから、イグアナって何!?つか、私、質問が」


「ははは、また会えるよー。

僕を見つけたら、だけど。」


「は!?んな、無責任な」


かっちゃんは、薄っぺらく、笑った。


「光、似合ってるよ。その目。」

「!!!?」


その笑みが。



とても、とても、冷たく見えて。

背筋に、悪寒がはしった。


「まったねー」


「あ」


シュン、と一点に集まるようにして、モヤモヤと共に、かっちゃんは消えた。



私の手も、空をきって。


かっちゃんに感じた恐怖感と、

私、起きるんだな、っていう安心感を抱えて、視界は真っ暗に。



そういえば、目って何?


なんだかわからないまま、暗闇におちた。



とりあえず、おきたら一発トキワさんを、群れてないけど咬み殺そうと思う。




や、あの、すいません。


咬み殺されるべきは私ですね、分かります。


とりあえず、


ジャパニーズスライディング土下座

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