第13話
D級に昇格したルシア達だが、やる事は変わりない。採集メインでたまにモンスターの退治。
「ルシア今日はキラーグリズリーを狩ろう」
「討伐数は?」
「3体だ」
「いいわ。やろう。」
最近、採集ばかりだからそろそろモンスターを狩りたかった所よ。
「森に居るキラーグリズリーによって10人は喰われているそうだ」
受けた依頼の内容は森に住み着いたキラーグリズリーが森に入った人間を襲ったり、時々人里に降りてきて作物を食い荒らして被害が出ているので討伐してほしいという内容だ。
「10人も犠牲になってるのは可哀想ね。これ以上犠牲が出ない様に倒さなきゃ。」
「ああ。村の人がこれ以上犠牲にならない方がいいと思ってこの依頼にしたんだ。それにキラーグリズリーの肉は珍味と聞いているから少し頂きたくてね。」
「私も食べてみたいわ。とにかく村の人達の為にも倒さなきゃならないしキラーグリズリーは強いから気を引き締めていかなきゃならないわ」
キラーグリズリーは熊の魔物で通常の熊より数倍も筋力に優れていて打たれ強さも急所に当たらなければ銃弾を10発喰らっても暴れられる程。そして、キラーグリズリーは雑食で果物や蜂蜜などの山の幸を食べている為に肉の味は独特の臭いはあるが豊潤な味で甘味も感じられるとして、その肉は珍味として人気がある。
ルシアは道中、現れるゴブリンを倒しながらキラーグリズリーを探す。
「グルルル・・・」
キラーグリズリーは運悪く遭遇した村人に向けて唸っていた。
「ひ…」
村人は恐怖で腰を抜かして、動けないでいる。
ドォォン!
キラーグリズリーが村人に向かって接近しようとした瞬間、魔力弾が直撃した。
ルシアの魔力弾を受けたキラーグリズリーは倒れる。
「大丈夫ですか?」
「ありがとうございます…」
ルシアは村人を連れて下がる。
キラーグリズリーは起き上がり、食事の邪魔をしたルシアに襲い掛かろうとするがフランツの飛ばした斬撃が直撃して即死した。
「これで後、2体ね。」
「ああ」
村人を無事、避難させた後は残りのキラーグリズリーの捜索を再開する。
「これでクエストクリアね」
残りのキラーグリズリーも退治した。後は帰るだけだ。
「肉を剥ぎ取ろうか。」
「私、キラーグリズリーの肉は初めてなのよね。どんな料理が美味しいのかしら。」
「薬草やスパイスに漬けて臭いを消して香草焼きにするのが美味しいらしい。白ワインによく合うと聞いたよ。」
「それは楽しみね。」
2人は倒したキラーグリズリーから肉を少し採集する。
「肉も手に入れたし帰りましょ」
依頼も無事達成したのでルシア達は帰路につく。道中、ゴブリンの集団に遭遇したが難なく撃破する。
「しつこく沸いてくるわね」
ルシアはゴブリンを倒しながらボヤく。
残りのゴブリンは後、6体。ルシア達はさっさとゴブリンを片付けようとする。
だが、しかし・・・
ゴゴゴゴゴ・・・・・
ルシアが残りのゴブリンを倒そうとした時、突如地面が揺れて辺り一帯に地響きが鳴り響く。
「何なの一体!?」
ただならぬ状況にゴブリンは逃げ出す。
「何かが来る…!警戒しておくんだ!」
フランツもこの状況に焦りを隠せないでいる。
地響きは大きくなり、周囲の地面が大きく揺れてルシアはつまづく。
「大丈夫かい?」
「ありがと」
フランツはルシアに手を差し伸べてルシアもフランツにしがみついて何とか立ち上がる。
「空に避難しよう」
「その方がいいわね」
二人は飛行魔法で空中に避難する。
地響きは徐々に大きく鳴り響き、それに比例してルシアの居た地面の震動も強くなる。
「っ!…ルシア、来るよ!」
「ええ…!!」
何かただならぬ物が来る予感がした二人は備える。
地響きと震動が強くなる一方で周囲の地面が盛り上がり、そして────
ボゴゴゴゴッ!!!
──── 盛り上がった地面から一匹のドラゴンが現れた。
「グオオオオォォォーッ!!!」
地中から這い出てきたドラゴンは雄叫びをあげる。




