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第24話



今日は待ちに待った卒業パーティー。

卒業式を終えた後、卒業パーティーで門出を祝う。美しい調度品が並んだ会場に、美味しい料理や酒、美しい音楽のある最高に楽しい場所。


私は、あれから頑張ってきた。レスター殿下がやたら私にアプローチしてくるのをどうにか躱した。パトリシアの機嫌を損ねない様に友達として振る舞った。それにしても本当にレスターの野郎はしつこかったわ。やたら私にすり寄ってくるしお前にはパトリシアがいるだろーが!パトリシアと乳繰り合ってろ!


だけど、こんな日もこれで最後。やれるだけの事はやったし、後はパーティーを楽しむだけよ!


それなのに・・・・・・





「パトリシア・フォンティーヌ!貴様とは婚約破棄をする!!」





何でこうなるのよ~!!!





レスターの婚約破棄宣言から少し前…


「美味しい魚のフライね~」


ルシアは呑気に料理を楽しんでいる。


「このワインも相当な上物だ」


フランツもまた、酒を楽しみながら料理に舌鼓を打っている。


「今日で魔法学院ともおさらばになるね。感慨深く思うよ」


「そうね。殿下のアプローチはしつこかったけど、ここでの日々は楽しかったわ。」


「色々あったな。僕はよくアルベールに挑まれてたし、たまにパトリシア様とも戦ったよ」


「アルベールは本当にあんたに挑んでいたわ。その度にあんたに負けてるけど。」


「僕には最後まで勝てなかったけど、それでも彼は確実に強くなっているよ。彼の魔導一閃は凄い技だよ。それに、どれだけ負けても勝とうと挑むのは並大抵の事では無い。負けを繰り返しても僕に勝とうと勝負出来るのはアルベール以外には居ないと思うね。」


「正直、アルベールがあんたの次に強いんじゃないの?私でも接近戦では分が悪いと思うわ。」


アルベールはフランツに勝とうとどれだけ負けてもフランツに挑んだ。そのせいか、アルベールの戦闘力はフランツの次に強くなり、ルシアやパトリシアよりも強くなった。


「正直、戦闘力はともかく精神の強さなら僕でも彼に勝てる気はしないよ。彼は未来の魔導騎士団団長といっても過言ではない。」


「あんたが目をかけるだけはあるわ」


「ああ。彼ならきっとランベール王国の最強の騎士になるな。」


フランツはそう締めくくった。


「そういえばラルド殿下とも仲良かったわぬ。」


「ラルド殿下と居ると本当に楽しかったよ。僕とも話が合うし、彼とはたまに高級クラブに行ったりするんだ。」


「あんた王族を風俗に連れていくなんて大胆ね。」


「殿下が言い出した事だ。僕も最初は渋ったけど最終的に僕が折れて連れていったよ」


「ラルド殿下も少し強引だからね。まあレスター殿下よりはマシだけど。」


「レスター殿下は君を口説いてくるんだよね。」


「私も何とか避けてるけど、しつこくて大変なのよ。パトリシア様との仲に影響が出たらどうするのよ!!」


「苦労してるんだね。」


「まあ、それでも卒業までは何とか回避したから良かったけどね。」




レスターがしつこく言い寄ってきた事。アルベールがフランツに勝とうと勝負を挑んできた事。


魔法学院での3年間を振り返り、それぞれの思い出を語らう。


「ん?あんな所にレスター殿下がいるが何か発表するのか」


「パトリシア様もいるわね」


壇上に立ったレスターはパトリシアに向き合っている。


「もしかして…いや、まさか…ね」


ルシアは嫌な予感がしたが気のせいだと思う事にした。




+++++




「パトリシアフォンティーヌ。君に言うべき事がある。」


レスターは厳しい表情をパトリシアに向ける。


「何でしょうか殿下…」


レスターのただならぬ雰囲気に若干だが、パトリシアは気圧される。


レスターはパトリシアを凝視する。

そして ────





「パトリシア・フォンティーヌ!貴様とは婚約破棄をする!!」






冒頭での婚約破棄宣言に繋がる。




+++++




レスターの突然の婚約破棄宣言に周囲はざわついている。



「な…どうして…ですか」


パトリシアは困惑しつつも何とか声を絞り出してレスターに尋ねる。


「どうしてだと?そんな物は決まっている!!」


レスターはパトリシアを睨み付けながら理由を話す。


「貴様がルシア・フルニエをいじめていたからだろうが!!」


「な!!?」


レスターの言葉にパトリシアは信じられないといった表情をする。


「ちょ…待って下さい!!」


ルシアは居ても立っても居られず、止めに入った。


「何をおっしゃっているのですか!!」


「ルシア!」


レスターはルシアに歩み寄ると、ルシアを抱き寄せる。


「もう大丈夫だ。君をパトリシアの魔の手から救ってみせるよ。」


「いや、違うんです!パトリシア様とは友達で」


「パトリシアに無理矢理付き合わされたんだろ?分かるさ。」


「だから」


「いい加減にしろパトリシア!これ以上ルシアを苦しめ…」


「違うっつってんだろ!!」


バキッ!!


話を聞かないレスターに痺れを切らしたルシアはレスターを思い切り殴り飛ばす。


「ぐほっ…!」


殴り飛ばされたレスターは地面に突っ伏す。



「なっ…ルシア…?」


レスターを殴り飛ばしたルシアにパトリシアは唖然とする。


「な・・・・・」


コンラッドもその光景に言葉を失うが・・・


「殴ったーーーッ!!ルシア・フルニエ、レスター殿下を殴り飛ばしたぞーー!!」


何かに火がついたコンラッドは高らかに叫ぶ。




「ま…待ってくれ…一体どうしたんだい…」


レスターは何とか立ち上がる。


「てめぇが人の話を聞かねえからだろうが!!!」


バキッ!グシャッ!!



「ぐはっ!ごふっ!」


切れたルシアは怒りに任せてレスターを殴りまくる。


「オラオラオラーッ!!!」


ボゴッバキッゴシャッドカッ!!


ルシアはレスターをお構い無しに殴る。


「ルシア・フルニエ!レスター殿下にナックルパートの連打!!これにはレスター殿下もやられっぱなしだ!!」


コンラッドはルシアがレスターをぶちのめす様をノリノリで実況する。


「まだまだこれからだーっ!」


「まだやるのかルシア・フルニエ!?」


ルシアは倒れたレスターにまだ攻撃する気だ。

コンラッドも実況に力を入れている。


「な、これは一体どういう事だ…」


あまりの事態にラルドは困惑するばかりで状況が上手く飲み込めない。




「ルシア…止めるんだ」


「おおーっと!!フランツ・ガルシアがルシア・フルニエを止めに乱入してきたーッ!」


呆気に取られていたが何とか持ち直してルシアを止めに入るフランツ。


だが・・・・・・



「邪魔すんじゃねえ!」


ボゴッ!!


「うぐっ!!?」


ルシアのボディブローが入り、地面に倒れる。


「ルシア…」


いきなり殴られたフランツはそのまま、気を失うのだった。


「乱入したフランツ・ガルシアが1発KO!?まるであけ○のだー!!!」


「レスター!あんたに引導を渡してやるわ!!」


ルシアはレスターに技をかける体勢に入る。


「ルシア選手、レスター殿下に技をかけてKOする気かーっ!」


「滅せよレスター!」


ルシアはレスターに技をかけて止めをさそうとしている。


「バックドロップ!!」


バゴッ!!!


「ぐはぁっ!!」


ルシアのバックドロップがレスターに入り、レスターは一撃で気絶する。


「決まったーッ!バックドロップ!!ルシア選手のバックドロップが見事に入り、レスター殿下は一撃でKO!!不沈艦、ここに沈む!ルシア・フルニエVSレスター殿下!!試合を征したのはランベールの暴れ馬ことルシア・フルニエだーッ!!!」


コンラッドは興奮を押さえきれずにルシアの勝利を高らかに宣言する。



「まだまだ行くわよ!」


「ルシア選手、まだやり足りない様です」


ルシアは戦闘不能になったレスターにまだ攻撃する気だ。


「待ってルシア!もうやめて!!」


冷静さを取り戻したパトリシアはルシアを止めようとする。


「おおっと!パトリシア様、ルシア選手を止めに入った」


「うるせぇ!!邪魔すんじゃねえ!」


バキッ!


「うっ…!」


ルシアは止めに入るパトリシアを殴った。


「殴ったーっ!今のルシア選手はまさに暴れに暴れる野生の馬!!立ちはだかる者は全て敵だ!」


「ルシア、何で…?」


殴られたパトリシアは地面に倒れて、殴られた頬を擦る。


「てめえもレスターの心をちゃんと射止めねえからレスターのアホが私に言い寄って来やがるんだ!」


ルシアはパトリシアの足を抱えるとジャイアントスイングを決める。


「ルシア選手、パトリシア様にジャイアントスイングだ!パトリシア様はスカートを押さえるのに必死だ!!」


「嫌ー!!やめてーッ!」


パトリシアは恥ずかしそうにスカートを押さえてパンツを見られるのを必死に防ぐ。


「これで最後よ!!」


ルシアはパトリシアを上空に放り投げ、空中でパトリシアに技をかけてキン肉バスターの体勢に入る。


「ルシア選手、キン肉バスターの体勢に入ったー!!!」




「ルシア・バスター!!」




ドッゴォォォン!!!!




ルシアのキン肉バスター・・・否、ルシアバスターが見事に決まった。



「うっ…うぐぅっ!!」



ルシア・バスターを決められたパトリシアは呻き声をあげて、地面に倒れる。


「ルシア、どうして・・・」


ルシアに技をかけられたパトリシアは下半身が丸出しになっており、ルシアの名を呼んで、涙を流している。



「決まったーーッ!!キン肉バスター、いや、ルシアバスターがパトリシア様に見事に決まったーッ!!!見たかパトリシア様、これが公爵令嬢に送る三途の川の渡し賃だ!!」


一連の試合に興奮と感動が極まったのか、コンラッドは泣きながら実況している。




「試合はどうでしたかルシア選手」


コンラッドは興奮が覚めないルシアに質問する。


「最高でしたよ!誰かをぶちのめすのがこんなにも気持ちがいいなんて・・・・・」


快くインタビューに答えるルシアだったがすぐに正気に戻った。


(や・・・・・・やっちまった~!!!?レスター殿下とパトリシア様をボコボコにしゃった~!!!どどどどうしよう!!こんなん刑場の露と消えて当然じゃないのよー!!)


ルシアは自分がレスターとパトリシアに仕出かした事を理解してガチで焦っている。


「ルシア!!!」


たまたま卒業パーティーに来ていたルシアの母親が物凄い形相で向かってくる。


「お母様!」


「この馬鹿娘が!!」


ルシアの母親はルシアにボディブローを決める。


「げふっ!」


ボディブローの直撃にルシアは呻くが、そんなルシアに追撃でアルゼンチンバックブリーカーの体勢に入る。


「王子殿下と公爵令嬢様に対する無礼の数々に私は申し訳なくて合わせる顔が無いわ!!」


ルシアの母は叱責の言葉を浴びせながらアルゼンチンバックブリーカーでルシアに仕置きをする。


バキバキバキッ


「く、苦しい~!」


母によるバックブリーカーに苦しむ中、ルシアの意識は闇に沈むのであった。





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