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第二話

フランツとの出会いから一週間後、私は再び森に出掛けた。森を散策したいしまたフランツと会いたいから。



フランツを探してたら居た。私はフランツに声をかける。



「おーい、フランツ」


「…ルシア」


フランツは少し驚いた感じにこちらを振り向く。

やっぱりおーいは貴族の令嬢としてはなかったかな。



「久しぶりね会いたかったわよ」


「そう。」


「少し無愛想すぎない?」


「僕は人見知りだから」


「なら仕方ないわ。ねえ、魔法の練習なら一緒にしない?」


「少しなら。」


「やった!早速練習しましょ」


「少し待って」


「わかった」



フランツは急いで準備をした。





二人は魔法の練習をしている。ルシアはフランツの魔法の腕に感心した。


「それにしてもフランツは魔法が上手いわね。」


フランツは魔法の腕が本当にいい。下手な魔術師よりも凄いわよ、多分。


「そう思ってくれて嬉しいよ。僕は世界を旅したいんだ。だから1人でも、生きれる様に強くなりたいんだ。」


「成る程、それは凄いわ。いいわね私も旅したいわ」


「女性の一人旅は危険だから強くならなきゃならないよ」


「そうね。ねえ私の腕はどうかな?」


「この歳でそれだけ出来るなら問題ないよ。」


「それは良かったわ。それと、私は剣もやっているのよ。」


「僕もなんだよ。」


「なら、一度試合をしないかしら?」


「試合?まあいいけど」





私はフランツと試合をする事になった。

互いに剣を構えて相対する。フランツの構えからは全く隙を感じられない。しかし臆してはいられない。


「いくわよ、はぁー!」


私は掛け声をあげてフランツに向けて剣を振り上げて突き進む。


フランツは難なく躱して私に剣を突き付ける。


「・・・私の負けよ」


完全に王手を取られた。悔しいけど完全に私の負けね。


「もう一回しよ!」


「わかった」



 +++++



「全然勝てない…」


五回程戦ったけど、全く勝てない。剣の腕も先生から褒められたんだけどな。


だけど、フランツの方がかなり強い。私が仕掛けても対処されて向こうが仕掛けてもその動きに対応できない。強すぎでしょフランツ。剣一本でも兵士を数人纏めて一蹴するんじゃないかしら。実際そこまでは強くないと思うけどそれぐらい強く見えるわ。


「あなた強すぎ…」


「君も筋はいいよ」


「ねえどうしてあなたはそんなに強いのかしら?」


「僕は鍛えているからね。それと生まれもった才能がある。だから強い。」


「いいわね才能に恵まれてて。」


「君もじゃないか」


「まあね」


私も剣も魔法も才能はかなりある。ヒロイン(笑)に生まれたから才能は盛られてるのね。おそらく上げて落とす為だけど。


「ねぇ、これからも会ったら一緒に鍛えたり試合してくれないかしら」


「どうして?」


「私は強くなりたいのよ。」


「たまにならいいよ。」


フランツはめんどくさそうだけど一応了承してくれた。嬉しいわ。


「ありがとうフランツ。」


「うん」


「ねえフランツの家は貴族だけどどんな家かな」


「僕の家は子爵だよ。僕は次男坊だから家を継がなくても問題ないから好きな事出来て嬉しいよ。」


「私は男爵の娘よ。私も上に姉がいるから、楽できるわ」


「それはいいね。」


とは言っても私も嫁ぐ為にはキチンと身だしなみやマナーには気をつけなきゃならないわ。




 +++++




「ルシア、最近森に行くのね」


「うん、お姉様」


私はお姉様とお茶をしている。お姉様の名はシルヴィア。容姿が美しくて器量に優れて自慢のお姉様よ。私もお姉様に負けないぐらいに美しく優れた女性にならなくちゃね。


「お友達でも出来たのかしら?」


「ええ、森で男の子とよく会うのよ。」


「そうなんだ。」


「その男の子は人見知りだけど私によくしてくれるから一緒にいて楽しいのよ。」


「そうなんだ。その子は貴族の出かしら?」


「うん。」


「なら家に招くのもいいわね。」


「そうね、機会があったら誘うわね」


「あなたにもいい相手が見つかってよかったわ」


「そんなんじゃないってば」


お姉様と他愛ない会話をしながらお茶するのは楽しい。機会があったらフランツを誘うのも悪くは無いわ。





シルヴィアお姉様は容姿も器量も人格も優れている本物の貴族。素晴らしい人だけど、でも、私が助かる為には最悪見捨てる事も視野に居れなければならない。いや、お姉様だけでなくお父様やお母様や家庭教師に使用人の皆もよ。


私は悪役令嬢の主人公にざまぁされるヒロイン(笑)に転生した。私が気を付けたとしても何が起こるか分からない。何かが起こってざまぁされる可能性もある。それだけは勘弁願いたい。だから、家族を見捨てても私は助かりたい。いざという時に見捨てれる様にあまり入れ込まない様にしなければ。



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