第15話
アースドラゴンを撃退したルシアとフランツはギルドに報告して夕飯を食べに行く事にした。
ステーキが食べたくなった二人は近くのレストランに入る。
「もう腹ペコよ」
「僕もだ。」
二人は注文をして料理が来るのを待っている。
「ルシア、僕は車を作ったんだ。良ければ乗らないか?」
「いいわね。私も運転させてよ!」
「わかった。車の運転を教えてあげるよ。」
「フィリップがくれた図面を見て作ったのよね。」
「そこから僕なりに色々と手を加えたりしてね、半年はかかったよ。」
「その年でそこまで出来るなんてあんたは本当に規格外ね」
「褒め言葉として受け取っとくよ」
二人は雑談に花を咲かせている。
「お待たせしました」
二人が談笑に興じていると料理が届いた。
ルシアは目玉焼きを乗せたハンバーグに、フランツは赤身のモモ肉のステーキにした。
「美味しそうな肉だねルシア」
「匂いだけで涎がこぼれそうね」
早速、料理にかぶりつく二人。
「美味しいハンバーグね」
「いい肉を使ってるね。」
二人は料理の美味さにほっぺたが落ちそうになりながら味わう。
二人はステーキを平らげた後にデザートも食べる事にした。
ルシアはチーズケーキ、フランツはパンナコッタにした。
二人は美味しく完食した。
「美味しい店ねまた来ようよ」
「なら今度行こうか」
「明日は車見せてくれるのね」
「楽しみにしてくれよ」
「分かったわ」
二人は約束するとそれぞれの家に帰る事にした。
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翌日
「これが僕の作った車だ。」
フランツは早速、ルシアに車を見せた。
フランツの作った車は色は銀色でアウディ100クーペsと同じ外見をしていた。
「いいじゃんかっこいいわね!」
「だろ?早速乗ろう」
フランツとルシアは車に乗り込んだ。
エンジンを起動させ、車を走らせる。
車は時速40キロのスピードで走る。
「心地いい走りね」
「気に入ったかい?」
「ええ、いい感じよ!」
ルシアは車の乗り心地に満足している。フランツも楽しそうに運転する。
「ねえ、街に行かない?」
「そうだね僕も行きたかった所だ。早速行こう。」
車は街に向かう。
ルシア達は街の中を車で移動する。街の人達はルシア達の乗る車の珍しさに注目する。
「見られてるわね」
「僕達の車が珍しいからだよ。」
「人に注目されるのも悪くないわ」
ルシアは満更でもない気分だ。
二人はしばらくドライブして、行きつけの喫茶店に入った。
「お疲れ様」
「ありがと」
二人は紅茶とケーキを嗜みながら休憩する。
「僕の車はどうだったかな?」
「かなりいいわ!乗り心地もいいしゆったり出来て長時間問題無く乗れるわ。」
「それは良かったよ。それから僕の車は細かく改良してる所があるんだ。」
「どの辺が?」
「図面の車のエンジンを改良して、最大で276キロは出るし燃費も大幅に良くしたよ。それから、魔力で走れる距離も図面の車だと310キロだけど420キロにまで底上げしたりもしたさ。」
「そんな事をサラッと出来るのはあんたぐらいよ。」
やっぱりコイツは化け物染みてるわ。そう思わずにはいられないわね。
「フランツには苦手な物は無さそうね。」
「そうでもないよ。僕は0から何かを生み出すのはかなり苦手だ。」
「0から1を生み出せる奴はそうそう居ないわ。それにしても車のデザインがかなりいいわね。」
「あの車は僕のオリジナルさ。ボディも自分でデザインして作ったんだ。」
「自分でデザインするなんてやるじゃん。」
「フィリップのくれた図面からヒントを得たりしたんだ。自分でデザインした車に乗りたいし頑張って勉強した甲斐があったよ。」
「ロマンがあっていいわね。ねえ私のも作ってよ」
「金は払ってくれよ」
「分かったわ。どれくらいかかるかしら」
「とりあえず金貨60枚以上は必要だ」
「結構高いわね」
「車だからね」
「なら仕方ないわね。頑張って稼がなきゃ」
車は高い買い物だから金がかかるのは仕方無いわ。お金を稼ぐ為にもクエストを頑張らなきゃね。
二人は喫茶店で一通り休憩を終えて一旦戻った。
「次は私の番よ」
「僕が助手席で教えてあげるよ。」
ルシアはフランツに教えて貰いながら運転する事にした。
「これがブレーキでこっちがアクセルね」
「ああ。それからこれがシフトレバーで、これを使ってギアチェンジするんだ。」
「これね。そういえばこれはなんなの?」
「それはクラッチだ。踏む時はしっかりと踏み込む必要がある。」
「覚えるのが多くて大変よ」
「大丈夫。君なら覚えられるよ。」
覚える事が多いのもあって、最初は手こずっていたが、ルシアの飲み込みの早さとフランツの的確な教え方のおかげで徐々に慣れて車を乗りこなせる様になった。
「自分で車を乗り回すのがこんなにも楽しいとは思わなかったわ!」
「気に入った様だね」
「ええ最高よ!」
ルシアは大喜びだ。
「少ししたら変わってくれよ」
「わかったわ」
ルシアが車の運転を楽しんでいるとどこからか声をかけられた。
「お~い!お前ら変わった車に乗っているな。」
「ラルド殿下!!」
ルシアはひとまず車を停める。
ラルドがルシア達の乗っている車を興味深く眺めている。
2人は一旦、車から降りてラルドに挨拶する。
「お久しぶりです殿下。今日は如何様でここに?」
「うむ。俺は気晴らしに市中を見て回っていたんだ。それにしてもこんな車は見た事が無いぞ。誰が作ったんだ?」
「僕が自分でデザインして作ったんです。」
「それはすごい!ロマンがあっていいな」
「お褒め頂き光栄です」
「なあ、俺も乗せろ。俺も乗ってみたいぞ!」
「分かりました。なら、街を回ってみませんか?」
「いいな!早速行こう!」
「ルシア、運転を変わってくれ」
「うん、少し待って」
フランツはラルドを乗せて街を回った。色々な所に寄り道したりしてドライブを目一杯楽しんだ。
「楽しかったぞ!感謝する」
「お気に召して良かったです」
「なあ俺にも車を作ってくれ」
「お気持ちは嬉しいですが、王族の方々の車を作る自信がありませんので申し訳ありませんがそれは出来かねます。」
フランツは申し訳無さそうに断った。
「それは残念だ。」
「変わりといっては何ですが僕がデザインした図面をお渡ししますので、それの中に気に入った物を国の工事で作って頂くというのはどうでしょうか」
フランツは図面を取り出してラルドに渡した。
ラルドはそれを受け取って見てみる。
「これは素晴らしいな!是非作って貰おう」
「お気に召して何よりです」
「ありがとうなフランツ。車が完成したらお前も乗せてやるぞ。ルシアもどうだ?」
「それは楽しみですわ。是非お願い致します。」
「僕も楽しみです。」
「そうかそうか、楽しみにしておけよ!」
ラルドは上機嫌でその場を後にした。
「ラルド殿下の車かぁ。楽しみね。」
「リムジンみたいな車かそれともスポーツカーかな。恐らく僕の差し上げた図面を参考にするからスポーツカーの可能性が高いと思う」
「確かにその可能性は高いわ。」
「僕としてはどっちでも、いいけど乗せて貰うならリムジンがいいな。おっと、もうこんな時間か。そろそろ帰ろうか」
「ええ。早く帰らないと家族が心配するからね。」
2人は車に乗り込み、各々の家を目指した。




