第八話
ルシア達がハルトと別れを迎えてから、半年は
経った。
ルシアは師事してる家庭教師と剣で試合をしていた。
「せいっ!やーっ!!」
キン!!
ルシアは家庭教師の剣を弾き、剣を突き付ける。
「参りました。」
家庭教師は負けを認める。
「やった!初めて先生に勝ったわ!!」
「お見事です。ルシア様は私が思う以上に強くなられました。」
「ええ。友達の男の子と特訓して強くなったの。」
「そうでしたか。さぞ強いんでしょうな。」
「私より強いのよ。私は剣も魔法も一度も勝てないから。」
自慢げに話すルシア。
「でも、いずれは勝ってみせるわよ」
「それは是非とも私もお会い致したいですな。」
ハルトと別れてからも、ルシア達は鍛練に勤しむ。剣も魔法も鍛えて着々と実力を伸ばす。
「今日こそ勝ってみせるわよフランツ」
ルシアは剣を構えてフランツと相対する。
「来なよ」
フランツもルシアから目を離さない。
十数秒経ち、フランツが先に動く。
フランツの振るう剣を紙一重で躱す。
フランツは連続で斬撃を繰り出し、ルシアは必死に躱す。
「僕の連撃を尽く回避するなんてかなりやるね」
「こっちだっていつまでもやられっぱなしじゃないのよ!」
ルシアも負けじと反撃をする。
「今よ!」
ヒュッ
ルシアはフランツの隙を見つけて攻撃する。
キンッ!
「やるじゃないか」
フランツはルシアの攻撃を防ぎ、すかさず剣を突き付ける。
「僕の勝ちだ」
「いい線行ってたのに悔し~!」
「君もかなり強くなったじゃないか。僕にここまで善戦できるのは同年代では君ぐらいだよ」
「まぁね」
「次は魔法も使って戦わないか?」
「いいわよ。魔法も鍛えたんだから次こそは勝ってみせるわ」
+++++
今度は魔法も使って模擬戦をする。
「じゃあ行くわよ」
「ああかかって来な」
ルシアは飛行魔法で空を飛び、魔力弾をマシンガンの如く連射する。フランツはそれを回避して、ルシアに魔力弾で反撃する。
ルシアも魔力弾を間一髪で回避して、今までより魔力を込めた魔力弾を放つ。フランツは飛行魔法を使ってそれを躱してルシアに接近するがルシアも魔力弾の連射で迎撃する。
「これは手強いな」
「どの口が言ってんのよ」
フランツはルシアの魔力弾の連射を回避しながらも距離を詰めていく。
(やっぱり躱されるわね。でも、それでいい。隙を見極めてカウンターで特大の一撃を食らわせてあげるわ!)
ルシアは魔力弾を躱しながら接近するフランツの動きを強化魔法で強化した視力で見極めようとする。
(今よ!)
ルシアとフランツの距離が3mを切った瞬間に威力もスピードも数倍の魔力弾をフランツに向けて放つ。
ドッガァァン!
「え、嘘!?」
「今のは危なかったよ」
フランツは咄嗟にバリアでルシアの魔力弾を防ぐ。
ルシアの魔法を防ぐも、バリアには幾つかのひびが入っていた。
確実に仕留めたと思ったルシアは動揺して、フランツの接近を許す。
「今回も僕の勝ちだよ」
フランツはルシアの首元に剣を突き付ける。
「…参ったわ」
ルシアは悔しそうに負けを認めた。
「また負けたわね。強すぎなのよあんた」
「君の立ち回りも良かった。あの時の魔力弾はヒヤヒヤしたよ。」
「でしょ!あんたを倒す為にあらかじめ魔力をチャージしてたのよ。結局防がれたけど。」
「僕も防ぐのには紙一重だったよ。」
「さっさと再開しましょうよ」
「休憩を取りたいんだけど」
「そうね。休憩しましょ」
私はお茶の準備に取り掛かる。
今日の紅茶はアールグレイで私が淹れた。
フランツは茶請けにマスカットと桃とラフランスを用意した。
「君の淹れた紅茶は以前より美味しくなったね」
「そうでしょ。私はお茶も頑張っているのよ。」
フランツに誉められて得意気に自慢する。
「それにしても、いいラフランスね。みずみずしくて甘さも程好いわ。」
「気に入って貰えてよかったよ。お茶に合う様に厳選したんだ。」
「そういえばそろそろお茶会に行く時期ね。」
ルシアは茶会の事を思い出す。貴族は茶会を開いて交流する。そこで世間の情報を聞いたり、他の貴族とのコネクションを作ったりするのだ。また、子供が10歳以上になると連れて行く事がある。
「…そうだね」
フランツの表情が少し曇る。
「そんなに嫌なの?」
「まあね。貴族同士の付き合いとか面倒そうで…」
「わかるわ。でも子供同士だから大丈夫よ」
「そうだね。少し不安だけど頑張るよ。」
「ていうかあんた人見知りな割には私とはそれなりに話せてるわね。」
「君は人間性が最低だからあまり物怖じせずに話せるんだ」
「ぶっ殺すぞテメェ!!」
あんまりな理由にルシアはキレ散らかすのだった。




