フラグを折りたい切実に
下手くそなシリアス注意。
ふはー。
そして、シリアスにするのかギャグにするのか、きめましょうかっていう件について。
目を開く。
揺らぐ、揺らぐ、白。
ぼんやりとした視界。
一面の白。
―此処は、どこ?
そして気付く。
嗚呼、トキワちゃんになんかされたんだった。
起きたら絶対シめる。
?
起きたら?
あれ、これは私の夢?
じゃあ、何で私は目を開けられた?
疑問は増えていく。
一面の白色のなかでふわふわと浮く体。
上を向いているのか、下を向いているのか、はたまた横を向いているのか。
分からない方向。
進んでいるのか、止まっているのか。
分からない状況。
何もかも分からない中で、増えてしまった疑問を解消するため、お得意の分析を始めてしまった自分の脳。
ぼんやりと考える。
嗚呼、結論でたみたい。
なんて、他人事のように思っている自分がいた。
…え。
私死んだんじゃね?
マジで?
嗚呼、恐ろしい考えを導き出した自分の脳をひっぱたいてやりたい。
―――…でも。
こんなに気持ちいいなら、いいかも。
嗚呼、力が抜ける。
ゆたり、と白と同化するように揺れている、自分。
時間さえ感じられない心地よい空間。
?
あれ、何かこの感じ、前に感じたことがあるかもしれない。
思い出せそうで、思い出せない。
ゆらゆらと、白色が揺れている。
何か、あと少しで、
……………ワカラナイ。
もう、どうでもいいや。
面倒くさがりな性格が、思考の邪魔をした。
もう少しで何かキそうだけど。
分かんないし、疲れるからいいや。
今は、何にもしなくていいや。
気持ちいいし。
そう思って、目を閉じた。
夢なんだろうけど、幸せな二度寝しよ…
クフフフフ…←え。
刹那。
「あーあー、声、聞こえてますか?どうぞ?」
「はい?」
響いた、呑気そうな声。
聞いたことのある、懐かしい声。
まさか。
パチパチと瞬きをした目の前に。
「かっちゃん!?」
「はは、どーもどーも」
照れくさそうに頭をかいて、ひょこ、とお辞儀した友達がいた。
え
ナニコレ怖い。
****
「おやー、光、どしたー?」
ビシリ、と固まった光の目の前で手をひらひらと振る彼女。
「え?なに、目開けたまま寝てんのかな?」
「…んなわけねぇだろぉ!!!びっくりしてんだよ!!てか何!?君誰!?え!?
なに?私、夢みてんの!?まさか、かっちゃんなわけないよね!?」
「あ、起きたー。ははは、変わってねーなー」
「え!?スルー!?スルーすか!?誰!?」
呑気に光の前で笑うのは、光の友達、
「いやだなぁ、忘れちゃったの?
僕は、モノホンのマライア・キュリー夫人さ!!」
「あ、かっちゃんだ。ワケわかんないとこかっちゃんだね、うん。」
正真正銘の僕っ娘、光の相方、ボケ担当の
城崎 薫♀ 17歳。
通称 かっちゃん。
人懐っこい笑顔に、少し茶っ毛のショートヘアー。
くりくりとした瞳が楽しげに細まった。
「いやはや、お久し振りですなぁ光さん。お元気そうで、何よりですー。ははは」
「いやいや、お陰さまで…って違うよね?なんかおかしくない?何で君違和感なく座ってんの?え?何?」
「まあまあ、とにかく、座りなさいな。」
「聞いてる?人の話聞いてんの?君。」
仕方なしに、かっちゃんの隣に腰をおろす。
無重力空間のような感覚はいつの間にか消えている。
とりあえず、床的なものなのがあるのが分かってほっとした。
少しだけ躊躇ったあと、勢いよく腰をおろす。
そんなチキンな私を見て、かっちゃんは嬉しげに笑顔を浮かべた。
あ
犬みたい。
「元気してたようで良かったー。もっと泣き叫んで泣きわめいてグッチャグチャになってるかなーと思ったんだけど」
「え!?何なのそのグッチャグチャって!!」
「ははは、細かいとこは気にするなー」
「気になるんですけど!!」
嗚呼、またこれだ。
小学生からの長い付き合いの友達は、いつも私を自分のペースに丸め込む。
…まぁ、丸め込まれる私も私だけど。
「で、何?詳しく説明してよかっちゃん。」
「んー。」
「ねぇ、さっきから人の話聞いてんの?何?スルー?スループレイ?流行ってんの?」
「ははは、じゃ、率直に言っちゃうねー。実は僕、異世界の人ですー。ジャンジャンパフパフー」
「へー、ってなんですと?もう一回言ってみろコラ」
思わずかっちゃんにつかみかかった。
「わ、苦しー。」
しかも全然効いてないし。
「…はぁ。じゃ、此処はどこ?」
「んー、どこって…。知らね。」
「ざけんなゴルァァァァァァ!!!!」
「だって僕、こんなとこ知らねーもん。」
肩をすくめるかっちゃん。
「うん分かった。君に聞いた私が馬鹿だったんだね、うん。」
「ははは、そうだろーね」
「…力抜けるんですけど。」
がく、と脱力して肩を落とすと、かっちゃんはいきなり真面目な表情になった。
「光、君はどうしたい?」
「…は?」
「元の世界に戻りたいかい?それとも、この世界で生きたいかい?」
「……」
嗚呼、ほら、そうやっていつも。
かっちゃんは昔からそうだった。何故か全部を知ってた。
私の気持ちも、
ほしい言葉も、
全部、ゼンブ。
馬鹿ばっかりやって、
おちゃらけているようで、
実は、そうじゃない。
人を、怖くなるくらい観察してる。
何でも、知ってる。
知ってるからこそ、
「…光、帰りたいかい?」
追い詰める。
かっちゃんの、真っ黒な瞳が、私を見つめる。
光の加減で茶色に見える瞳をもつ私とは違う、底なしの黒が、早く言え、と訴える。
「…私は」
嗚呼、泣きそうに、なる。
帰りたい、けど帰りたくない。
ぐ、と唇を噛み締めた。
フワリ、緊張していた空気がゆるんだ。
「大丈夫、全部分かってる。だから泣くなよー。めんどくさいから。」
「…っな、ひど」
くしゃり、と髪が撫でられる。
かっちゃんは、笑っている。
「…僕は、全部分かってるから。ね、光。」
嗚呼、ほらそうやって。
私がほしい言葉を、くれるんだ。
『………し…………きろ』
おぼろげに、声が聞こえた。
「おや、時間だね。君の大切な家族がよんでいる。」
「え?」
「ははは、そんな捨てられそうなイグアナみたいな顔するなよー。」
「…なんか、毒舌に拍車かかってない?かっちゃん。ナニコレいじめ?」
イグアナって何?どゆこと?
瞬間、かっちゃんが、揺れた。
「え?あ、かっちゃん!?」
「光、じゃねー」
ひらひらとかっちゃんは手を振った。
「待って!!」
「ははは、だからイグアナみたいな顔するなよー。」
黒くて、モヤモヤしたものが、かっちゃんを取り囲む。
「だから、イグアナって何!?つか、私、質問が」
「ははは、また会えるよー。
僕を見つけたら、だけど。」
「は!?んな、無責任な」
かっちゃんは、薄っぺらく、笑った。
「光、似合ってるよ。その目。」
「!!!?」
その笑みが。
とても、とても、冷たく見えて。
背筋に、悪寒がはしった。
「まったねー」
「あ」
シュン、と一点に集まるようにして、モヤモヤと共に、かっちゃんは消えた。
私の手も、空をきって。
かっちゃんに感じた恐怖感と、
私、起きるんだな、っていう安心感を抱えて、視界は真っ暗に。
そういえば、目って何?
なんだかわからないまま、暗闇におちた。
とりあえず、おきたら一発トキワさんを、群れてないけど咬み殺そうと思う。
や、あの、すいません。
咬み殺されるべきは私ですね、分かります。
とりあえず、
ジャパニーズスライディング土下座




