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目が覚めた



気が付いた時には翌朝だった。


「ネイリン様がお目覚めになりました!!!奥様!旦那様!エレノアお嬢様とグラーツ医務官をお呼びして!」



部屋では、周りが慌ただしく過ごす中目が覚めたばかりの自分はぼんやりしていた。



「ネイリン!あなた大丈夫なの!?」



「噴水で頭を打ったと聞いていたが・・・。」



「おねえさま!私を助けようとしたばかりに・・・ごめんなさい!」



各々やってきてなんだか忙しない。

白髪の白い服に身を包んだ男性が私の前で軽い問診を行った。




「脳震盪かと思われます。しばらくは安静にしていれば徐々に完治していくので問題ないでしょう。」




「そうですか・・ありがとうございます」




「虫に追われるエリーを助けようとして噴水にぶつかるとは・・・」




「もう、わが娘ながら鈍くさくて・・・。心配をかけたわね。」




「いいえ!お母さま!元はエレノアがおねえさまにご迷惑を・・・」




「エリー!そんな大丈夫よ!ネイリンが自分で怪我をしただけなんだから!」





「お母さま大好きです!でもおねえさまが()()()()()()()良かったです!お医者様も安静にということなのでそろそろお暇しますね!」





そんなことを口々に言いながら出て行った。

なんともなく、、、いいえ。わたしは本当の意味で()()()()()

この世界は前世で読んだ悪役令嬢ざまぁ系作品とそっくりだ。

主人公はエレノアで悪役が勿論私。

作品の中では、実母も最終的にネイリンの話を全く信用せず、エレノアだけをかわいがった。

それに嫉妬したネイリンの行動はもっと過激になっていく。

悪役令嬢の婚約破棄で始まる王道展開から断罪による極刑まで盛り沢山の短編小説。

断罪シーン後、エレノアはニヒルに笑っていたという一文から察し、おそらく最初から好かれていなかったのだろう。



「はぁ・・・。どうしようかな」






エレノアは確実にあの時押した。

ということは殺意ではないにしろ現時点で既に悪意はあるということだ。

和解は難しいだろう。

相手は由緒正しく歴史ある伯爵家の一人娘。

対するこちらはどこの馬の骨かもわからない平民の娘。

戦力格差を感じつつ、極刑回避のための作戦を考えねば10年ほどで・・・・。




「まずは、戦力アップのためにも教養と知識ね!」





それからというもの前世の記憶も頼りつつ、スポンジのように飲みこんでいった。

元より頭の出来はそこまで悪くなかったのかもしれないが、結果的に極刑を受けたということは相当なことをしてきたのだろう。夢のように見ていたため細かい部分は思い出せない。

不安を払拭するように知識を身に着けていった。

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