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新人貴族




「ははは!グレンダ伯爵もお人が悪い!」

「いやぁ~全くギブニス侯爵には敵いませんな!」

「夫人も益々お美しくなられたのでは??我妻も貴殿の美容法を知りたがっていて・・・」

「ジュベッタ様!お久しぶりですわぁ!」

「あら、お久しぶりですわ」



両親は、会場入り後すぐ仲間内と楽しんでいた。

私たち子ども組何十人かは別室に集められ同時入場し、王から祝福の言葉をいただく。



「ちょっとあなた?」



エレノアは早々にお友達ができたのか談笑している。

私は特に誰も近寄ってくることもなく、ぼけーっとお茶を嗜んでいると、赤毛の女の子が話しかけてきた。



「はい?」




「わたくしは、ヘンリル侯爵家の次女!ユミル・ヘンリルですわ!わたくしがお友達になって差し上げてもいいわよ!」




「ありがとうございます。助かります。」




「ちょ、あなたねぇ!ち、ちかいわよ!」




この猫目で釣り目がちの赤毛の少女は、どうやら侯爵家の子らしい。

某有名女優さんがドタイプだった私にはかなり刺さる容姿で直接堂々と言ってくるあたりも好ましい。




「失礼いたしました。ネイリン・グレンダと申します。」




「グレンダ伯爵??あぁ、あなたが平民であり養女の?その割には、、、、」





「平民であり養女だと侯爵家次女様のお友達には不相応ですよね、、、」




「そ、そんわけないじゃない!わたくしは美しいものは()()()好ましいと思っていますの!美しいものには不純物がないのですわ!それに今の時代に出自など考えるほうが古いと思っていますの!」





「ありがとうございます。ユミル様とお呼びしても??」




「もちろんいいわ!わたくしもネイリンと呼んでも??」




「はい。嬉しいです」




そうしてお互いの好きなものから始まり色々語り合った。

どうやら寛容な考え方を持っている方だ。

ユミル様のご両親はどんな方かわからないが、貴族社会の中ではかなり変わった考え方だろう。

しかし、それ以上にご由緒と実力があるからこその考え・余裕ともとれる。





「「「新人貴族諸君入場」」」




管楽器などの音楽により入場した。

今年は第2皇子も同年代らしく先頭に並んでいる。

他にも、公爵家から子爵家まで幅広くいるみたいだ。




「お姉様!お友達は出来ました??」




隣で心底嬉しそうに聞いてくるエレノア




「えぇ。一人気の合いそうなご令嬢と」




「まぁ!それは良かったですわ!わたくし、控室ではすぐにお友達ができてしまってお姉様と離れてしまったから、心配でしたの!」




そのゆるゆるな口角では心配の”し”の字もないでしょうけど、そちらはそちらで楽しんでいるのは良かった。出来れば関わり合いになりたくないのが本音だ。



「わたくし、殿方に見初められてしまったらどうしましょう!」




「殿方・・・?」




「あらご存じありませんでしたの??今日は婚約者を見つけるチャンスですのよ?」





そういうイベントだったのか…。

もう少し後だと思っていたから、気づかなかった。



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