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母の再婚




「ネイリン!母さまは貴族と再婚できることになったわ!この生活から脱却よ!」



「さいこん・・・?」



「そうよ!貴方にお父様と妹ができるの!ふふ!私を捨てたあんな男のことは早く忘れて正解だったわ!私の美貌があれば貴族の妻の座だって手に入るんだから!」




母ジュベッタは平民で酒場の給仕である。

私を生んだのは16歳の時で旅をしているという商人と恋仲になったという。

行商の男は、必ず戻るといってはや7年・・・。

一向に帰ってこない父と、弄ばれたとワインを飲むたびに憤る母。

職場で客として出会ったのが再婚相手の父グレンダ伯爵だそうだ。





「明日には伯爵家から迎えが来るそうよ!準備をしておきなさい!」




「はぁい。」




あれよあれよという間に連れてこられた伯爵家。





「やぁやぁ。君がネイリンだね?私は父になるヨゼフ・グレンダ。そして娘のエレノアだよ。」




小綺麗なちょび髭の新しい父と市井の人気物語に出てくるような妹。

ここで新しい生活ができると思うと心が躍るようなワクワクした気持だった。




「初めましておねえさま!エレノアと申します!たくさん遊んでくださいねっ!」




「まぁ!なんて可愛らしいのでしょう!ほらっ!ネイリン!あなたも挨拶しなさい!」





「ええっと・・・ネイリンです。よろしくお願いします。」




「ははは!なんとも固いなぁ!まぁもう家族なのだから気にすることないぞ!」




「おねえさま!お庭に行きましょう!!お見せしたいお花があるのですっ!」




そう言いながらぐいぐいと腕を引っ張るエレノア様。

話し方も私と同い年で数か月私より遅いというにとても頭がいいのなと思った。

そんなことを思いながら広い中庭に着きその時点で満開の花々は綺麗であった。


「わたしずっと綺麗なお母さまが欲しかったんですの!」




「そうなんですね?」




「だからおねえさま!家族に慣れてうれしいわ!」




「あ、ありがとうございます?」




「わっ!虫ですわ!おねえさま!怖いですわ!助けてくださいまし!」



そう言いながらよたよたとして、手で避ける様にしている彼女は怖がって目を瞑っていたままだ。

危ないからと助けに入ろうと近寄ったとき、




ーーーードンっと押されたような感覚だった。


「え・・・」



勢いよく押されたのか一瞬の凄まじい痛みとともに目の前が真っ暗になった。




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