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異世界フラグが立ちました  作者: ちょむ
第三章 初めての異世界デビューってはしゃぐよね。
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目指せ、チート

や、どうも皆さん。


久保井 光ですどうも。



唐突ですが、私、頭が痛い。


ぐわんぐわんする。


寝不足最悪。


これも全てリュザイル・ペンシヴァータのせいだ。


ベッドの上でひざを抱えてうずくまる。


昨日のことを思い返した。


アールの談義は、リュザイルさんが綺麗すぎてムカつく、だとか、やけに色気のある声で言われる酷い言葉がムカつく、だとか。



誉めてんでしょうか。


まぁ、ムカつくんでしょうね。えぇ。


そして思い出す。


『あんな奴最悪よ!それに比べて……ポッ』


赤く頬を染めて、俯いたアール。

『私の、騎士様………きゃ、恥ずかしい!』


え、アール。乙女ってる。


でも驚いた。



アールには想い人がいたなんて。

予想外デス。


ああもう、超絶可愛いもじもじアール!!


ギャップが激しくて、萌えた。←乙。



そんなこんなで、まぁ、リュザイルさんの愚痴を言う会というよりは、騎士様を事細かに褒め称える会になってしまった。



ほとんど聞いてなかったけど、幸せそうなアールを見れて良かったと思うよ、うん。


で、考えた。


アールが結婚したら、私はどうしようか。


お邪魔するわけにはいかないし、お世話になるのも気が引ける。


と、いうことは、だよ。


アールが結婚したり、この先私がこの家を出なくちゃならなくなったりしたときは。



……探し物の、旅に出ようかな。


異世界こっちから、元の世界あっちに戻るための手段を探しに。



トキワちゃんやぴーちゃんが一緒に来てくれるなら嬉しいし、まぁ、そうじゃなくても別に大丈夫だけど。



私は、この世界に来てから、一度も森の外に出たことが無い。


魔物だって、いるとか知らなかったし、他に何があるのかも知らない。


私、何にも知らないんだ。



何一つ、知らない。



だから。


知りたい。



考えたくないけど、元の世界に戻れなかったら、ずっと此処にいるんだし。


アールに頼りっきり、守られてばかりじゃ、駄目だ。


私も、守りたい。



でも、私の魔術は、不完全で。

得意なのは医療魔術程度。


読心術だって、きっかけがなきゃ使えないじゃないか。



これ以上、甘えてたら、何も変わらない。アールを、守れない。



私が今居るのは、異世界なんだ。


進まなきゃ。


何か動かないと、どうにもならない。


朝起きて、アール起こして、ご飯食べて。


ハーブとか木の実採って、何か作って。


ご飯つくって、お風呂入って、アールの服から逃げて、疲れて寝る。



毎日毎日、これの繰り返し。


弱い。

私は弱い。


甘え過ぎた。

アールの優しさに。


異世界トリップ、したことに。


もう甘えない。


強く、なりたい。


誰にも馬鹿にされないように。

1人でも、生きていけるように。

じゃあ、どうしたらいい?


そんな答え、もう出てる。



おもむろにベッドから立ち上がった。


鏡の前に立って、うなずいて。

長く伸びた髪を、ぐっと掴む。


ナイフを持って、ザックリ、髪を切った。


そうして、鏡の中の、短くなった髪を揺らす自分を見つめる。



「もう、逃げない。」


これは私の決意。


帰りたいって、嘆かないように。

アールに、頼りすぎないように。

自分に、厳しくなるっていう、私なりの決意。



ふと、窓の外を見た。



嗚呼、夜が明ける。



アールが起きたら、頼んでみよう。



知識を、取り入れたい。



私も………いや、僕も、町に行きたい。



金色に差し込む日の光に、目を細めた。




なんかいろいろツッコミたくなる気持ち、分かります。


でも、


見逃してェェエ!

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