タイトル未定2025/01/03 15:08
宇宙ステーションの船外作業員が
宇宙服の中で溺死する事故が起こった
宇宙服の冷却液が内部に漏れ出したのが原因らしい
死亡した宇宙飛行士は二重スパイだった
同国のスパイの宇宙飛行士は裏切者を始末する為
凍らせた昆虫が体温で目覚めたのちに
宇宙服のインナーを食い破らるように仕込んでいた
証拠を隠蔽し一句
「凍て海や 宇宙服に 覗き見ゆ」
人口増加がもはや限界を超えた未来
人類は一人の身体を数人の人格で共有する、ボディーシェアリング技術を開発する
探偵を営む男は三人の人格を持っていた
其々に理性、知性、感情を担うバランスのとれたチームとして機能している
依頼人の女性は四人の人格がある其々が喜怒哀楽を司る
基の体の持ち主が楽、その妹が喜
性同一性障害の元男性が哀、その姉が怒
そのうちの一人怒が失踪したという
その真相は怒は哀の創り出した二重人格だった
哀の情緒の安定が、怒を必要としなくなった為である
探偵は自我とは何かと自問しながら一句
「徒花や 飾り立てぬか ペルソナを」
スペースコロニーに人類が生活圏を広げだしてから数十年
限られた環境で人間以外の生物の生息には厳しい制限が課されている
一部の富裕層だけが酸素税を払い
繫殖能力のないクローンペットの飼育を許されているが
違法クローンアニマルが闇で取引されていた
とある老人が孤独死しているのが発見されるが
その老人が飼っていた違法ペットが逃げ出している事が発覚する
違法鳥獣取り締まり局のエース調査官の女性が調査する
調査官は直ぐにペットはハダカデバネズミと見破るが
罠にかかったペットの数が多いことに気付き愕然とする
女王を見つけ出さなければコロニーの環境に異常が生じる可能性があった
排水処理場を調べながら一句
「万緑在ればこそ 命の価値よ」
地球温暖化が進み地上では人類が住めなくなった未来
人々は海中都市へと生活環境を移している
人工鰓と人工筋肉を使ったマーメードスーツを駆使し
水没した都市から資源を回収しながら何とか生活している
一人の男が海面上昇の為に小さくなった陸地の海岸線に
打ち上げられて死んでいるのが発見されるがその死因は凍死であった
氷漬けにされ海面を漂い打ち上げられたものだが
殺された男は陸上生活復帰派、犯人は海中生活維持派
事件を捜査した刑事が一句
「壊れたる 金魚鉢の 沈む海」
少子化が種族保存率を完全に下回り
遂に人は倫理観より人類の種の継続を選択した
クローンによる文明社会の維持は
文化の停滞を引き起こした
奇跡的に自然受精を成功させた夫婦から
生まれたばかりの赤ん坊が誘拐される事件が起こった
先天的な血液の疾患を持った権力者が赤ん坊の骨髄液を狙ったものだった
事件を解決し赤ん坊を無事取り戻した刑事が一句
「秋夕暮れ 吾子よ吾子よと 泣く鴉」